2016年交流戦終了時点での広島カープの先発ローテーションの成績と分析

Carp Catch

2016年シーズンの交流戦が終了し、いよいよ残りシーズンも70試合あまりと折り返し地点に差し掛かろうとしています。

その交流戦終了時点の成績データを元に日本プロ野球12球団の先発ローテーションの球団別に分析していきます。

その第4回目は広島東洋カープです。

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交流戦終了までに9人を先発投手として起用したカープ

広島東洋カープは2016年シーズンの交流戦を終えた時点で、9人の投手を先発として起用しています。

その9人の投手のうち戸田隆矢が先発は3試合のみですが、リリーフでの登板もありデータの母数がそれなりになりますので、分析の対象としています。

そして分析にあたって防御率、奪三振などの従来からの成績に加えて、LOB%、FIP(Fielding Independent Pitching)といった指標を検討材料として使用しています。

それぞれの指標の簡単な説明は以下のとおりとなっています。

【用語】

  • LOB%(残塁率):LOB%が高いと残塁が多くなるため失点が少なくなり、逆に低いと残塁が少なくなり失点が多くなる。投手のがコントロールすることが難しい指標で、運の影響を受けやすい。投手のタイプに関わらず、多くの投手がリーグ平均前後に落ち着くとされていて、そこから大きく外れた場合は、翌年以降にその平均値に戻る傾向がある。MLBでは70%から72%、近年のNPBでは72%-75%程度。
  • FIP(Field independence Pitching):味方チームの守備力の影響を除外して、投手の実力を測るための指標で、与四死球、本塁打、奪三振、投球イニングを元に算出する擬似防御率。防御率よりもFIPが低ければ味方の守備によって自責点が増えていると考えられ、FIPよりも防御率が低ければ、味方の守備によって自責点が減っていると、一般的に考えられている。

これらを元に分析していきます。

広島カープの9人の先発投手はジョンソン、黒田、野村、岡田、中村恭、福井、久里、横山、戸田で、その成績は以下の表のとおりとなっています。

Carp Starting Pitchers Stats_20160623

ジョンソンは13試合94.1回を投げ防御率2.10/7勝5敗/WHIP1.09、黒田博樹は12試合76.0回で防御率2.84/5勝3敗/WHIP1.25、野村祐輔は12試合74.2回で防御率2.41/8勝2敗/WHIP1.23となっています。

打線と並んでこの3本柱が安定した投球で試合をつくれていることが広島カープの好調な要因と言えます。

ただ、この3人がこのままの成績を維持できるかについては、不安材料があります。

ジョンソンは防御率2.10に対してFIP(Fielding Independent Pitching)は2.91と悪く味方の守備に依存しての好成績となっています。

また黒田博樹も防御率は2点台の2.84ですが、FIPは3.62で味方の守備に依存していることが伺える数字で、さらにリーグ平均のFIP3.42よりも悪い数字となっています。

また不安材料となるのがLOB%(残塁率)がリーグ平均の83.53%となっていることです。

LOB%(残塁率)の数字が高いと防御率がよくなる傾向があるのですが、この数字は投手がコントロールできない要素が強く、運に大きく左右されます。

どの投手もLOB%(残塁率)は最終的に、おおよそ平均値に近づく傾向があるのですが、現在の黒田博樹のLOB%は非常に高い数字で運にも助けられての防御率と考えられます。

そして、これからLOB%が平均値に近づいていく揺り戻しが起こる可能性が高く、LOB%が徐々に落ちていき、それに伴い防御率が悪くなっていく可能性があると考えられます。

この黒田博樹と同じ問題は野村祐輔にもあり、LOB%は80.13%と高く運にも恵まれていて、防御率2.41に対してFIPは3.01と味方の守備にも助けられていることが伺える数字となっています。

ジョンソンもLOB%がやや高めですがFIPは2.91とリーグ平均の3.42を大きく上回り、野村祐輔も3.01とリーグ平均のよりも良い数字のため、成績が落ちたとしても緩やかになるのではないかと予想されます。。

黒田博樹に関してはFIPが3.62でLOB%もかなり高いため、今後は防御率が徐々に落ちていく可能性が高いのですが、それでもFIPはリーグ平均をやや下回るレベルにありますので、ローテを守ってくれることが見込まれます。

まとめるとジョンソンはエースとしてシーズンの残りも期待ができ、黒田と野村は現在のような防御率をが残せるかは疑問が残りはしますが、先発ローテの2番手、3番手として今後も安定した成績は期待できそうです。

この3人がある程度計算できる広島にとって課題は4番手以降となります。

その中で明るい材料となっているのが岡田明丈です。

まだ8試合とサンプル数は少ないのですが、45.0回で防御率2.80/WHIP1.33と好成績を残しています。

さらにFIPも3.02と防御率と大きな差はなく、味方の守備に大きく依存していませんし、LOB%も73.38%と平均値に近く、極端に運に助けられているわけではありません。

そのため現在の成績を実力で残していると考えられる要素がある上に、FIP3.02はリーグ平均を上回り、先発ローテ投手としての能力があると考えられる数字のため、4番手であれば十分に今後も期待できそうでです。

ローテの軸の一人となると期待されていた福井優也が7試合41.2回で防御率5.83、FIPは4.92で、ともにリーグ平均値を大きく下回り、LOB%が平均値に近いにもかかわらず被安打率が12.3と非常に悪いため、ローテを任せるには厳しい状態でした。

九里亜蓮はLOB%が62.80%と極端に運に恵まれていないところがうかがえ、表面上の防御率5.40よりは内容がある投球をしていると考えられますが、それでもFIPは4.32と平均を大きく下回るため、ローテの谷間、6番手が精一杯と言えます。

中村恭平、横山弘樹などにも同様のことは言え、この2人も6番手が精一杯というレベルの数字しか残せていません。

その中で戸田隆矢はリリーフも含めた成績とはなりますが、14試合38.2回で防御率2.56/3勝0敗/WHIP1.22と期待される数字を残しています。

ただ、FIPは3.70と防御率よりもかなり悪く、味方の守備に大きく依存していますし、LOB%は84.82%と極端に運にも助けられているため、今後は成績が落ちていきそうです。

現在のような数字を期待するのは酷なのですが、それでもFIP3.70はリーグ平均値に近いため、先発ローテの5番手から6番手ならば期待はできそうです。

広島にとってシーズン終盤に向けて先発ローテのグレードアップとして期待されるのは大瀬良大地の復帰です。

チーム状態が良いため、慌てて復帰させる必要が無いのも好材料で、二軍でも徐々に状態が上がってきていますので、じっくりと調整し、先発ローテが疲弊した時期に復帰できるようであれば、広島がリーグ優勝を果たす上で大きな戦力となることが期待できます。

またリリーフ陣に関してもジャクソン、ヘーゲンズ、中崎と勝ちパターンもできつつあるため、5番手と6番手を無理に固定しなくても、対戦チームと相性の良い投手や状態の良い投手をあてがうことで、乗りきれることができるようにもなりつつあります。

そういった面でも4番手として期待できそうな岡田明丈の台頭は広島カープにとって大きなもの言え、さらに大瀬良大地が万全な状態で戻ってくれば、リーグ優勝、日本シリーズ進出に向けて視界は良好なものとなりそうです。

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