ヤンキースの2014年シーズンオフの、最初の補強はトレードでの動きとなりました。
ヤンキースは捕手のフランシスコ・セルベーリを放出する代わりに、パイレーツから左腕リリーバーのジャスティン・ウィルソンをトレードで獲得しています。
パイレーツは正捕手のラッセル・マーティンがFAとなり、引き留めには動いているものの、争奪戦に勝てる見込みは低いため、捕手の補強が必要でした。
またヤンキースは捕手がブライアン・マッキャンの他にも、J.R.マーフィー、オースティン・ロマインというMLBレベルの選手が控え、さらにはゲーリー・サンチェスというプロスペクトもいるなど、このポジションに余剰が多い状態となっていました。
その中の1人であるフランシスコ・セルベーリを交換要員として、ヤンキースはブルペンの補強に動きました。
パイレーツではセットアップを務めていたジャスティン・ウィルソン
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ジャスティン・ウィルソンの年度別成績は以下のとおりとなっています。
2014年は70試合60.0回で防御率4.20/16ホード/奪三振61/WHIP1.32と成績を落としていますが、2013年には58試合73.2回で防御率2.08/14ホールド/奪三振59/WHIP1.06と安定した投球を見せています。
パイレーツではセットアップマンを務めていましたので、デビッド・ロバートソンを引き留めることができれば、デリン・ベタンセスと左右のセットアップとして起用できますし、ベタンセスがクローザーになった場合でも、その前で重要な役割を期待できそうなジャスティン・ウィルソンです。
ジャスティン・ウィルソンの投球スタイルと球種・球速
2014年のジャスティン・ウィルソンのデータでは、投球の割合ではフォーシームが49.23%、シンカーが22.21%、カッターが19.33%、カーブが6.44%、チェンジアップが0.77%となっています。
フォーシームは最速が99.4マイル(160キロ)、平均で96.4マイル(155キロ)とかなり高速で、カッターも最速93.4マイル(150キロ)、平均で90.9マイル(146.2キロ)とこちらも平均以上の球速となっています。
ジャスティン・ウィルソンのフォーシームは浮きがある動きがあるため、フェアゾーンに飛ぶ打球の44.62%がゴロになるなど、一般的な投手のフォーシームよりもゴロになる傾向が強くなっています。
さらにカッターはフェアゾーンに飛んでも71.11%がゴロになるなど、非常に長打を浴びにくく、ホームランが出やすいヤンキースタジアムに適しているタイプと考えられます。
さらにこの2つの球種は、三振を奪うのに効果的で、打者のスイングの結果、フォーシームは27.63%が、カッターは24.58%が空振りになるなど、この2つの球種が奪三振率の高さにつながっています。
この2つの球種はかなり強力で、フォーシームは被打率が.155、カッターは.200となっています。
その一方でシンカーは最速99.1マイル、平均95.9マイルと高速なのですが、打者の手元での動きと沈み方が小さいため捉えられやすく、被打率が.362となっています。
2014年の投球では22.21%の割合を占めていたシンカーですが、この割合を減らすことで、より安定した成績が期待できそうなジャスティン・ウィルソンです。
ブランドン・マッカーシーもヤンキース移籍後に、カッターを増やすようアドバイスを受けて成績を向上させましたので、同様のアドバイスがなされるのではないかと予想されます。
ニューヨーク・ポストのJoel Shermanによると、ヤンキースはジャスティン・ウィルソンの高速のファーストボールと平均以上のカッター(カットボール)を気に入っていることと、2018年までの4年間はチームがコントロールできるため獲得に動いたと伝えています。
また、ブルペン要員としてジェイコブ・リンドグレーンが来季にも昇格が期待されているものの、ジャスティン・ウィルソンがいることで、マイナーで経験を積ませることができるのもメリットだと伝えています。
最初の動きは意外と地味な動きになりましたが、こういった補強がうまくいくことが、ここ最近のヤンキースでは多く見られますので、今後の投球を注目したい投手の1人です。