ジャンカルロ・スタントンの希望球団がドジャース、ヤンキース、アストロズ、カブスの4球団であることが明らかになり、その後、サンフランシスコ・ジャイアンツとセントルイス・カージナルスの両球団がトレードを拒否されたことで事態は急展開することとなりました。
その時点でヤンキースとドジャースがコンタクトを続けていたようですが、そこからヤンキースはさらに大きくステップを踏み出し、ジャンカルロ・スタントンのトレード獲得に成功したようです。
スタントンとジャッジが並ぶ超重量級の打線が誕生
FanRag Sportsのジョン・ヘイマン氏はヤンキースとマーリンズの間でトレードが成立したことを伝えています。
sources: yankees and marlins have a deal for giancarlo stanton
— Jon Heyman (@JonHeyman) 2017年12月9日
FOXスポーツのケン・ローゼンタール氏も、ジョン・ヘイマン氏の情報を追認するツイートをしています。
Stanton trade to #Yankees happening, as @JonHeyman said.
— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) 2017年12月9日
交換要員、年俸の負担などの詳しい情報はまだ確認されていませんが、ジョエル・シャーマン氏を始めとする複数の記者がスターリン・カストロに言及しているため、マーリンズに移籍するものと予想されます。
それを踏まえたジャンカルロ・スタントンの獲得時点で予想されるヤンキース打線は以下のとおりとなります。
- ブレット・ガードナー(LF)
- アーロン・ジャッジ(RF)
- ジャンカルロ・スタントン(DH)
- ゲーリー・サンチェス(C)
- グレッグ・バード(1B)
- ディディ・グレゴリウス(SS)
- ロナルド・トレイエズ/グレイバー・トーレス(2B)
- チェイス・ヘッドリー(3B)
- アーロン・ヒックス(CF)
両リーグトップの59本塁打、OPS1.007を記録したジャンカルロ・スタントン、それに続く52本塁打、OPS1.049のアーロン・ジャッジが並び、その後を33本塁打、OPS.876のゲーリー・サンチェスが打つことが予想されます。3人の本塁打数を合計すると144本となり、129本塁打のジャイアンツを上回り、151本塁打のパイレーツに迫る数字となりますので、他球団の投手からすると「脅威」としか言えない中軸を形成することになります。
Stanton and Judge in the SAME lineup?
If that happens, good luck. pic.twitter.com/YtSrdCOvb4
— MLB (@MLB) 2017年12月9日
ジャンカルロ・スタントンが本塁打の出やすいヤンキースタジアムを本拠地とし、打者有利の球場であるフェンウェイパークやカムデンヤーズでプレーすることになりますので、本塁打がどこまで伸びるのかも注目されます。
スタントンの獲得で来シーズンオフのブライス・ハーパー獲得の可能性は低く
ドジャースはコンタクトはあるものの本格的に動く姿勢を見せず、カブス、アストロズはともに外側から眺める状況でした。その状況ではマーリンズの選択肢は少なく、承諾リストに入っていなかったジャイアンツ、カージナルスと交渉を進めるしかありませんでした。
しかし、その両球団へのトレードをジャンカルロ・スタントンが拒否したことにより、マーリンズの選択肢は極めて少なくなりました。結果、スタントンがトレードを承諾するチームの中で、年俸の負担と交換要員のプロスペクトの両方を応じてくれるのはヤンキースが残るのみとなりました。
59本塁打というキャリアベストのシーズンを過ごした直後で、残る10年2億9500万ドルもFA市場の相場から考えるとリーズナブルに感じるタイミングです。年俸総額を削減し、将来的な負担もなくし新しくチームを作り上げたいマーリンズとしては、またとない機会でした。
それでも2018年シーズンのトレード期限前まで待つこともできましたし、少なくともウインターミーティングまで様子を見ることも可能でした。
しかし、ウインターミーティングまで待った場合には、トレードの候補となるチームが大型契約を結んでしまい、大きな資金負担に応じてくれない可能性が高まります。
2018年シーズン途中まで待った場合には、スタントンが故障したり、前半戦に低迷したりするようであれば、2019年シーズンオフにさらに買い叩かれて放出せざるをえない可能性もあります。
スタントンの選手としての価値が高騰しているこのシーズンオフで、トレード交渉ができるチームに補強資金が多く残っているタイミングとなると、このウィンターミーティング前が絶好の機会で、マーリンズが積極的にトレード成立に動くのは自然な流れだったと考えられます。
ヤンキースは外野手も右のパワーヒッターも必要ではありませんでした。しかし、MLB史上に名を残すようなスラッガーをディスカウント価格で手にできるチャンスを逃すことは、あまりにも惜しいことだと考え、急激に方向転換し獲得にこぎつけたようです。
ジャンカルロ・スタントン、アーロン・ジャッジというMLBを代表するスラッガーを2人並べたヤンキース打線は強力で、2018年のシーズンチケットの売上も急上昇するものと予想されます。
この2人が活躍し、ヤンキースが地区首位を走り続けるようになれば、久々に観客動員400万人の突破も見えてくるかもしれません。
来季以降に非常に大きな期待が高まることになるのですが、大型契約が残るジャンカルロ・スタントンを獲得したことは、来シーズンオフの動向にも影響を与えることになります。4億ドルが必要とされるブライス・ハーパーがピンストライプを着る可能性は限りなく低くなったと言えそうです。
今後はトレードによる契約の負担などによって、ヤンキースの今後の先発投手補強の方向性も変わってくることになりますので、続報が待たれます。