ヤンキースは客観的には”売り手”がふさわしい?ニューヨーク・ポスト名物記者が痛烈批判

New York Yankees Top Catch

ヤンキースはツインズとロッキーズというボーナスステージのようなスケジュールにもかかわらず1つしか勝ち越すことができず、レンジャーズ、インディアンスなどの地区首位との対戦を迎える日程の最中にあります。

その出だしとなるレンジャーズに早くも苦しめられている上に、チームで一番好調で、一番の得点源であるカルロス・ベルトランがふくらはぎを痛めて最低でも2試合は戦線を離脱することは決まったものの、明確な復帰のスケジュールは確定していません。

ですが、ヤンキースのフロント陣、経営陣はともに”トレード期限前に売り手にはなるつもりはない”というスタンスを変えず、球団社長のランディ・レビン(Randy Levine)は売り手になる可能性ををnonsenseと一蹴しています。

そのヤンキースの現状と姿勢に対して、ニューヨーク・ポストの名物記者であるジョエル・シャーマン記者が痛烈に批判しています。

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ヤンキースという幻想を捨てて現状を客観的に分析すれば・・・

ジョエル・シャーマン記者は”Yankees are delusional if they think trade sell-off is ‘nonsense’”というタイトルの記事の冒頭で以下のように述べます。

Forget that we are talking about the Yankees here because if you are in their top management or part of their fan base, simply the name warps objectivity. You want to see a contender because, well, they are the Yankees and are supposed to contend.

「ヤンキースのトップ・マネジメントであれ、ファンであれ、ここでの話がヤンキースについてのことだということを忘れて、客観的に見てみよう。彼らはヤンキースで、優勝争いが期待されているチームなので、優勝を争うチームだと見なしたいはずだからだ」

と述べた後、ヤンキースとして現状を見るのではなく、あるチームXとして現状を客観的に見てみようと提案して、以下のようにXチームの現状を列挙します。

It had the 10th-worst run differential in the majors. At 16-26, it had the ninth-worst record against .500 or better squads. It was averaging the fourth fewest runs in the AL. The rotation had a 4.65 ERA, the lineup had a .699 OPS with just one player (Carlos Beltran) having an OPS above average factoring for stadium and league, and the defense was the sixth-least efficient, according to Fangraphs.

まとめると以下の様な内容です。

  • 得失点差がメジャーでワースト10位(21番目)
  • 勝率5割以上のチームとの対戦成績16勝26敗は同ワースト9位
  • 1試合平均の得点がア・リーグで4番目に少ない
  • 先発ローテーションの防御率は4.65
  • ラインナップのOPS(出塁率+長打率)は.699
  • 球場とリーグの要素を加味したOPSの平均値を上回っているのはカルロス・ベルトランだけ
  • 守備面ではFangraphsによると6番目に悪い

このような現実を見た時に、このチームXは優勝を争っているチーム、ポストシーズンを争っていると誰が考えるのか?とジョエル・シャーマン記者は述べます。

つまり冷静に客観的に見れば、とてもポストシーズンを争っているチームとは言えないとジョエル・シャーマン記者は述べています。

そして”ヤンキースだ”というだけでポストシーズンを争っていると捉えるような考えが、トップマネジメントに満ちているとして、トレードで主力選手を放出することを”nonsense”と述べながら否定的な姿勢を貫いていることを、痛烈に批判しています。

多くのチームが再建モードを選び、ドラフトの上位指名を確保したり、インターナショナルFAの総額を確保することで、プロスペクトを多く抱えようとしていますが、ヤンキースは決してそうすることは選ばずに、何とかポストシーズンを争うようにしてきました。

ですが、このようなことを続ければ、将来の優勝する確率を下げるだけだとジョエル・シャーマン記者は批判します。

そして、さらに現状をさらにシビアに分析します。

この記事の時点でヤンキースは地区首位と9.0ゲーム差ですが、ワイルドカードには3.5ゲーム差です。

ワイルドカードに3.5ゲーム差となると諦めるべきではないように見えるのですが、ワイルドカードの2枠目までにヤンキースの上に5チームがいること、さらにワイルドカード圏内にいるのがレッドソックスとブルージェイズの2チームで、ヤンキースはそれらの2チームに対して4勝11敗と大きく負け越し、そこまで浮上するのは簡単ではないと指摘します。

そしてFangraphsはヤンキースがポストシーズンに進出する確率を8.1%と計算していることをあげます。

その上で残り92%にかけて勝負しようとするのは”勇敢”なのではなく、”怠慢”だと批判して以下のように述べています。

But their mindset has to be open to selling now, in case an opportunity arises with an Aroldis Chapman, Andrew Miller, Carlos Beltran or anyone else. Because a half-season of statistical and visual information has declared that they are not the Yankees of expectations, but rather Team X. And Team X would be a seller.

内容をまとめると、シーズン半分を過ぎた時点でのスタッツや目に見える情報では、期待されていたとおりのヤンキースではなく、チームXである。そのチームXはトレード期限前の売り手だ。なので、アロルディス・チャップマン、アンドリュー・ミラー、カルロス・ベルトランを始めとする選手のトレード放出にオープンなマインドセットを持つべきだ、と述べて記事を結んでいます。

ヤンキースの勝率は.487はア・リーグでは15チーム中11番目となっていますので、少なくとも6チームをこれから抜く必要があるのですが、それらのチームは勝率5割以上のチームばかりで、それらのチームに対して大きく負け越している現状で、それをこれからやっていくことが簡単ではないことがわかります。

またワイルドカードの枠は2つしかありませんが、現在は地区4位となっていますので、少なくとも2位のレッドソックスとブルージェイズを上回らないと、その圏内に入ることはできません。

しかし、対戦が多くなる同地区のライバルに対してオリオールズには2勝4敗、レッドソックスにも2勝4敗、ブルージェイズには2勝7敗といずれも負け越していて、低迷しているレイズから4勝2敗と2つ勝ち越しているにとどまっていますので、これも簡単ではありません。

このような現状を客観的に見れば見るほど、目の前の勝負にこだわるよりも、来年、再来年以降に継続的に勝つことができるチームになる方を選ぶべきだとジョエル・シャーマン記者は主張していることになります。

ヤンキースがこれまで通り売り手にならない場合には、トレード期限前に見返りを得ることなく、チャップマン、ベルトランがFAとなり、クオリファイング・オファーをした場合にドラフト指名権を手にできるにとどまります。

一時に比べれば良くはなりはしたものの、まだファームの層が厚いとは言えないヤンキースのため、ミラーを含めて放出すれば多くの見返りを手にする機会を逃すことは、中長期的な視点で見ればあまり良いことではありません。

それでも以前のようにFAに大金を惜しみなく注ぎこむのであればよいのですが、それもやらない方針ですし、仮にFAのベテランに大きく投資しても、現在のように故障がちでパフォーマンスが落ちた高年俸の選手を多く抱えるだけになるリスクも存在します。

これからオールスター前後の好調な対戦相手が続く日程で仮に大きく負け越した場合でも、ヤンキースが守り続けできた選手を売り払わない、優勝を目指し続けるという”DNA”に固執するのか、それとも方向転換して大胆にチームの組み換えに動くのかは、この先数年のMLBのパワーバランスに影響を与えることになりそうです。

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