投手の翌年以降の成績・パフォーマンスの予想に役立つ指標・スタッツについて

初回投稿日:2015年2月4日
最終更新日:2015年2月4日

このページでは投手の翌年の成績・パフォーマンスを予想するための指標・スタッツについてまとめています。

故障なども選手のパフォーマンスに影響を与えるため100%の確率で予想を的中させることはできないのですが、より高い確率でその選手の来季を予想するのに役立つ指標をまとめています。

なお、この内容はブログ管理人が学んだ内容についての備忘録も兼ねているため、随時情報を追加・修正して充実させていく予定です。

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投手の来季の成績を予想するのに役立つスタッツの一覧

投手の来季の成績を予想するのに役立つスタッツ・指標の一覧は以下のとおりとなっています。

FIP(Fielding Independent Pitching)

投手の勝敗は味方の打線の援護や運に左右されることが多く投手がコントロールできない部分が多くあります。

また防御率は勝敗に比較すれば投手がコントロールできる部分が増えはするものの、やはり味方の守備力や運に左右されることになります。

ゴールドグラブ級の選手が多く揃っているチームであれば、安打や長打となるような打球がアウトになる一方で、お粗末な守備力のチームであれば、アウトにできるような打球を完全なヒットにしてしまうケースもあります。

配球などで打たせる方向を限定させることもできるため、投手に責任が全くないわけではないのですが、飛んだ打球がヒットなるかどうかは、投手がコントロールできる部分が少ないのが現実で、その投手の能力以外のものに大きく左右されます。

そのため防御率や勝敗はその投手の能力を正確に示しているとは言いがたいものがあります。

そこで投手がコントロールできる要素だけで、投手の能力を測ろうとする指標がFIP(Fielding Independent Pitching)です。

FIPとは投手の奪三振、敬遠を除いた与四死球、被本塁打の数字と、リーグ全体の補正値によって算出されます。その計算式は以下のとおりとなっています。

>FIP={13×被本塁打+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回+リーグごとの補正値
リーグ毎の補正値:リーグ全体の防御率-{13×被本塁打+3×(与四球+与死球-敬遠)-2×奪三振}÷投球回

リーグ毎の補正値により、リーグ全体の防御率とFIPが同じ数字となり、FIPを擬似防御率として考えらことができるように調整されています。

防御率よりFIPが低い投手は、味方の守備や不運に足を引っ張られる形で防御率が悪くなっているだけで、投手の能力そのものは防御率以上に高いと考えられます。

逆に防御率は良いにも関わらずFIPが高い投手は、味方の守備や幸運に助けられたことによって失点が少なかったため防御率が良いだけで、投手の能力そのものは表面の数字ほど高くはないと推測されます。

仮に今年、素晴らしい防御率と勝敗を残したとしても、FIPが悪かった場合には、翌年以降にパフォーマンスが低下する可能性が高く、逆に防御率と勝敗が悪い場合でも、FIPが良ければ、投手の能力は衰えていなし、良い状態をキープしていると考えられ、来季以降に成績が向上する可能性が高いと考えられます。

BABIP(Batting Average on Balls In Play)

BABIP(Batting Average on Balls In Play)は、本塁打を除くグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合を示しています。

計算式は以下のとおりとなっています。

>BABIP=(全安打数-本塁打数)÷(打数-三振-本塁打+犠飛)

BABIPが低いということは、安打による出塁が少ないということで、ランナーを背負う機会が少なくなるため、一般的に失点も減り、残塁率(LOB%)も低くなる傾向があります。

短期間では選手によってBABIPの数字に選手毎に差が生じるものの、長期間となると投手のタイプに関わらず、大きな差が生じないとされています。

良くも悪くも平均値を大きく外れた場合には、運や味方の守備力の影響を受けた可能性が高いと推測され、翌年以降に平均値に戻る傾向があります。

このBABIPは味方の守備力や運に大きく左右されるため投手がコントロールすることは難しいとされています。

つまり防御率が良くても、BABIPが極端に低い場合には、運が良かっただけと考えられる一方で、防御率が悪くても、BABIPが極端に高い場合には翌年以降に揺り戻しがあり、防御率が改善される可能性があると考えられます。

