中日ドラゴンズが外野手の補強として、獲得を交渉中と報じられているのが、カンザスシティ・ロイヤルズのカルロス・ペゲロです。
カルロス・ペゲロはドミニカ共和国出身の27歳で、左投げ左打ちの外野手で、マリナーズ在籍時の2011年にメジャーデビューを果たし、2014年はロイヤルズと、その傘下の3Aでプレーをしています。
追記(2014年12月20日午後9時):カルロス・ペゲロがロイヤルズからリリースされたFAとなりました。ペゲロは日本でプレーすることに興味があるようだと報じられています。
追記(2015年01月14日午後3時):カルロス・ペゲロがテキサス・レンジャーズとマイナー契約で合意したため、日本に来る可能性は低くなりましたが、マイナー契約のため0%ではないという状況となりました。
そのカルロス・ペゲロ外野手を数字で分析していきます。
AAAではトップクラスの長打力を誇るカルロス・ペゲロ
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カルロス・ペゲロのマイナーとメジャーでの成績は以下のとおりとなっています。

2Aでプレーしたのは2010年が最後で、2011年以降は3Aとメジャーを行き来するシーズンを過ごしています。
通算成績では3Aでは355試合で打率.277/本塁打83/打点260/OPS.873で、144試合換算では33本塁打・105打点となかなかの数字を残しています。
特に2014年は104試合で打率.266/本塁打30/打点76/OPS.912という成績で、本塁打に関しては、3Aでトップクラスの成績を残しています。メジャー傘下の3Aで本塁打を30本以上打っているのは3人しかいませんが、そのうちの1人がカルロス・ペゲロです。
そのため3Aでも長打力では上位に属するものがあるのですが、メジャーとなるとなかなか通用せず、2014年は4試合出場の10打席で打率.222/本塁打0/打点1/OPS.633と結果を残せていません。
通算でも69試合で打率.196/本塁打9/打点28と、本塁打はそれなりに打っているのですが、打率は2割を切っていて、MLBでは力不足のレベルとなっているカルロス・ペゲロです。
このようにMLBでは力不足だったため、より参考になるのは多くのチームが新外国人獲得の際に、重要視している3Aの数字となります。
優れた長打力がある一方で、不安材料は三振の多さに
カルロス・ペゲロは、3Aでは18打席に1回、16打数で1回と本塁打を打てるなど長打力に優れる一方で、3.1打席には1回は三振するなど、三振が多いタイプのバッターです。
ちなみに2014年のセ・リーグで規定打席に到達した選手の中で、この三振の割合に近いのが広島カープのエルドレッドです。
エルドレッドは3.0打席に1回の三振とセリーグでダントツの割合で、それに続くのが阪神のゴメスの3.7打席に1回、広島のキラの3.9打席に1回となっています。
このように三振の多さからもバットコントロールにやや難があると考えられるのですが、メジャーでのデータにもその兆候が見られます。
MLBのデータを集計しているBrooks Baseballによると、ファーストボールに対してはスイングの31%が空振りに、ブレーキングボール(スライダー・カーブ)とオフスピードボール(チェンジアップなど)はスイングの50%が空振りになるなど、芳しくないデータが残っています。
メジャーでは通用しない段階にいるため数字が悪くなるのは仕方のない面はあるのですが、どちらにしてもバットコントロール、コンタクトする技術にやや課題があると考えられます。
ただ、全く四球を選ばないということではなく、出塁率は高く、打率との差もそれなりにあります。
2014年の3Aの成績では9.3打席に1回は四球を選んでいるのですが、この数字はセ・リーグで規定打席に到達した選手の中では、山田哲人の9.3打席、ゴメスの9.2打席、阿部慎之助の9.1打席、平田良介の9.0打席と同程度です。
そのため四球を選ぶことを好まず、早打ちしていくような、フリースインガーではないと考えてよさそうです。
これらのことからカルロス・ペゲロは、極度に選球眼悪くないため、四球もある程度選べるものの、バットに当てる技術に関してはやや難があるか、もしくは振りすぎてしまうため三振は多く、バットに当たった時には高い割合で長打になるという選手であると考えられます。
右中間からライトにかけて長打が多い打撃
最後にカルロス・ペゲロの打撃と守備の映像です。
以下はマリナーズ在籍時の2013年4月に放った本塁打の動画です。
基本的に本塁打はライトから右中間にかけてのものがほとんどで、メジャーでは左中間方向には本塁打は1本だけと、長打はライト方向で多くなっているデータが残っています。
ですが、まったく流し打ちができないわけではなく、安打に関してはセンターからレフトにかけても打っています。
守備に関してはメジャーでは特に守備範囲が広い方ではありませんが、通算のデータでは青木宣親と同程度の守備範囲があるとの数字が残っています。
守備の動画は2014年3月のオープン戦時のものです。
MLB.comでは、この動画の他にも守備でも紹介されるようなプレーがあるのですが、打球の落下点への入り方など、図抜けてはいませんが、十分な守備力があると考えられる映像が目につきます。
これらの動画を見る限りでは、パワーヒッターにありがちな守備面での不安はなさそうなカルロス・ペゲロです。
カルロス・ペゲロの打撃での三振の多さは気になりますが、ブランコなども日本の野球から学ぶことで、対応力を身につけていきました。
長打力に関しては申し分が無いですし、年齢も来季で28歳と若く、伸びしろもあると考えられますので、日本で大化けする可能性は秘めています。
まだ交渉中で、保有権がロイヤルズにあるなどクリアすべき課題も多いため、獲得が決まったわけではありませんが、来日が決まれば2015年に楽しみな選手の1人となりそうです。(追記:2014年12月18日にロイヤルズからリリースされてFAとなりました。)