下馬評を覆し交流戦を貯金12のパ・リーグ首位で迎える好調なオリックス・バッファローズが、さらなる補強に動くという情報が伝えられています。
今回、獲得へ動いていることが報じられているのがマーリンズ、メッツ、ダイヤモンドバックスなどメジャー4球団で100本塁打放っている右投げ左打ちのマイク・ジェイコブス(Mike Jacobs)で、今年33歳になる一塁手です。
ベタンコートのパフォーマンスがイマイチで、それでも勝ち続けているわけですが、今シーズンは優勝できるチャンスと見て、さらにマイク・ジェイコブスに触手を伸ばしているようです。そのマイク・ジェイコブスを数字で分析していきます。
メジャーとAAAでそれぞれ100本塁打を記録する長打力が魅力
マイク・ジェイコブスのメジャーとマイナーでの年度別成績は以下のとおりとなっています。
2009年に年間32本塁打を打つなど、メジャーでは569試合で100本塁打を放ち、メジャーの162試合換算では年間28.5本となるペースで本塁打を打っているマイク・ジェイコブスで、メジャーでも長距離打者とされる数字を残しています。
その一方で打率は2割5分前後にとどまり、高い打撃力が要求されるメジャーの一塁手・DH系統の選手としては物足りない面があったことと、近年はメジャーでは打率が2割ちょっとにどまったこともあり、マイナー暮らしとなっていました。
そのマイナーではAAAでプレーし、2013年は118試合460打数で打率.296/本塁打28/打点95の成績で、日本の144試合換算では34本塁打・115打点と素晴らしい数字を残しています。
また今シーズンも開幕はマイナーでしたが、42試合160打数で打率.363/本塁打8/打点36と絶好調と言える数字を残すなど、33歳ではありますが、長打力を含めた打撃面での衰えは感じさせない数字を残しているのは、好材料と言えます。
ただ懸念されるのは長距離打者にありがちな三振の数が多い点です。メジャーでの打率の低さからもわかるように粗さがあるようで、メジャーでもAAAでも、毎シーズンも4打数に1回は三振をしている数字が残っていて、1試合に1回は三振をするという穴がある打者と考えられます。
ただ、メジャーでは打率2割台前半と低いですが、出塁率は3割手前と四球を選べています。またAAAでは打率も3割手前の数字で、出塁率が.360を超えているシーズンが多いため、メジャーのレベルには対応できなかっただけで、極度に選球眼悪いタイプではありません。
ベタンコートは極度の早打ちのため、出塁率と打率の差があまりない打者ですが、マイク・ジェイコブスはボールを待つことができますので、その点ではベタンコートより日本の野球に対応してくれることが期待できそうです。
また33歳でありながら、メキシカンリーグではなく、メジャー傘下のAAAとマイナー契約をできているということは、打撃面ではいまだに一定の評価があることがわかります。そのため数字からも、長打力には申し分のないものがありますので、問題はどれだけ思考に柔軟性があるかにかかってきそうです。
長打力があるものの動きは悪くないマイク・ジェイコブス
2011年にロッキーズに在籍時に本塁打を打った時の映像・動画です。
続いて、2012年のダイヤモンドバックス在籍時にタイムリーヒットを打った時の動画です。
パッティングに関してはボールを待つまでの動きが大きいため、安定性にかけることが見受けられる一方で、フォロスルーが大きく、腰の強さを感じさせる打撃フォームで当たれば飛ぶことも納得できるものとなっています。
同じく2012年の走塁の動画です。
2014年でもこの動画と同様の走塁をオープン戦では見せていますので、ファーストではありますが、巨漢タイプで足が遅く、動きが悪いという選手ではないようです。ファーストが専門の選手で、守備はとりたててうまいという数字ではないのですが、悪くもありませんので、守備面でも大きな心配はなさそうです。
まとめ・総括
シーズン前に慌てて補強したベタンコートよりは安定性があり、かつ長打力で上回っているマイク・ジェイコブスです。
シーズン開幕からベタンコートとT-岡田を併用するようなかたちで起用してきたのですが、ベタンコートは打率1割台で本塁打0という惨状で、T-岡田は悪くはないものの、もうあとひと押しがほしい状態です。
そのためもう一枚しっかりとした長距離砲がいればと感じさせる面はある状態のがオリックス・バファローズです。
オリックスの投手陣は両リーグトップの防御率で安定していますので、得点力がアップすれば、大型補強を行ったソフトバンクを退けることも難しいことではなくなってきます。
それらのことを考えると打撃面での補強はリーグ優勝を目指す上で、より強化したい分野で、長打力のあるマイク・ジェイコブスを獲得できれば、長打を期待でき、チームの得点力アップが期待できそうです。
オリックスがリーグ制覇できるかを占う上でも注目したいマイク・ジェイコブスに関する動向です。