ヤンキースがプラドとフェルプスを放出!マーリンズからイオバルディとG.ジョーンズを獲得

New York Yankees Top Catch

ニューヨーク・ヤンキースがトレードでの補強に動きました。

マーティン・プラドとデビッド・フェルプスをマーリンズに放出し、その見返りとしてネイサン・イオバルディ(右投手)、ギャレット・ジョーンズ(一塁手/指名打者/右翼手)、ドミンゴ・ジャーマン(右投手)を獲得したと、ヤンキースが正式にアナウンスしました。

このトレードは選手の移動のほかに、ヤンキースが2015年と2016年にそれぞれ300万ドル、計600万ドルの年俸を負担することも合意内容に含まれています。

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アレックス・ロドリゲスは対左投手用の指名打者要員に

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ギャレット・ジョーンズは一塁のマーク・テシェイラのバックアップと指名打者でアレックス・ロドリゲスとプラトーンで起用されるのではないかと予想されています。

指名打者として起用されることをブライアン・キャッシュマンGMが示唆していたアレックス・ロドリゲスでしたが、左打ちのギャレット・ジョーンズの獲得で、さらにその役割は小さくなり、対左投手用の指名打者要員になることが、濃厚となりました。

チェイス・ヘッドリー獲得後に、マーティン・プラドが守ると見られていたセカンドは、プロスペクトのロバート・レフスナイダーとホセ・ピレラという右打ちの野手2人に競争させ、場合によっては、マイナー契約で獲得した左打ちのコール・フィゲロア、ニック・ヌーナンとプラトーンで起用する可能性が指摘されています。

そのため現時点では、ショートはディディ・グレゴリウスとブレンダン・ライアンの併用で、セカンドは上記の4人の選手による併用が予想されることになりました。

ネイサン・イオバルディは先発ローテの1人になると見られ、先発ローテの4番手もしくは5番手になると考えられています。

ネイサン・イオバルディをヤンキースが獲得した理由は?

ネイサン・イオバルディは24歳の右腕で、2015年が年俸調停1年目で、FAまでは3年が残っている投手です。

2014年シーズンでのイオバルディの球種と投球に占める割合は、フォーシーム(61.6%)、スライダー(24.8%)、カーブ(9.4%)、チェンジアップ(3.2%)、シンカー(1.2%)となっています。

フォーシームは最速で101.0マイル(162.5キロ)、平均で96.8マイル(155.8キロ)とかなり速い部類で、FAN GRAPHSによると、2014年の先発投手では、ヨーダノ・ベンチュラ(KC)、ギャレット・リチャーズ(LAA)、ウィリー・ペラルタ(MIL)に次ぐ、4番目の球速となっています。

そのネイサン・イオバルディの年度別成績と通算成績は以下の表の通りとなっています。

Nathan Eovaldi Stats 2014

2014年は33試合199.2回で防御率4.37/6勝14敗/奪三振142/WHIP1.33という成績で、お世辞にも良い数字とはいえませんし、被打率が高い投手で、2014年の被安打223と被打率.282は、規定投球回数に到達した88名中4番目に高い数字です。

ただ、FIPは3.37と良い数字で、2014年に規定投球回数に到達した88名中27位で、ジョニー・クエト(3.30)、ランス・リン、スコット・カズミアー(3.35)、クリス・アーチャー、アービン・サンタナ(3.39)、ソニー・グレイ(3.46)と、各球団のフロントスターター並の数字を残しています。

【用語】

  • FIP(Field independence Pitching):味方チームの守備力の影響を除外して、投手の実力を測るための指標で、与四死球、本塁打、奪三振、投球イニングを元に算出する擬似防御率。防御率よりもFIPが低ければ味方の守備によって自責点が増えていると考えられ、FIPよりも防御率が低ければ、味方の守備によって自責点が減っていると、一般的に考えられている。

FIPは低く、防御率が高くなっていますし、BABIPやLOB%を見ても、ネイサン・イオバルディの2014年の成績は、マーリンズの守備に足を引っ張られた可能性が否定できません。

特にネイサン・イオバルディは球速は速いものの奪三振率は低く、ゴロの比率が高い(57.6%)、典型的なゴロを打たせてアウトをとる投手のため、味方の守備力の影響を受けやすいタイプです。

ゴロでアウトをとるため、内野の守備が良ければ、防御率も向上すると予想されます。その点では、ヤンキースはサードとショートに守備のうまいチェイス・ヘッドリーとマーク・テシェイラがいて、ショートもディディ・グレゴリウスもブレンダン・ライアンの2人で安定感がありますので、期待ができそうです。

