2014年の沢村賞は誰の手に?8月終了時点の成績で有力候補をピックアップ

2013年の沢村賞は28試合212.0回で防御率1.27/24勝0敗/奪三振183/WHIP0.94という日本プロ野球史上に残る記録を打ち立てた田中将大が受賞しました。

そのため29試合223.1回・10完投で防御率2.01/15勝8敗/奪三振200/WHIP1.00という素晴らしい数字を残した金子千尋が沢村賞を獲得することができませんでした。

2014年は田中将大がMLBに挑戦するために海を渡ったことにより、2014年の沢村賞はその金子千尋が大本命と目される中で開幕しました。

その沢村賞の候補として名前が上がりそうな投手を、8月31日終了時点の成績でリストアップして、残り1ヶ月あまりの沢村賞争いについて予想していきます。

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沢村賞の選考基準と2014年の有力候補

まずは沢村賞の選考基準です。必ずしも以下の項目のすべてを満たす必要はありませんが、当然のことながら多く満たしている投手が選考上、有利となることは確実です。ただ、それが全てでもありません

  • 登板試合数:25試合以上
  • 完投試合数:10試合以上
  • 勝利数:15勝以上
  • 勝率:6割以上
  • 投球回数:200イニング以上
  • 奪三振:150個以上
  • 防御率:2.50以下

昨年では金子千尋が以上の全ての条件を満たした一方で、田中将大は完投数8で10試合以上という条件を満たせなかったものの受賞しています。このようなケースもあるので、単純に条件を満たせば良いというわけではないのですが、重要視される指標であることは間違いありません。そのため、これらの数字を中心に有力候補者の数字を見ていきます。

金子千尋が圧倒的な内容で沢村賞をリード

沢村賞ではセパ両リーグの投手が対象となりますので、それらの投手を防御率順にリストアップしています。その一覧表は以下のとおりとなっています。

2014年沢村賞有力候補の8月終了時点の成績

防御率1.70と勝利数12が両リーグ1位、奪三振177、投球回数153.1、勝率.750が両リーグ2位と沢村賞の選考基準となる各指標でオリックスの金子千尋が圧倒的な数字を残しています。とくに今シーズンの金子千尋で目をひくのは自身初となる防御率1点台の可能性があることと、投球回数を上回る奪三振数で奪三振率が10.39とかなり高いことです。

今年の金子千尋は、自身のキャリアハイである奪三振率8.36(2010年:204.1イニング/190奪三振)を大きく上回るペースで三振を奪うなど、11月で31歳になりますが、さらに進化した姿を見せています。

すでに沢村賞の指標では奪三振数はクリアしています。そして残り4試合から5試合の先発が予想されますので、登板試合数も基準を満たしますし、5敗しなければ勝率が6割を超えますので、ケガさえなければこの2つの指標もクリアできそうです。

金子千尋が投球回数と完投数の基準を満たすのは、残り試合数を考えると難しい状況ではありますが、それよりも気になるのが勝ち星が15勝に到達するかどうかです。過去の沢村賞受賞者で14勝以下の投手は1988年の13勝の大野豊(広)しかいません。

その際の大野豊は他にも登板試合数は24で満たしていませんが、完投数14・防御率1.70・勝率.650・奪三振183はクリアしています。金子千尋も勝利数以外の数字が素晴らしいので、15勝しなくても受賞の可能性がありますが、できれば到達したいところです。

金子千尋が15勝に到達するような投球をすれば、必然的に防御率も大幅に下落するとは考えにくく、奪三振も200を突破することが予想され、余程の事ない限り金子千尋が沢村賞を受賞することになりそうです。

金子千尋を追うのは大谷翔平と前田健太か

それを追うのが20歳の大谷翔平です。20試合132.0回で防御率2.45/10勝3敗/奪三振153/WHIP1.17と、防御率では両リーグ2位、奪三振数でリーグ3位、勝率では両リーグ1位でと素晴らしい数字を残しています。また先発投手でありながら奪三振数が投球回数を上回るため奪三振率が10.43と規定投球回数に到達している投手の中で両リーグトップを記録しています。

