2016年(2015シーズンオフ)のFA市場の動きが遅いのはなぜ?FOXスポーツの名物記者が分析

先発投手と外野手で人材が豊富な2016年(2015シーズンオフ)のFA市場ですが、先発投手のトップ4(プライス、グレインキー、クエト、ジマーマン)は動いたものの、それ以外は動きが少ない状態が続いています。

そしてそれは決して気のせいではなく、実際に「例年よりもゆっくりとした動きになっている」いFOXスポーツのケン・ローゼンタール記者は述べます。

ケン・ローゼンタールは2014年の同時期にはFA選手のトップ20のうち17名が契約を終え、2013年と2012年は13名が契約していたが、今年は7名しか契約していないと指摘し、明らかに動きが鈍いことを指摘しています。

そして、なぜそのように動きが遅くなっているのか?という理由についての分析と、その問題の大胆な解決策を提案しています。

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FOXスポーツの名物記者が分析するFA市場の動きが遅い理由とは?

ケン・ローゼンタール記者は2015年12月20日付けの”Why haven’t some of baseball’s biggest free agents signed yet?”という記事の中で、FA市場の動きが鈍い理由について以下のように分析しています。

  1. クオリファイング・オファー(QO)
    FA選手でトップ20にランクされている未契約の選手13名のうち10名がクオリファイング・オファーを拒否している。獲得するチームはドラフト指名権を失うことになるので、獲得に向けて二の足を踏んでいる。
    シーズン中にトレードになったヨエニス・セスペデス、スコット・カズミアー、マイク・リーク、日本からポスティングされた前田健太らはQOの対象外で、ジャスティン・アップトン、クリス・デービス、アレックス・ゴードンなどはQOの影響を受けないクラスの選手。
    しかし、イアン・ケネディ、ヨバニ・ガヤルド、デクスター・ファウラー、イアン・デズモンド、ダニエル・マーフィー、ハウィー・ケンドリックらは影響を受けている。
  2. 高収入の複数チームが大金を使おうとしていない
    高収入で経済力のあるチームがFA市場で資金を使おうとしていない。ヤンキースは長期契約が切れるのをまっているし、エンゼルスはぜいたく税の1億8900万ドルを超えないようにしている。レンジャーズはコール・ハメルズの獲得にすでに投資している。メッツは大金を使うことは稀。カブスがヘイワード、ゾブリスト、ラッキーと大金を使っているのは、来年のFA市場が弱いため、そのことも考慮して先行投資している。
  3. 多くのチームが再建モードに移行している
    ブレーブス、ブルワーズ、レッズは、事実上、ロースターのどの選手でもトレード交渉する姿勢だ。フィリーズもそうで、ロッキーズも同様にどの選手でもトレードに応じる姿勢。そのため高額なFA選手を獲得しなくても、その代わりになる選手がトレード市場に多くいる。
  4. トレード市場に人材が溢れている
    外野手のアップグレードをしたいチームにとってジャスティン・アップトンとヨエニス・セスペデスが残っている状態だが、トレード市場に多く選択肢がある。ロッキーズのカルロス・ゴンザレス、チャーリー・ブラックモン、コリー・ディッカーソン、ドジャースのアンドレ・イーシアー、カール・クロフォード、ヤンキースのブレット・ガードナー、ブレーブスのエンダー・インシアーテ、レッズのジェイ・ブルースらがいる。
    先発投手ではマイク・リーク、前田健太、スコット・カズミアーらがいるが、こちらもトレード市場に多くのオプションがある。インディアンスのカルロス・カラスコ、ダニー・サラザー、レイズのアレックス・カッブ、ジェイク・オドリッジ、ドリュー・スマイリー、パドレスのタイソン・ロス、アンドリュー・キャッシュナー、ジェームズ・シールズなど。

このような分析をした上で、それでも補強に向けての動きが目立つ、ドジャース、ナショナルズ、ホワイトソックス、カージナルスはFA市場で大金を使う可能性があるチームとしてピックアップしています。

