ヤンキースのシーズンオフの補強候補は?ニューヨーク・ポスト名物記者がプッシュするのはビクター・マルティネス

シーズン終盤を迎える状況となり、プレーオフに進出する可能性を残すチームと、そうでないチームとでは、地元メディアの論調にも明らかな違いが出てきます。

プレーオフが確実なチームの地元メディアは、ポストシーズンでの先発ローテやロースターの構成に関する話題にシフトします。https://baseball.information0.com/wp-admin/post.php?post=9893&action=edit#

そしてポストシーズン進出の当落線上にいるチームの地元メディアは、シーズン終盤前の状況や日々の試合内容に関する話題が熱く語られます。

また、プレーオフの可能性が低い、もしくは絶望的なチームの地元メディアは、チームの再建策を語り、シーズンオフの補強を予想し始めます。

ニューヨーク・ヤンキースは残念ながら、その1番最後のカテゴリーに入りつつあります

そのためニューヨーク・ポストの名物記者であるJoel Shermanは、ヤンキースのシーズンオフの補強に関する提言を記事にしています。

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ヤンキースのシーズンオフの補強はどうなるのか?

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Joel Shermanはポストシーズン進出の可能性が低くなった今、来季のロースターをどのように構成するかを考えるべき時になったと、記事の冒頭で述べます。

次に、このオフの補強をヤンキースはどうすべきなのか?という論点になっていくわけですが、Joel Shermanはヤンキース幹部の傾向や”スタインブレナーのDNA”を考えると、結局、大金を使っての補強という誘惑には勝てずに、資金を注ぎ込むのではないだろうかと予測しています。

というのも、2103年シーズンの9月の時期にも、ヤンキースの幹部たちは、ぜいたく税のラインを下回るように年俸総額を圧縮すると述べていたが、実際にはエルズベリー、ベルトラン、マッキャンらに3億ドルもの資金を注ぎ込んでいるからだとJoel Shermanは説明します。

そしてJoel Shermanは、もしFA市場に投資、もっと有り体に言えば、年をとった選手にお金を注がないといけないとするなら、デトロイト・タイガースからFAとなるビクター・マルティネスの獲得を推薦するとの考えを述べています。

ビクター・マルティネスは今年の12月に36歳になる、ほぼDH専任のプレーヤーです。ヤンキースでは、そのスポットを必要とするベルトランやアレックス・ロドリゲスがいます。

そしてマルティネスは、FAとなる契約最終年に絶好調で、ベルトランよりも1歳半も若いため、3年4500万ドル(ベルトランの契約総額)以上が必要になります。

それでもなおヤンキースの得点力不足を解消するためには、ビクター・マルティネスが良いJoel Shermanは主張しています。

なぜビクター・マルティネスがヤンキース打線にインパクトを与える打者なのか?

Shermanは、その根拠として以下のような数字を列挙しています。

  • 打率(.333)、出塁率(.404)、長打率(.568)がMLB全体で1位か2位である
  • 四球を62個選んでいる一方で三振は39個しかない
  • 2001年に37歳ではじめて30本塁打を記録したエドガー・マルティネス以来の高齢でのキャリア初の30本塁打を達成
  • 対右投手、対左投手、ホーム、アウェイ、オールスター前とオールスター後、得点圏のいずれのケースでもOPSが.912以上
  • 6つの主要な球種に対するRun Above Averageのすべてが平均以上
  • Shermanは、エドガー・マルティネスは37歳で初の30本塁打を記録し、40歳まで良いパフォーマンスだったことを、ビクター・マルティネスが思い出させると述べ、同様にビクター・マルティネスも、しばらくは良い状態が続くのではないかと予想しています。

    また4番目の様々なケースでもOPS(長打率+出塁率)が.912以上という数字ですが、同様の数字はホワイトソックスのホセ・アブレイユだけでとのことです。

    ブルージェイズのホセ・バティスタが.884以上、マーリンズのジャンカルロ・スタントンが.846以上、ポール・ゴールドシュミットが.856以上となっていますので、、いかにビクター・マルティネスの数字が素晴らしいかがわかります。

    5番目の項目のRun Above Averageですが、これは平均的なプレーヤーに比較して、どれだけチームの得点に貢献したかを示す指標です。そして6つの球種とは、ファーストボール、カーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリット、カッターのことを指します。

    ビクター・マルティネスはこの6つのすべての球種に対して、平均的な打者を上回る数字を残していることになります。

    と言っても、これだけだと大したことのないことに聞こえてしまうかもしれません。

    しかし、マルティネスと同様に6つの球種の全てに対して平均以上の数字を残しているのはMLB全体でもわずかに7人だけで、他にはホセ・バティスタ、エイドリアン・ベルトレ、ロビンソン・カノ、アンドリュー・マカッチェン、ヤシエル・プイグ、マイク・トラウトというMLBを代表するような強打者ばかりです。

