アスレチックスはなぜ失速してしまったのか?アメリカの専門家の分析とプレーオフ進出の可能性について

オールスターに6人も送り出すなどチームの状態も良く、前半戦終了の時点では、アスレチックスが9月に11ゲーム差をつけられて地区2位に転落し、さらにはワイルドカード争いでマリナーズに0.5ゲーム差に迫られるなど、大多数の人が想像できなかったことではないでしょうか?

そして7月の頭にジェフ・サマージャとジェイソン・ハメルをカブスから獲得し、さらにウェーバー公示なしのトレード期限最終日にジョン・レスターを獲得した時には、アスレチックスがここまで苦しむ状況になるとは、多くの専門家も考えていませんでした。

そのためアメリカの各メディア、専門家にとっても前半戦で最高のチームと考えられていたアスレチックスが、なぜ失速してしまったのか?ということは1つの分析対象となっています。

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アスレチックスが失速してしまった原因とは?

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アスレチックスがなぜ失速してしまったのか?ということについては、様々な見解や分析がありますが、それらの中で代表的なものは以下のようなものがあります。

  1. レスターを獲得した代償としてヨエニス・セスペデスを失い攻撃力が低下した
  2. 投手の補強はしたが二塁手を獲得しなかった
  3. スコット・カズミアーとソニー・グレイが同時に調子を落とした
  4. 前半の得点力を支えた2人が調子を落とした
  5. 故障者が続出で攻撃力が低下
  6. クレーザーのショーン・ドゥーリトルが故障で離脱してしまった

これらの内容について、続いて、詳しく見ていきます。

1. レスターを獲得した代償としてヨエニス・セスペデスを失い攻撃力が低下した

アスレチックスの失速の大きな原因の1つが得点力の低下だったのですが、ヨエニス・セスペデスを失ったことを、原因とする専門家の分析が、比較的早い段階で出ました。

トレード期限前には、1試合あたりの平均得点は5.1点だったのが、セスペデスのトレード後には平均3.8点と一気に得点力が低下してしまいました。

その上、セスペデスとの契約後のアスレチックスの勝敗が、セスペデスがラインナップにいるときは228勝131敗(.635)で、そうでない時は36勝55敗(.396)という数字もありました。

そのためレスターの獲得によるプラスよりも、セスペデスの放出によるマイナスの方が大きかったのではないか?との分析が、アスレチックスがエンゼルスに追い詰められ始めた頃に出ました。

しかし、セスペデスのトレードは、攻撃力の低下の一因ではあるものの、これが全てではないとの見方が、現在は広がりつつあります。

というのもセスペデスの今シーズンのアスレチックス在籍時の出塁率は.303に過ぎず、リーグ全体の平均も下回っていて、本当に大きなインパクトがあったと言えるほどの数字ではないとの指摘もあるためです。

そのため、9月も半ばにさしかかった今現在は、この分析は安易で、やや根拠に乏しいものだと考えられつつあります。

2. 投手の補強はしたが二塁手を獲得しなかった

開幕から打線が好調でチーム得点でもトップを走り続け、投手陣も好調でトレード期限となる7月31に時点では、チーム総得点は両リーグトップ、総失点は3番目に少ないという数字でした。

そのため得失点差は+162点で、2番目に良い数字のエンゼルスの+89点を大きく上回るダントツの状態でした。そのためか、7月のトレードでは打線の補強がメインとはならず、投手陣の補強にエネルギーが注がれました。

しかし、アスレチックスの打線の弱点はセカンドであったことは明白で、9月13日時点で、二塁を守った選手の合計の打撃のスタッツが打率.235/出塁率.302/長打率.285本塁打はわずかに1本となっています。

トレード期限前にはナショナルズがインディアンスからトレードで獲得したアズドルバル・カブレラなどもいたことを考えれば、投手に偏らずにセカンドを補強すべきではなかったのか?というものです。

ただ、仮にアズドルバル・カブレラを獲得していたとしても、今の状態を覆せるほどのインパクトがあるかと言われるとクビを傾げるところがありますので、やや疑問が残る分析と考えられます。

3. スコット・カズミアーとソニー・グレイが同時に調子を落とした

7月に行ったトレードで獲得した先発投手では、ジェイソン・ハメルが移籍後の防御率4.76と期待を裏切っていますが、ジェフ・サマージャは移籍後は4勝5敗で負け越していますが、13試合89.2回を投げて防御率3.41/WHIP0.97とまずまずの数字を残しています。

そしてジョン・レスターは8試合56.2回で防御率2.54/WHIP1.04と、その実力を発揮した数字を残しています。

ところが、これらの投手が加わる前に、先発ローテの1番手、2番手を務めていたソニー・グレイスコット・カズミアーが8月以降に調子を落としています。

ソニー・グレイの8月以降の成績は、9試合59.0回/防御率4.42/WHIP1.20、スコット・カズミアーが8試合44.1回で防御率6.09/WHIP1.42と両者ともに急激に調子を落としました。

