デトロイト・タイガースとの2年契約が終了し、フリーエージェントとなったトリー・ハンターですが、現在、マリナーズ、レンジャーズ、ロイヤルズ、ツインズ、オリオールズの5球団による争奪戦となっていることを、CBSスポーツのジョン・ヘイマンが伝えています。
そしてケン・ローゼンタールはハンター自身が上記の中でロイヤルズを除く4球団と話をしていると語ったことをTwitterで伝えています。
Torii Hunter told @MWhicker03LANG he is talking with #Orioles, #Mariners, #Rangers, #Twins. Source says others, including #Royals, in mix.
— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) 2014, 11月 30
来季で39歳となるトリー・ハンターですが、攻守ともに衰えは隠せないものの、右打ちの外野手が乏しいFA市場ということもあって、一時は10球団が接触するという争奪戦となっています。
守備面での衰えは隠せないものの、長打力がいまだに魅力のハンター
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トリー・ハンターの年度別成績と通算成績は以下のとおりとなっています。
2013年は144試合で打率.304/本塁打17/打点84/出塁率.334/長打率.465/OPS.799、2014年は142試合で打率.286/本塁打17/打点83/出塁率.319/長打率.446/OPS.765となっていて、数字は下降線をたどっています。
守備に関しては2001年から2009年の9年連続ゴールドグラブ賞のイメージが強いのですが、2014年の数字は良いものではありません。
規定に到達しているライトの選手の中では、守備率.978が17人中16番目、レンジーファクター(アウト寄与率)が17人中最下位、DWAR(代替可能な選手よりもどれだけ勝利を守備によって上積みしかたかの指標)も-2.4で最下位になっています。
それでもこのオフで多くの球団から関心を集めているのは、FAとなっている野手の中では攻撃面では上位にランクされ、契約年数と年俸が低く抑えることができるためです。
外野手の中ではネルソン・クルーズ(率.271/本40)、コルビー・ラスムス(率.225/本18/OPS.735)に次ぐ3番目の本塁打数で、クルーズはDHでの出場も多いため、純粋な外野手となると2番目といえる数字です。
本塁打数に関してはFA野手全体でも、ネルソン・クルーズ(率.271/本40)ビクター・マルティネス(率.335/本32)、アダム・ラローシュ(率.259/26本塁打) マーク・レイノルズ(率.196/本22)、コルビー・ラスムス(率.225/本18)に続く6番目となります。
OPSでもビクター・マルティネス(OPS.974)、ネルソン・クルーズ(OPS.859)、ハンリー・ラミレス(OPS.817)、メルキー・カブレラ(OPS.808)らの後の5番目の数字です。(注:規定打席に到達していない選手ではマイケル・カダイアーがOPS.955、ラッセル・マーティンが.832です。)
このように攻撃面では、このオフのFA市場では上位にランクされるため、守備面では衰えを隠せないものの、多くの球団から打診を受けています。
年俸に関してはタイガースと2年2600万ドルで契約し、2013年が1200万ドルで、2014年が1400万ドルでした。
2015年で39歳となることもあり、年俸はこれらの金額よりも低く抑えられる可能性が高く、クオリファイングオファーも受けていないためドラフト指名権の問題もなく、契約年数も最大で2年から、1年+オプション程度に収まるであろうことも魅力となっています。
交渉相手となっている5球団がトリー・ハンターを必要とする理由
マリナーズは打線が左打者に偏っているため、右打ちの外野手/指名打者/一塁手を探していて、外野手であればライトを守れる選手が第1希望です。
レンジャーズはアレックス・リオスがFAとなり、秋信守をライトに移動させたいため、外野手が補強ポイントとなっています。
ロイヤルズは青木宣親がFAとなったため、センターに守備・走塁には優れるものの攻撃がイマイチのダイソンを起用して、ケインをライトにまわさざるを得ない状況です。そしてビリー・バトラーがFAとなったことで、長打力のある右打者を必要としています。
ツインズはセンターにダニー・サンタナ(率.319/本7/点40/OPS.824)、ライトにオズワルド・アルシア(率.231/本20/点57/OPS.752)がいますが、レフトはジョーダン・シェーファー(率.238/本1/点15/OPS.615)と不安があります。
オリオールズはネルソン・クルーズとニック・マーケイキスの外野手2人がFAとなり、再契約に動いているものの進展していないため、この2人に契約合意への圧力をかける目的と、再契約失敗の場合の予備プランとしてハンターにもアプローチしているようです。
トリー・ハンター自身はデトロイト・タイガースの残留を希望していました。しかし、タイガースがビクター・マルティネスと再契約できない場合には、その可能性があると見られていましたが、それも叶いませんでした。
ただ、FA市場の状況を見れば、タイガースが提示したであろう金額以上を手にする可能性が高くなっています。