ヤンキースとメッツからFAとなったニール・ウォーカーは一時は、本格的な交渉を行い合意に近いところまで進んでいたことが本人の口から明かされています。
ところが、ブランドン・ドルーリーをトレードで獲得したこともあり、ヤンキースは交渉を打ち切り、ニール・ウォーカーは契約がない状態が続いていました。
しかし、再び交渉が行われ1年契約で合意に達したことが伝えられています。
ウォーカーの獲得でヤンキースの死角はさらに減ることに
MLB公式サイトのブライアン・ホッチ氏が以下のように伝えています。
Deal is for $4M + incentives. https://t.co/KdKEq7FGX1
— Bryan Hoch (@BryanHoch) 2018年3月12日
保証されている契約が1年400万ドルで、それに出来高が加わる契約で合意に達したことが伝えられています。
その出来高の条件についてもホッチ氏がツイートしています。
Full deal for Neil Walker: $4M base salary, plus $125K for 425, 450, 475 and 500 plate appearances.
— Bryan Hoch (@BryanHoch) 2018年3月12日
打席数によるインセンティブで、420打席、450打席、475打席、500打席に到達する毎に12万5000ドルが加えられるため、500打席に達した場合には満額で50万ドルを受け取ることになります。
ニール・ウォーカーが最大でも手にできる金額は450万ドルとなりますので、今季の補強予算の枠が1500万ドルから2000万ドルのヤンキースには手頃な金額となります。
ヤンキースはセカンドにベテランのダニー・エスピノーサ、プロスペクトのグレイバー・トーレス、それに続いてユーティリティのタイラー・ウェイド、ロナルド・トレイエズらが争う構図となっていました。
グレイバー・トーレスをアクティブロースターに入れるのを開幕から16日程度遅らせると、実質的に7シーズンをコントロールできることになると報じられています。
そのため本来はマイナー契約のエスピノーサで開幕を迎え、しばらくしてからグレイバー・トーレスを昇格させるというのがヤンキースにとって、スムーズな流れでした。
しかし、スプリングトレーニングでダニー・エスピノーサは25打数で1本の本塁打を打っているものの打率.160/出塁率.276/長打率.320/OPS.596と低迷しました。
それでもグレイバー・トーレスが活躍していればよかったのですが、トーレスも打率.130/出塁率.200/長打率.217/OPS.417と低調な状態が続いています。
タイラー・ウェイド、ロナルド・トレイエズの2人は結果を残しているものの、ユーティリティタイプの選手として起用するほうが活きるタイプの選手です。
今回、ニール・ウォーカーを獲得することで、マイナーでグレイバー・トーレスをしっかりと調整・成長させる時間を稼ぐことができ、ウェイド、トレイエズをユーティリティで起用できることになりました。
打線全体のバランスを見てもスイッチヒッターのニール・ウォーカーを加えることはメリットがあります。
左はブレット・ガードナー、ディディ・グレゴリウス、グレッグ・バードの3人で、アーロン・ヒックスがスイッチで左打席に立つことができます。
ただ、グレッグ・バードはスプリングトレーニングで打率.130/出塁率.310/長打率.131/OPS.441とかなり苦しんでいます。
ニール・ウォーカーはスイッチではあるものの左打席のほうが圧倒的に数字がよく、昨年は左の344打席で打率.277/出塁率.372/長打率.470/OPS.842、13本塁打を記録しています。
右翼が狭いヤンキースタジアムを本拠地とした場合には、20本塁打以上を打てる可能性が高いと予想されます。
ニール・ウォーカーを加えた予想ラインナップは以下のとおりとなります。
- ブレット・ガードナー(LF)
- アーロン・ジャッジ(RF)
- ジャンカルロ・スタントン(DH)
- ゲーリー・サンチェス(C)
- ディディ・グレゴリウス(SS)
- ニール・ウォーカー(2B)
- グレッグ・バード(1B)
- アーロン・ヒックス(CF)
- ブランドン・ドルーリー(3B)
上位から下位まで20本塁打以上を期待できる強力なラインナップを構築することができました。
ニール・ウォーカーは二塁だけでなく、三塁と一塁を守ることができます。グレッグ・バード、ブランドン・ドルーリーらが苦しんだ場合でも柔軟にポジションの穴を埋めてくれる選手のため、ヤンキースの死角はさらに少なくなったと言えます。