また、ヤンキースタジアムは外野が狭いため、フライボールピッチャーはリスクが高いのですが、その点ではイオバルディの投球スタイルは適していると考えられます。

さらにヤンキースは田中将大、サバシア、ノバは故障明けで、ピネダも体調に不安があり、カプアーノは年齢的にもどれだけイニングを消化できるか不透明です。

その上、200イニング近くを投げた黒田博樹もいなくなり、イニングを多く消化してくれる投手が必要なため、年齢も若く2014年に199.2回を投げているネイサン・イオバルディがローテに加えることは、チーム編成上プラスになると考えられます。

表面的な防御率や勝敗を見るだけでは、理解し難い補強なのですが、数字の中身を見ているとうなずけるものがあるネイサン・イオバルディの獲得です。

ヤンキース移籍とプラトーン起用で成績が上昇する可能性があるギャレット・ジョーンズ

ギャレット・ジョーンズの年度別成績と通算成績は以下の表のとおりとなっています。

Garrett jones Stats 2014

2014年は146試合496打数で打率.246/本塁打15/打点53/出塁率.309/長打率.411/OPS.720という成績を残しています。

キャリア通算では年平均で22本塁打を打っている計算となり、長打力のある左打者です。

マーリンズの本拠地である、マーリンズパークは外野が広く、レフトが約103.6メートル、ライトが約128.0メートル、ライトは約102.1メートルとなっています。

そのため本塁打を打つのはたやすくなく、2014年のパークファクターではMLB全体で5番目に、2013年には1番目に本塁打が出にくい球場でした。

しかし、ギャレット・ジョーンズの2014年の本塁打15本のうち、7本をマーリンズパークで打つなど、広い球場でもスタンドインさせることができるパワーがあります。

またギャレット・ジョーンズの本塁打は15本中14本が、ライトから右中間にかけてのもので、引っ張っての長打が多くなっています。

右翼が約102.1メートルのをマーリンズパークから、約95.7メートルのヤンキースタジアムに本拠地が変わりますので、ギャレット・ジョーンズの打撃スタイルから考えると、本塁打が増えることが予想されます。

そしてギャレット・ジョーンズは長打力はあるものの、打率は低いのが難点ですが、左投手に弱いのが原因で、対左投手は通算で打率.197/出塁率.239/長打率.335/OPS.573と苦しんでいます。

しかし、右投手には打率.267/出塁率.333/長打率.479/OPS.811と良いため、右投手に限定して起用すれば、長打力だけでなく、より安定した打撃も期待できます。

そのため対左投手の場合には、指名打者にアレックス・ロドリゲスを、対右投手にはギャレット・ジョーンズが起用されるだろうと予想されています。

守備に関しては一塁守備はひどく、2014年の規定試合数に到達した1塁手としては最多の13失策で、守備率.988は18名中最下位です。また守備防御率(DRS)も-6、アルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)も-1.5で、平均的な野手よりも守備では足を引っ張っています。

【用語】

  • 守備防御点(DRS):同じポジションの平均的な野手と比較して、守備でどれだけ失点を防いだかを示す指標。
  • アルティメット・ゾーン・レイティング(UZR):同一リーグの同じポジションの平均的な選手と比較して、守備でどれだけの失点を防いだかを示す指標。
  • DRSとUZRの評価基準:ゴールドグラブ級(+15)、優秀(+10)、平均以上(+5)、平均(0)、平均以下(-5)、悪い(-10)、非常に悪い(-15)

また、外野の両翼も守れるのですが、一塁よりは良いものの、こちらも平均的な野手よりも劣るという数字が残っているため、ギャレット・ジョーンズにはできるだけ、守備をさせない状況にすることが理想です。

年俸総額をふくらませずに戦力アップをはかるヤンキース

このトレードでヤンキースはセカンドが手薄になりましたが、年俸の負担を減らす目的もあったようです。

このトレードの結果、ヤンキースが負担する2015年の年俸はギャレット・ジョーンズが500万ドル、ネイサン・イオバルディが年俸調停で予想されている310万ドルに加えて、マーティン・プラドの300万ドルの合計、1110万ドルとなります。

一方で、削減できたのはマーティン・プラドの800万ドル(1100万-300万)とデビッド・フェルプスの予想されていた130万ドルの合計930万ドルとなりますので、年俸負担は170万ドル増えたことになります。

しかし、2016年のマーティン・プラドの年俸1100万ドルのうち300万ドル支払うだけで良くなりましたので、2016年の年俸総額の負担を減らすことができています。

ヤンキースは明らかに小規模の再建モードと勝ちに行くための戦力補強を平行して行いながら、C.C.サバシア、マーク・テシェイラ、カルロス・ベルトランの契約がきれる2016年オフを目指して、整備を進めていると考えられます。

地味ではあるものの、年俸総額をふくらませることなく、知恵を使いながら、戦力アップを図っていることが随所に感じられる補強が続いているヤンキースです。