この数字に加えて打者として73試合181打数で打率.282/本塁打8/打点29/出塁率.335/長打率.508OPSは.843と規格外としか言いようのない数字を残しています。20歳の打者でこの数字を残すだけでもすごいことですが、これに加えて投手としては両リーグで5本の指に入るという質の高さを実現するなど、驚異的と表現するしかありません。

ただ、沢村賞となると金子千尋が大きく立ちはだかり、可能性は低い状況ですが、来年以降にさらに期待が高まる大谷翔平です。

それに続く防御率を残しているのがセ・リーグの菅野智之と前田健太の2人です。

巨人の菅野智之は故障で長期離脱する前には25試合、200イニング、15勝、150奪三振を達成しそうでしたが、それも完全に遠のきました。また復帰のメドも立たず、最悪は今季絶望との声もありますので、沢村賞の可能性はないと考えられる状況となっています。

また金子千尋と沢村賞を争うかと思われた前田健太は悪くはないものの、期待されたような圧倒的な数字は残せていません。21試合142.0回で防御率2.73/10勝7敗/奪三振116/WHIP1.14で、防御率はセ・リーグ2位、勝利数は同4位ですが、奪三振は116と少なく、奪三振率7.35は今年を含めた直近4年間の中で一番低い数字となっています。(参考:2011年8.00/2012年7.46/2013年8.09)

前田健太が2012年(防御率1.53/14勝7敗)や2013年(防御率2.10/15勝7敗)と同等のパフォーマンスであれば、広島が首位を走っていてもおかしくありません。体調面での不安もあり、防御率のタイトルを獲得する可能性はあるものの、金子千尋を上回るような数字をこれから残すことは至難のわざと言えそうです。

あとは沢村賞の可能性をわずかながらも残しているのがスタンリッジ、岸孝之、西勇輝、則本昂大、メッセンジャー、山井大介あたりまでと考えられます。ただ、これらの投手は金子千尋と大谷翔平が数字を急激に落とした時に可能性が浮上するだけで、2試合以上の連続完封勝利というようなことがない限り難しいと考えられます。

そのため8月31日終了時点の成績では、オリックスの金子千尋が全体的な数字も素晴らしく、沢村賞の最有力候補で、それを大谷翔平と前田健太が追う展開と考えられる状況です。

沢村賞からはやや離れますがメジャーとからめての話

ここからは、沢村賞から離れての余談になります。前田健太は今シーズン終了後にMLB行きの可能性が高いとされていますが、金子千尋、大谷翔平が海を渡るとなると、現時点では前田健太より高い評価を受けることになりそうです。

前田健太は勤続疲労のためか、昨年までのようなシャープさがありません。そして制球力やキレなどの総合力は高いものの、三振を奪える決定的なボールがないため、MLBで活躍するためには、その点が不安ではあります。

その一方で、金子千尋は変化球が多彩で、これだけの球種を操る投手は、メジャーでもダルビッシュくらいで、他には見当たりません。その上に一つ一つのボールのキレと制球力も素晴らしいため、メジャーでも非常に高く評価されることは間違いありません。

また大谷翔平は先発投手で100マイル(160キロ)を記録できるのはかなりの魅力で、それに加えて変化球もカーブ、スライダーにブレーキがあり、空振りを奪うことができるキレがありますので、かなり高い評価を受けそうです。

メジャーではリリーフ投手で最速が160キロ前後を投げる投手は、珍しくはありませんが、先発となると別です。メジャーのデータを集計しているFan Graphsによると、2014年に最速で160キロに到達しているのは3人(ヨーダノ・ベンチュラ/ネイサン・イオバルディ/ウィリー・ペラルタ)だけで、大谷翔平が160キロ超を連発していることは、MLBであってもかなりスゴイことです。

そして一般的にアメリカのマウンドの方が硬く、日本のマウンドよりも、球速が出やすい傾向がありますので、大谷翔平がアメリカで投げれば、さらにスピードがあがる可能性もあります。大谷翔平は今後も日米で大きな注目をあつめることになりそうです。

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