2014年の日本プロ野球もレギュラーシーズンの全日程を終え、投手・野手の主要各部門のタイトルが決定しましたが、投票や選考を要するタイトルに関してはこれから決定していくことになります。
その投票や選考を必要とする各タイトルの候補選手の一覧と2014年シーズンの成績をこのページではまとめています。
今回は第2回でセ・リーグの新人王の資格を有する選手に与えられるセ・リーグ最優秀新人賞の有力候補の一覧とそのシーズン成績です。他の賞の候補については以下のリンクから該当記事に移動できます。
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最優秀新人賞の資格と有力候補
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日本のプロ野球において最優秀新人賞の対象となるためには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 支配下選手に初めて登録されてから5年以内
- 前年までの出場が投手:30イニング以内/野手:60打席以内
こららの条件を満たしていて、2014年の新人王の有力候補と考えられる選手を野手と投手にわけてまとめています。
野手のセ・リーグ新人王有力候補の一覧
野手のセ・リーグ新人王有力候補は以下のとおりとなっています。
全体的に小粒であることと、投手に有力な候補がいるため、現実的には投票で上位に来ることは難しいと予想されます。
そのような野手の新人王候補の中では、上位に残る可能性があるのが広島の田中広輔です。
規定打席には到達していませんが、110試合295打数で、打率.292/本塁打9/打点34/出塁率.348/長打率.434/OPS.782/盗塁10という数字を残していて、投手に有力候補がいなければ新人王の可能性もある成績です。
2013年にドラフト指名された社会人出身で、今季25歳という年齢ではありますが、久々に1年目のシーズンで正真正銘の新人で目を引く成績を残しました。
不運な負傷がなく、もう少し出場試合数も多ければ二桁本塁打で、しかも中盤近くまで伸ばした可能性がありますので、その点は惜しまれます。来季以降のさらなる飛躍を期待したい選手の1人です。
小林誠司と梅野隆太郎の2人は将来性を感じさせるものはありますが、今年の新人王となるには出場試合数も成績も物足りませんので、受賞は難しい立場です。
このように野手は目立った選手がいないため、基本的には投手から新人王が選出されることが予想されます。
投手のセ・リーグ新人王有力候補の一覧
投手のセ・リーグ新人王有力候補は以下のとおりとなっています。
セ・リーグの新人王は広島の大瀬良大地、中日の福谷浩司と又吉直樹、DeNAの三上朋也の4人で争うことになりそうです。
シーズン前半は広島の一岡竜司、阪神の岩崎優、中日の浜田達郎なども可能性がありましたが、一岡は故障離脱が多く、浜田も故障でシーズン途中から登板できなくなり、岩崎はシーズン半ばで調子を落としてしまいましたので、新人王は厳しい状況です。
先述の4人が新人王の有力候補ではあるのですが、先発、中継ぎ、クローザーという役割の違いもあり、評価する上での難しさがあります。
昨年は小川泰弘、菅野智之、藤浪晋太郎という先発投手3人だっため、比較することが容易でしたが、今シーズンは大瀬良大地以外はリリーフに有力候補がいます。
大瀬良は2014年シーズンに26試合151.0回で防御率4.05/10勝8敗/奪三振116という成績でした。
防御率4.05はセ・リーグの規定投球回数に到達した投手の中で14位と下位ですが、そもそもリーグ全体で15人しか規定投球回数に達していませんので、その点では価値ある数字ではあります。
また10勝は勝利数でリーグ8位、奪三振116はリーグ9位となるなど、他の部門でもリーグ全体で上位に入る数字を残していることも評価されます。
リリーフとして新人王の有力候補として上げられるのは福谷浩司、三上朋也、又吉克樹の3人となりますが、それぞれアピールできるポイントがあります。
中日の福谷浩司は72試合74.2回で防御率1.81/34HP11SV/奪三振72で、HP(ホールドポイント)数はリーグ3位、セーブ数は同7位ですし、防御率1.81は50試合以上を投げたリリーフ投手の中では阪神のオ・スンファンに次ぐセ・リーグ2位の数字となっています。
DeNAの三上朋也は65試合65.2回で防御率2.33/14HP21SV/奪三振67という数字でセーブ数がリーグ4位となっています。
シーズン終盤にきてやや失速した感はありましたが、2シーズン通しての数字は十分に新人王に値するものです。
そしてもう一人中日から又吉克樹は67試合81.1回で防御率2.21/9勝1敗33HP/奪三振104で、HP数はリーグ4位となっています。
特筆すべきは奪三振の多さで、奪三振率は11.51と極めて高く、巨人のマシソンの10.33、阪神のオ・スンファンの10.93を上回るなど、2014年はセ・リーグで一番三振を奪う能力が高い投手でした。
このようにそれぞれが新人王に値する数字を残していて、なおかつ役割分担が分かれるため、その評価は難しくなりそうです。
総括・まとめ
セ・リーグの新人王は野手の中では田中広輔がトップ評価となりますが、基本的には投手から、しかも大瀬良大地、福谷浩司、三上朋也、又吉直樹の4人から選ばれることが濃厚です。
その4人の中でも、規定投球回数に到達し、10勝を上げている大瀬良大地が優位に立っていると考えられます。
ただ、今までの新人王の歴史を見ると防御率4点台で新人王を獲得しているのは2人だけで、セ・リーグが1977年の斉藤明雄、パ・リーグが1979年の松沼博久とかなり時を遡る必要があり、その点はネックとなりそうです。
それでも、セ・リーグで規定投球回数に達しているのが15人だけで、10勝しているのは11人のみで、そのうちの1人に大瀬良大地が入っていますので、価値がある数字は残しています。
一方のリリーフ投手の新人王候補は内容も数字も素晴らしいのですが、最優秀救援投手や最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得するまでにはいたらなかった上に、基本的には先発投手の方が高く評価される傾向がありますので、大瀬良大地がわずかに半歩リードと言えるのではないでしょうか。
ただ、リリーフ投手の内容が評価されて、受賞する可能性も否定できませんので、投票結果が非常に楽しみなセ・リーグの新人王です。
正式な投票結果:大瀬良大地(広島カープ)
大瀬良大地(広島) 217票
又吉克樹(中日) 25票
福谷浩司(中日) 16票
三上朋也(DeNA) 5票
小林誠司(巨人) 1票
一岡竜司(広島) 1票
グリエル(DeNA) 1票
(該当者なし) 1票