このグレイ、カズミアー、ハメルの不調と打線の得点力の低下とが相まって、チームが負けを増やす結果になったと考えられます。

4. 前半の得点力を支えた2人が調子を落とした

オールスター前の成績では、ブランドン・モス打率.268/本塁打21/打点66/出塁率.349/長打率.530でOPSが.878。そしてデレク・ノリス打率.294/本塁打8/打点37/出塁率.402/長打率.477でOPS.879と、打順の下位を打つ2人が活躍をしていました。

そして打線の上位にはココ・クリスプ、ジョシュ・ドナルドソン、ヨエニス・セスペデスが並んだため、強力な得点力を誇りました。

しかし、オールスター以降となると、デレク・ノリスは、打率.242/本塁打2/打点15/出塁率.299/長打率.335でOPSは.634に下落。ブランドン・モスは打率.176/本塁打2/打点12/出塁率.301/長打率.243でOPSは.544となるなど不振に陥りました。

そのため打線全体の厚みが薄くなり、得点力が低下してしまいました。そして、ここに追い打ちをかけたのが、故障の続出でした。

5. 故障者が続出で攻撃力が低下

オールスター前まで好調で打率.294/本塁打8/打点37/出塁率.402/長打率.477でOPS.879という数字を残していたココ・クリスプが、シーズン当初から抱えていたクビの故障がひどくなり、試合に出れない日が後半になり増えました。

またクビの痛みがひどくなると同時に打撃の調子も落ち、8月は打率.191/出塁率.326/長打率.256と低迷してしまいました。

他にも、打率.264/本塁打9/打点40/出塁率.337という数字を残していたジョン・ジェイソが8月24日以降はプレーできていません。

打率.303/本塁9/打点32/出塁率.340と好調だったスティーブン・ボートも9月5日以降試合に出ることができていません。

さらに8月にレンジャーズから獲得したジオバニー・ソトも背中を痛めて、DLには入っていませんが、試合に出れない状態です。

このような故障者続出の状況で、本来は投手の左右で使い分けていた選手たちを、常にラインナップに起用することとなり、攻撃力の全体的な低下を招いてしまいました。

6. クレーザーのショーン・ドゥーリトルが故障で離脱してしまった

クローザーのショーン・ドゥーリトルが故障で2週間ほど離脱してしまったのですが、その間にアスレチックスは8度も1点差での敗北を喫してしまいます。

チームの得点力不足が大きな原因ではありますが、信頼できるクローザーの有無は、ゲーム展開や継投策にも大きな違いをもたらすことは否定できません。

ショーン・ドゥーリトルは55試合56.1回で防御率2.20。奪三振は81個と多いため、奪三振率は12.94。その上、WHIPは0.69とランナーを塁に出さない安定感があります。

そのドゥーリトルの不在は、1点差負の多さから考えても、チーム力が低下していたアスレチックスには重くのしかかったと言えそうです。

7月を終えた時点で、アスレチックスは66勝41敗で貯金は25の勝率.617という数字でした。しかし、そこから9月13日までの勝敗は16勝25敗と想像もしなかった失速で、ワイルドカードすらも楽観視できない状況となりました。

このような状況になった理由を、単純にセスペデスをトレードで出してしまったからと結論付けるのは無理があり、上に列挙したような問題が積み重なってしまったことが原因と考えたほうがより合理的ではないでしょうか。

失速はしたもののアスレチックスがプレーオフ進出に有利な立場にいる理由とは?

この急激な失速がありながらも、アスレチックスは9月12日終了時点で、ワイルドカード争いのトップにいます。そして、アスレチックスがプレーオフ進出へ有利な立場にいえると考えられる材料もあります。

ア・リーグのワイルドカードをアスレチックスと激しく争っているのはタイガース、ロイヤルズ、マリナーズの3球団です。そのうち、タイガースとロイヤルズはどちらかが地区優勝となり、最終的にはワイルドカードの対象から外れますので、実際にはどちらか1チームと枠を争っているという状況です。

そのためアスレチックスはマリナーズさえ上回ればワイルドカード2枠のうちの1枠に滑り込めることが濃厚です。そしてアスレチックスが有利な立場にあると考えられるのは、マリナーズの残り試合の対戦相手が厳しいためです。

マリナーズは、残り14試合のうち、現在MLBで一番調子の良いチームと考えられるエンゼルスと7試合。ワイルドカードに望みをかすかにつないでいるブルージェイズと3試合。また、侮れない存在となっているアストロズと3試合というスケジュールで、勝ちを計算できる相手が少ない状況です。

一方のアスレチックスは、残り14試合でエンゼルス戦が3試合あるものの、ア・リーグ西地区最下位のレンジャーズと7試合。ナ・リーグ東地区最下位のフィリーズと3試合という日程で、マリナーズよりは勝ちを計算しやすいスケジュールとなっています。

もちろん勝負事で、何が起こるかはわかりませんが、アスレチックスは故障者も徐々に戻りつつあり、先発投手陣のコマは揃っていますので、勝ちを見込めるチーム状態にもなりつつあります。

アスレチックスファンにとっては胃の痛くなるような試合が多くなるかもしれません。しかし、白熱した試合が増え、最後の最後まで目を離せない、白熱した試合が増える残り2週間のMLBとなるのではないでしょうか。

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