なぜヤンキースはゲーリー・サンチェスを心配すべきなのか?

New York Yankees Top Catch

ヤンキース打線の強みの一つは捕手の攻撃力が高く、他チームに差をつけることができるポイントとなっていました。

2016年に53試合で20本塁打、打率.299/出塁率.376/長打率.657/OPS1.032、2017年に122試合で33本塁打、打率.278/出塁率.345/長打率.531/OPS.876と素晴らしい成績を残したゲーリー・サンチェスの台頭が大きかったのですが、今年は非常に苦しんでいます。

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懸念材料は1割台の打率だけではない

2018年のゲーリー・サンチェスは55試合で本塁打12、打点55は素晴らしい数字なのですが、打率.190/出塁率.291/長打率.430/OPS.721と、低打率に苦しんでいます。

長いシーズンの間で、どの選手も大なり小なりスランプに陥ることがあるのですが、サンチェスには懸念すべき点が多いとニュージャージー・アドンバスメディアのランディ・ミラー氏は述べています。

ランディ・ミラー氏が指摘するゲーリー・サンチェスの懸念材料の要約は以下のとおりとなっています。


1. 単にスランプと呼ぶには期間が長過ぎる

調子が悪い一週間や一ヶ月は「スランプ」と呼べるが、もう6月中旬に差し掛かろうとしている。ゲーリー・サンチェスは打率と長打を兼ね備えた打者であることを最初の2シーズンで示したが、今年はそうではない。150打数以上の捕手18名の中で打率.190はワースト、OPS.721は11位、出塁率.291は15位、三振数57はワースト3位となっている。

2. 強い打球を打つことができていない

ゲーリー・サンチェスのBABIP(ホームランを除くフェアゾーンに飛んだ打球がヒットになった割合)は.266で、2016年の.417、3017年の.373と大きく落ちている。強い打球を打てていないことが影響を与えている可能性も。スタットキャストによると打球の初速は昨年が90.8マイルだったが、今年は89.8マイルに低下し、昨年はMLB全体で15位にランクされていたが、今年は85位に落ちている。95マイル以上のハードヒットの割合も43.1%から41.7%に低下している。

3. 引き続きブロッキングに問題を抱えている

ヤンキースは守備が劇的に改善されたと主張するが、数字はそうではない。昨季はパスボールの数16個がア・リーグのワーストタイとなったが、今季はすでに9個を記録していてMLBワーストになっている。イニング数になおすと昨年は55イニングに1回だったが、今年は42イニングに1回と増えている。
ヤンキースは「投手陣の球速が速く、ボールの動きも良いので捕球するのが簡単ではない」とパスボールの問題を一蹴するが、他の捕手は捕球できている。オースティン・ロマインは今季の178イニングで一度もパスボールがなく、昨年は517回2/3で4個(129回2/3に1個)だった。
さらに問題を示す数字がある。ヤンキースの投手陣はサンチェスがマスクをかぶったときに32個のワイルドピッチを記録している。アスレチックスのルクロイが同じ数を記録しているが、彼は52回2/3多く出場している。ワイルドピッチの数は昨年は55イニングに1個だったが、今年は42イニングに1個に増えている。

4. 肩に関するスタッツも落ちている

驚くべきことに、サンチェスが盗塁を阻止できたのは23回中4回(盗塁阻止率17.4%)で、昨年の38.3%(37/60)、一昨年の40.6%(13/32)から大きく落ちている。素晴らしい送球を見せているときもあるが、メジャーでベストの強肩とは言えない盗塁阻止率だ。投手側に問題があるとも考えられるが、過去の数字と比較した時懸念される。

5. ソニー・グレイとの相性が良いとは言えない

投手が捕手を信頼して投げることができないのは良いことではないが、ソニー・グレイとゲーリー・サンチェスの間には正当な理由がある。サンチェスがマスクをかぶった時のグレイは昨年が2試合で防御率15.63、移籍後の10試合で防御率5.94だが、ロマインの時は今年が10試合で防御率3.61、移籍後の13試合で防御率3.08となっている。

6. 常に全力でプレーしているように見受けられない

スカウトは、サンチェスが投球がワンバウンドした時に、全力で体を動かさないことを批判している。スカウトたちは「怠慢」とさえ評している。彼が体を早く動かそうとしないのは、捕手としてだけではない。サンチェスは打球がゴロになった場合に、ヤンキースで最も全力疾走しない選手だ。足が速くはない選手で、ガードナーのようにはいかない。だが、一生懸命に走ることで守備を焦らせることができるのに、それをやらない。ヤンキースのコーチ陣は重要な試合を落とす原因となる前に、全力疾走の大切さを教える必要がある。


送球されたボールのスピードそのものは速いので、肩の強さはMLB屈指のレベルを維持しているのかもしれません。ただ、盗塁阻止には捕球してから投げるまでのフットワーク、ミットから手へのボールの移動などの要素も必要で、その部分で悪くなっている可能性が考えられます。

パスボールやワイルドピッチの増え方が急激なため、動きそのものの悪さが盗塁阻止率に影を落としている可能性がありそうです。

ワイルドピッチとしてカウントされていても、他の捕手であれば捕球できたように映るものも多く、サンチェスの反応が悪さが目につくことが少なくありません。

まだ25歳と若いため改善の可能性はあるのかもしれません。が、プレーからは覇気が感じられないタイプの選手で、もし性格的な面が足を引っ張っているとしたら、守備力が改善するのか疑問符がつきます。

打撃面では打球の平均球速に大きな変化がなく、BABIP(ホームランを除くフェアゾーンに飛んだ打球がヒットになった割合)の数字が悪い場合には、「運に恵まれていない」だけとも考えられます。強い打球が野手の守備範囲に飛ぶというハードラックが多くなっていると捉えることができるからです。

ただ、打球の平均球速が落ちているということは、「ボールをバットの芯で捉えることができていない」「捉えていてもバットを強く振れていない」などの原因が考えられ、BABIPの数字が悪くなっても不思議なことではありません。

このような懸念材料が多いゲーリー・サンチェスなのですが、どちらかと言えばシーズン後半のほうが成績が良い選手のため、これから浮上する可能性も十分にあります。

  • 前半(113試合)打率.232/出塁率.324/長打率.457/OPS.780、25本塁打、75打点
  • 後半(119試合)打率.289/出塁率.353/長打率.607/OPS.960、40本塁打、92打点

シーズンが進むに連れて、体に切れが出てくるタイプの選手もいます。ゲーリー・サンチェスもそのタイプに該当するのかもしれません。

しかし、8月、9月に入っても今のような状態が続くのであれば、ヤンキースのファームにおいて、新たな正捕手候補育成の重要度が増すことになりそうです。

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