投手王国の面影を失い再建途上の中日ドラゴンズ-2014年セ・パ交流戦開幕前投手陣分析

レギュラーが固定化されることでチームが洗練され、勝ち続けることが可能になるわけですが、その後に訪れるのは世代交代の難しさです。

中日ドラゴンズは投打ともに、その問題を抱えている状態で、有効な解決策を見いだせないままシーズン開幕を迎えました。

チーム防御率4.29と守り勝つ野球の象徴だった投手陣は、その面影を失ってしまい、19勝24敗と勝ち星を伸ばすことができず、交流戦前にヤクルトに並ばれての同率4位と今一歩の状態です。

その中日ドラゴンズの開幕から交流戦前までを分析していきます。

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投手王国の面影を失ってしまった中日ドラゴンズ

大きな戦力補強もなく、ドラフトでも1位指名は高校生にするなど、即戦力でローテに入れるような投手を指名せず、落合GMが就任当初に述べたように4年がかりでチームを再編成していくことを感じさせるチーム編成です。

チームの防御率はリーグ4位で、先発投手陣とリリーフ陣の防御率はともに4.29とかつての投手王国の面影はありません。

落合監督時代の終盤から世代交代がうまくいかず、いずれこういう時が訪れることを予感させるものは多くありましたが、完全に過渡期に差し掛かっている状態で、負け越してしまうのもやむを得ないと言えます。

その中日ドラゴンズを投手陣を中心に見ていきます。

柱となるべき投手が誤算で苦しい状況の先発陣

中日ドラゴンズの開幕後から交流戦前までの先発投手陣の成績は以下の表のとおりとなっています。

2014年の交流戦前までの中日ドラゴンズの先発投手陣の成績

先発ローテはエース格になることが期待された大野雄大(防御率4.00)がイマイチで、もう一つの柱となることが期待されたカブレラも防御率4.36と期待を裏切っています。

また今シーズンから先発にまわった岡田俊哉が1勝6敗もさることながら、防御率6.27と完全に転んでしまったのも大きな痛手となっています。

その中で浜田達郎が2試合続けて好投するという予想外の活躍をし、ベテランの山井大介が復調(防御率2.60/4勝0敗)してきているのは明るい材料と言えそうです。

ただ、今シーズンに関して言えば、先発投手陣でこれ以上の上積みを期待できるような材料が乏しく、苦しいやりくりがシーズン終盤まで続きそうな中日投手陣です。

また来シーズン以降に向けても不安が残る状態で、今年先発した投手のうち、川上憲伸が今年で39歳、山井大介が36歳、雄太が34歳、朝倉健太が33歳となる年齢のため、今シーズン中に若い投手の台頭がないようだと、来年もやりくりに苦労する状態が続きそうです。

同じく世代交代が急務だが、希望の光りも見えるブルペン陣

中日ドラゴンズの開幕後から交流戦前までのリリーフ投手陣の成績は以下の表のとおりとなっています。

2014年の交流戦前までの中日ドラゴンズのリリーフ投手陣の成績

リリーフ投手陣は高木監督時代に無理使いされた投手も多く、なかなか整わない状態です。そんな中、呼び戻したパヤノが昇格後に好投を続けているのは明るい材料です。

今シーズンの復活が期待された浅尾拓也は、ようやく5月17日に1イニングを投げた段階で、まだまだ復帰への時間はかかりそうです。

そして守護神の岩瀬仁紀は衰えを隠すことができない状態で、防御率4.50に加えてWHIPは1.60とクローザーにはふさわしくな数字で、1イニング登板するとランナーを2人だすことが多く、絶対的な信頼をおけません。

かと言って、他に代われるほどの投手がいるわけでもなく、ファームでも完全なクローザータイプとして育成している投手も見当たりませんので、かなり厳しい状態です。

また浅尾拓也が復活しても、今年で30歳になりますので、セットアップとクローザーを務める若い投手を育成することが急務となっています。

その点では2年目となる福谷浩司や新人の又吉克樹(ドラフト2位)はその可能性を感じさせる面があります。福谷浩司はボールに力があり、不安定な投球が多い時期もありましたが、徐々に安定感を持ち始めています。

また又吉克樹は防御率5.01と良くありませんが、開幕当初に2試合3イニングで7点を失った影響があるためで、それ以降は防御率2.98とまずまずの数字です。

また何よりも際立つのが奪三振の多さで、23回1/3で31個の三振を奪い、奪三振率は11.96と際立つ数字を残していて、世代交代が急務な中日ドラゴンズにとっては、期待を感じさせるものがあります。

また同じく新人の祖父江大輔(ドラフト5位)もまずまずのピッチングを見せていますので、地味な指名が続いた2013年のドラフトでしたが、一定の成果を上げていると言える状況で、いましばらくの忍耐が必要ではありますが、徐々に血の入れ替えが始まっていることを感じさせます。

総括・まとめ

今シーズンを完全にあきらめているわけではないでしょうが、落合GMが就任時に述べたように4年がかりのチーム再構築の第1ステップを踏んでいる印象です。

いきなり若手に切り替えるほど選手が育っていないため、ベテランを起用しながらうまく誤魔化しつつ、即戦力の新人を起用するなどして、徐々に若い選手に入れ替えていく意図が見えます。

落合GMは就任後、自身が足を運んで、徹底的にアマチュア野球の視察をしていると一部のメディアの報道で伝えられていました。2014年のドラフトでその落合GMのメガネにかなった選手たちを指名し、残り3年間で鍛えぬくことでチームが出来上がっていくのではないかと予想されます。

現状では高木監督時代から、急激に良くなっている点はあまり多くない中日ドラゴンズなのですが、チームを再構築していく意図は、端々に見て取ることができます。

今年はドラゴンズの練習量も段違いに増えたとのことで、今いる選手を鍛えると同時に、プロでやっていける選手とそうでない選手をフルイにかけていることもうかがえます。

そのフルイにかけられて残った選手と2014年のドラフトで指名する選手によって、中日ドラゴンズの再構築のロードマップのようなものが、おぼろげながら見えてくるのではないかと予測されます。

今シーズンはクライマックスシリーズ進出も厳しい状況ではありますが、昨年とは違い再建の一歩を踏み出していますので、希望を持ちながら忍耐強く待つことが必要となりそうです。

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