そして、セスペデス、アップトンが2016年の契約をできなかったり、マーフィー、ケンドリック、ガヤルド、ケネディもそうなることを誰が予想するだろうか?と述べ、もう少し時間の経過を待つ必要があるかもしれないが、大型契約が再び成立すると述べています。

そしてこの記事の中では、FA市場を活発化させる方法として、大胆な案を披露しています。

その案とは、再建モードでもフィリーズのように資金力があり、ドラフト指名権が守られるチームは、大物FA選手と、特定のチームにトレードに出すことを前提として契約し、正式サイン後にトレードに出して、見返りとしてプロスペクトを獲得するというものです。

このような動きは協定に違反ではないので、検討しても良いのではないかとケン・ローゼンタールは提案しています。

この提案どおりの流れであれば、再建モードのチームは、1巡目のドラフト指名権を守りながら、年俸総額を増やさずに、なおかつチーム再建のための質の良いプロスペクトを獲得できることになります。

またトレード経由でその選手を獲得するチームはプロスペクトを出すことにはなるものの、一番上位のドラフト指名権を失わずに欲しかった選手を獲得できることになります。

このケン・ローゼンタールの案は協定の穴をついて、ドラフト指名権を失う問題を回避する方法と言えます。

2015-16のFA市場は長期戦が避けられない状況に

再建モードに移行しているチームは下位に沈んでいるがゆえに、チーム再建を図っているチームのため、ドラフト指名権が守られています。

以下の10チームはドラフト指名権がプロテクトされていますので、1巡目の指名権を失うことはありません。

  1. フィリーズ 63勝99敗
  2. レッズ 64勝98敗
  3. ブレーブス 67勝95敗
  4. ロッキーズ 68勝94敗
  5. ブルワーズ 68勝94敗
  6. アスレチックス 68勝94敗
  7. マーリンズ 71勝91敗
  8. パドレス 74勝88敗
  9. タイガース 74勝88敗
  10. ホワイトソックス 76勝86敗

ジョーダン・ジマーマンと契約したタイガースは1巡目がプロテクトされているため、2巡目の指名権を失っています。

仮にフィリーズがケン・ローゼンタールの提案通りのことを行った場合には、2巡目の指名権を失うことになるため、実質的には2巡目の指名権を失うかわりに、プロスペクトを獲得できることになります。

ただ、ケン・ローゼンタールの案は面白いものではあるものの、実際にやってしまった場合には、クオリファイング・オファーの制度を導入した意図を、阻害することになりかねないので、メジャーリーグ関係者から疑問の声が挙がる可能性がありそうです。

そのため現実的には市場が熟成していくの待つという事にならざるをえないのではないかという状況ではあります。

FA市場で大きな動きがある可能性が残るチームとしてケン・ローゼンタールはドジャース、ナショナルズ、ホワイトソックス、カージナルスの4チームを挙げていますが、その中でもホワイトソックスが意外なダークホースになる可能性があります。

ホワイトソックスはトッド・フレイジャーをトレードで獲得するなど2016年も勝負することを選択しています。

そして資金力もあり、1巡目指名権も守られるため、大きな動きがあっても不思議ではないチームの1つと考えられますので、今後が注目されます。

またナショナルズはカブスに競り負けたもののヘイワードに2億ドル、そしてカージナルスも同様の金額を提示したとされていて、外野手を必要とし、そのため資金面の準備もできていますので、大型契約を残るFA選手に提示する可能性があります。

FA市場にはケン・ローゼンタールが名前をあげた以外の投手や外野手では、チェン・ウェイン、ダグ・フィスター、カイル・ローシュ、外野手ではデナード・スパン、ジェラルド・パーラなども残っています。

このオフのFA市場は例年と異なり、多くの有力選手が残っているため、クリスマス以降も動きが続く、長期戦となりそうな気配です。

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