    そのため、もし年齢の高い選手に大金を使うとするなら、リーグ屈指の強打者たちと並ぶような攻撃力を持っているビクター・マルティネスを、得点力アップのために獲得すべきではないのか?というのがJoel Shermanの考えです。

    詳細なスタッツでもマルティネスの打撃の凄さが際立つ

    さらにビクター・マルティネスを詳細に見て行きます。Joel Shermanも引用していたFan Graphsでは、更に詳細なデータを用いてマルティネスが今シーズンのMLBで最高の打者の1人であると主張しています。その根拠は以下のようなものです。

    1. MLBで一番低い三振率(6.5%)
    2. MLBでただ一人、四球の数が三振の数を上回っている(25個の敬遠を除いた四球の数が62個で三振は39個)
    3. ストライクゾーンを外れたボールでも、振りに行ったら90%近くをバットに当てている
    4. 16インチ(40cm)より低いボールをMLBでもっとも本塁打にしている打者
    5. ノーボール・ツーストライクからのボール球を、MLBで最も本塁打にしている打者

    さらに詳細なスタッツの内容もあるのですが、あまりにも説明が膨大になるので、わかりやすい部分だけを抜粋しています。

    四球が多く、三振が少ないのですが、ボール球を見送るタイプではありません。いわゆる悪球打ちのカテゴリーに属しますが、それでも打ちにいった時には、9割近くをバットにを当てていることになります。

    打ちにいったボール球をバットで捉える確率が80%を超えているのはMLBでもたった7人だけで、他にはニック・マーケイキス、ダスティン・ペドロイア、カート・スズキ、デナード・スパン、そして今季200本安打を達成したホセ・アルトゥーベ、というパワーヒッターではないタイプの選手ばかりです。

    2014年にすでに30本塁打を打っているビクター・マルティネスが、これらの選手以上の数字を残していることは驚異的と言わざるをえません。

    抜群の成績でFA市場の注目を集めることが確実なビクター・マルティネス

    まとめると、ビクター・マルティネスはバットスピードがあり、中距離のアベレージヒッターを上回るようなバットコントロールもあって、6つの主要な球種の全てに対応ができ、ストライクゾーンを外れたボールも捉えることができる。その上にリーグトップクラスのプレーヤーと遜色のないパワーもあるということになりますす。

    9月12日終了時点のビクター・マルティネスの成績は以下のとおりとなっています。

    • 136試合511打数/打率.335/本塁打30/打点97/出塁率.404/長打率.568

    MLBではDHでのMVP受賞者はいないのですが、ビクター・マルティネスがMVP候補として名前が上がるのもうなずける数字で、契約がきれてFAとなる年に最高と考えられる数字を残しています。

    また、このオフのFA市場でも、チームの得点力にインパクトを与えるほどのプレーヤーとなると、数えるほどしかいませんので、ビクター・マルティネスの成績は大きな魅力となることは間違いありません。

    続いて、ビクター・マルティネスの2014年9月12日時点の年度別成績は以下のとおりとなっています。

    ビクター・マルティネスの2014年9月12日時点の年度別成績_1

    キャリア通算でも打率が.306と3割を超えています。そして2005年から今年までの10年間で打率3割を切っているのは、2008年の打率.278だけという安定感です。

    そして過去に100打点を4シーズンで記録し、今年も97打点に到達していて、5回目の100打点突破となることは濃厚な状況で、その勝負強さも光ります。

    このようなビクター・マルティネスに注目している球団として、すでに複数の名前があがっています。

    足の故障もあり、ミゲル・カブレラに不安があるタイガースが、チームに連れ戻すことにエネルギーを注ぐことは確実です。またすでにホワイトソックスは獲得に動く準備をしていると地元メディアは報じています。

    さらには、DHの攻撃力が課題のヤンキース、レンジャーズ、マリナーズ、ロイヤルズ、インディアンスあたりが興味を示すだろうと、FOXスポーツのJon Morosiは予想しています。

    年俸もカルロス・ベルトランの3年4500万ドルは超えると見方が大勢のビクター・マルティネスのFAでの契約ですが、ヤンキースが獲得に動くとするとやや頭の痛い問題があります。

    来季にアレックス・ロドリゲスが復帰するため、せいたく税を考慮する必要があり、5000万ドルの年俸であれば、実際には7500万ドル近くを用意する必要に迫られる可能性が高い状況だからです。

    そのためニューヨーク・ポストのJoel Shermanが提案するように、ヤンキースが実際に動くかは微妙な情勢ではあります。

    ですが、1試合の平均得点が1992年以来の最低の数字に低迷し、DHの打率.227と打点58がリーグ13位、OPSが同12位で、テコ入れが必要なポイントではあります。そのため、ヤンキース経営陣とオーナーが、FA市場での動きに対してどのような決断をするかは、昨シーズンオフに続いて、シーズンオフも注目すべきポイントとなりそうです。