そういった傾向があるにはあるのですが、投手ではフライボールピッチャーで奪三振率が高い投手は、BABIPが低くなり、実力が不足している選手は、BABIPは高くなる傾向があります。

ただ、このBABIPは打者の翌年以降の予想には適しているが、これによって投手の予測をするのはやや不安定で、今後の予想にはFIPがなどの数字がより使えるスタッツと考えられています。

LOB%(Left on Base Percentage)

LOB%(Left on Base Percentage)とは残塁率を測る指標で、投手が出したランナーの内、ベース上に残ったランナーの割合を示す。

LOB%が高いことは残塁が多いことを示しているため、そのまま失点が少なくなるという結果につながります。

残塁率を示す指標ですが、実際のスコア上で記録される残塁数ではなく、投手の被安打、与四球、失点、被本塁打などの成績を組み合わせて算出します。

計算式は以下のとおりとなります。

>LOB% = (安打+与四死球-失点)/(安打+与四死球-1.4×被本塁打)

残塁の大前提として「安打と与四死球による出塁」があるわけですが、特に安打の部分においてBABIPの影響を大きく受けることになります。

BABIPという指標が味方の守備力や運に依存し、投手がコントロールすることが難しく、LOB%はその影響を受けるため、同様に投手がコントロールすることが難しい指標と考えられています。

ほとんどの投手がリーグ平均前後に落ち着くとされていて、そこから大きく外れた投手は、翌年以降にその平均値に戻る傾向がある。MLBでは70%から72%となるようです。

つまり防御率が仮に良かったとしても、LOB%が極端に高い場合には運や味方の守備に助けられたと推測され、LOB%が翌年以降に平均値に戻った場合には失点が増えることになり、成績が低下する可能性があると予想できます。

また逆に防御率が良くても、LOB%が極端に低い場合には、運や味方の守備に足を引っ張られたと考えられ、LOB%が翌年以降に平均値に戻ってくることで、防御率も良くなることと予想できます。

ただ、全ての投手が平均値に戻る傾向があるということではなく、奪三振を多く奪える投手は高いLOB%を維持することができ、またあきらかに実力不足な投手は低いLOB%が維持される可能性があります。

三振を多く奪える投手は、味方の守備力に依存することなくアウトを奪えることになり、アウトをコントロールする能力が高いため、LOB%がリーグ平均より高くても、その率を維持することが可能です。

またあきらかに実力不足の投手は、そもそも打者を抑えることができないため、LOB%は低いままで、平均値に戻る動きは少なくなります。

ERA+(Adjusted ERA)

ERAとはEarned Run Averageの略で、日本語で防御率となります。ERA+とはAdjusted ERA+を略した表記で、リーグ平均防御率とパークファクターを考慮したスタッツです。

平均が100となり、100を上回る数字となる投手は平均以上の防御率であり、100を下回る場合には平均以下の防御率となります。

日本であればパ・リーグとセ・リーグ、メジャーであればナ・リーグとア・リーグの違いにより、指名打者制の有無という大きな違いがあります。

投手にとっては指名打者制のリーグの方がより失点の確率が高まるため環境的に不利です。

また球場によって打者有利と投手有利がくっきりと分かれている場合も、投手の防御率に大きな影響を与えることになります。

日本であれば札幌ドームと神宮球場では明らかに、前者のほうが投手にとって有利な環境のため、それを考慮して投手の能力を測るために、パークファクターという、球場の投打の有利不利を考慮した要素を加味して算出するのがERA+です。

ただ、アメリカの場合はホーム&アウェイーの単純な方式のため、パークファクターを算出しやすいのですが、日本のように本拠地以外の地方球場での試合も多いと、そのパークファクターの算出は容易ではないため、厳密に算出するのが難しいスタッツでもあります。