ヤンキースが地区優勝するためには?地元メディアがそのための3つのポイントを指摘

New York Yankees Top Catch

首位のオリオールズから4位のブルージェイズまで1ゲーム差にひしめく大混戦となっているア・リーグ東地区ですが、そこから抜け出すために重要なポイントとなるのが、7月のトレード期限前の動向となります。

ここでの動きの成否が、最終的な順位にも影響を与えることは必至で、各チームの地元メディアもトレード補強などを含めた戦力分析が盛んになりつつあります。

そのア・リーグ東地区の中でも一番辛辣なメディアを抱えるヤンキースですが、ニューヨーク・ポストの名物記者であるジョエル・シャーマン氏が”The 3 big add-subtract questions in Yankees’ division hunt”と題した記事で、ヤンキースが解決すべき3つの課題について触れています。

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ニューヨーク・ポストの記者が指摘するヤンキースが抱える課題

ジョエル・シャーマン記者は6月30日の時点で、ヤンキースがファングラフスとベースボールプロスペクタスによって地区優勝の最有力と分析されていることを紹介しますが、現状はそんなに甘くはないことを指摘します。

シャーマン記者は以下のようにア・リーグ東地区を分析しています。

  • オリオールズは41勝35敗で、12ゲーム差で96勝した昨シーズンの同時期よりもペースが良い。クルーズとマーケイキスを失ったが、マチャド、ウィータース、そして復調気配のデービスがいる今年のほうが打線が強力。投手陣のオプションも質も豊富。
  • レイズは投手力では地区をリードするが、勝ち続けるだけの十分な得点力が打線にあるかは疑問。
  • ブルージェイズの打線は地区で頭1つ2つ抜けていてる。投手陣が課題だがGMが補強に積極的な姿勢である。
  • レッドソックスはムーキー・ベッツらが打線を引っ張り初め、バックホルツとマイリーにより投手陣が安定し始めたため、ゲーム差は離れているものの侮れない。

このような状況のため、現時点でヤンキースが好意的に評価されていても、戦力を充実させなければ地区優勝は手にできないとして、以下のような3つの問題に取り組む必要があるとシャーマンは述べます。

  1. CCサバシアをいつまで先発ローテに入れておくのか?
    イバン・ノバが復帰してサバシアよりも安定していたアダム・ウォーレン(防御率3.59/WHIP1.20)をブルペンに回した。そして3Aにはサバシアより期待できるであろうチームNO.1プロスペクトのルイス・セベリーノが3Aで防御率1.73と好成績をおさめている。チーム外部では表面上の数字は悪いものの、中身の数字は悪くないホワイトソックスのジェフ・サマージャは昨年のブランドン・マッカーシーのようになる可能性がある。このようなオプションがある状態で、年俸が高いというだけで彼に固執し続けるのか?
  2. カルロス・ベルトランをいつまでライトで起用するのか?
    ベルトランは最近の35試合のOPSは.841と良くなってきているが、長打力は乏しく(7本塁打)、ライトを守らせ続けるリスクと見合わない。DHを必要としているエンゼルスに年俸を負担してトレードすれば、ロースターと予算に柔軟性が生まれるのではないか?

  3. トレード期限前のベン・ゾブリストの争奪戦に勝つことができるのか?
    アスレチックスはまだ諦めていないというスタンスだが、その時は近づいてきていて、ゾブリスト争奪戦は激しさを増している。ゾブリストが加入すれば4人目(ティシェイラ、ヘッドリー、ベルトラン)のスイッチヒッターとなり、守備もサードのヘッドリー、ショートのグレゴリウス、セカンドのドリューと柔軟に入れ替えることができる。ハル・スタインブレナーは年俸総額が増えることはいとわない姿勢だが、トッププロスペクトは放出したくない意向だ。ただ、現在の争奪戦の加熱ぶりからするとブライアン・ミッチェル、ロブ・レフスナイダーあたりではないと真剣な交渉にはならず、場合によってはさらに大きな代償が必要かもしれない。

ヤンキースの現状とジョエル・シャーマン記者の提言の実現性について

サバシアは16試合を投げているのですが、95.0イニングにしか到達していないため、1試合平均が6イニングを下回っています。その上、防御率5.59/奪三振83/WHIP1.40という成績で、投手の実力を示す指標とされるFIPも4.57と良くありません。

今季の年俸が2300万ドル、来季の年俸が2500万ドル、そして2017年は2016年シーズンに左肩の故障で長期離脱しない限り有効になるオプションがあるため、ヤンキースとしてはなんとか復活してもらいたいという事情があります。

しかし、それにこだわり過ぎると地区優勝を逃すことになるのではないかとシャーマン記者は懸念しています。

その一方で、チームのNO.1プロスペクトで、MLB全体でも17位にランクされているルイス・セベリーノは3Aで6試合36.1回を投げて、防御率1.73/WHIP0.94/被打率.186と圧倒的な投球を見せていますので、こちらのほうがより期待ができるということです。

さらに地区最下位に沈み売り手になると予想されるホワイトソックスのジェフ・サマージャは16試合108.2回で防御率4.56/奪三振88/WHIP1.32と表面上の数字は今一歩ですが、投手の実力を示すとされるFIPは3.64と防御率よりも1点近く良くなっていて、味方の守備に足を引っ張られていることがうかがえます。

またこのFIP3.64は規定投球回数に到達している投手の中では45番目にランクされる数字で、先発2-3番手クラスと言えるため、表面上の成績は良くないものの、環境が変わることで表面上の数字の改善も期待できるということです。

年俸が高額すぎて、簡単に切ることもできないし、トレードに出すこともできない状態のサバシアで、ヤンキースにとってはアレックス・ロドリゲスより遥かに頭の痛い問題となりつつあります。

カルロス・ベルトランに関しては現実的にはトレードにならないだろうと、別の箇所でシャーマン記者自身も書いていますので、実現性は低いと予想されます。

ベルトランは守備に関してはかなり酷いものがあり、DHで起用でしたいところですが、アレックス・ロドリゲスのほうが調子が良いだけに、使いドコロに困る状態です。

来季も1500万ドルの契約が残っていますが、アレックス・ロドリゲスも同様に契約が残っていてDHのポジションでは、来季も重なってしまいますので、シャーマン記者が述べるようにトレードができれば、ロースターと予算に柔軟性が生まれるためヤンキースにとってはプラスになりそうです。

ベン・ゾブリストのトレードでの獲得に関しては、かなり多くのチームが興味を持っている上に、ヤンキースが今季終了後にFAとなる選手にプロスペクトを放出するとは考えにくいため、こちらも実現性が低いと予想されます。

ここ最近のヤンキースの補強の傾向から考えると、昨シーズンやったようにマーティン・プラドやチェイス・ヘッドリーというような、プロスペクトではなく、メジャーレベルの選手で獲得できるような補強になるほうが可能性が高いとのではないかとも予想されます。

ア・リーグ東地区はかろうじて最下位のレッドソックスも可能性が残るほどの大混戦ですが、どのチームも投打のバランスがとれていません。

逆に補強によって投打のバランスがとれたチームが一気に抜け出す可能性も秘めています。ヤンキースだけでなく、ア・リーグ東地区の打球団の補強との兼ね合いとバランスも、この一ヶ月の興味深いポイントとなりそうです。