なぜジャイアンツにとってエバン・ロンゴリアの獲得はリスクが高い補強なのか?

San Francisco Top Catch

レイズの顔と言って差し支えのないエバン・ロンゴリアが、デナード・スパン、クリスチャン・アローヨらとの交換トレードでサンフランシスコ・ジャイアンツに移籍しました。

ジャイアンツの三塁は2017年に9人の選手が守ったものの、エドゥアルド・ヌニェス以外の8人はほぼ機能しませんでした。

その結果、ジャイアンツの三塁を守った選手の成績は打率.216、出塁率.268、長打率.300、OPS.658、本塁打9といずれも両リーグ最下位に沈みました。

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短期的な戦力アップも中長期的にはリスクに?

ジャイアンツの三塁の問題は攻撃面だけにとどまりませんでした。三塁手の守備防御点(DRS)は-10で28位、アルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)は-1.2で21位と守備面でも足を引っ張っていました。

エバン・ロンゴリアの2017年は、フルシーズンとしては2014年と並ぶキャリアワーストのシーズンで、打率.261/出塁率.313/長打率.424/OPS.737、20本塁打という成績に終わりました。
本人にとって満足のいかない成績であることは間違いないのですが、それでもジャイアンツの2017年の三塁手の攻撃面を考えれば、大きなグレードアップとなります。

エバン・ロンゴリアは打撃面では今一歩でしたが、守備面はいまだに優秀な水準を保っていて、DSR(守備防御点)は+10、アルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)は+3.2という数字を残しています。

加えてクラブハウスでの素晴らしいリーダーシップへの評価も高いため、2018年の戦力アップにつながる可能性が高いと予想されるエバン・ロンゴリアの獲得です。

しかし、エバン・ロンゴリアの獲得は中長期的に見て、ジャイアンツにとって非常にリスクの高い補強だとスポーツ・イラストレイテッドのジョン・テイラー氏は指摘しています。

The trade ends Longoria’s decade-long tenure as the best player in Tampa’s short franchise history, as San Francisco makes a bid to return to contention (or at least relevance) by taking a risky bet on a solid but aging star.

ジョン・テイラー氏は守備は硬く、長期離脱しないタフさは魅力であるものの、それでもリスクが高い補強だとして理由を列挙しています。

エバン・ロンゴリアの獲得に潜むリスクとは?

ジョン・テイラー氏の指摘する中長期的な問題点は以下のとおりとなっています。なお、この記事の後に、レイズの金銭負担が明らかになったため、そこに関しては修正しています。


  • エバン・ロンゴリアの10年のキャリアのうちOPS.840を下回っているのは3シーズンだけで、そのうちの一つが2017年。OPS+(OPSがリーグ平均をどれだけ上回ったかの指標)は100でキャリアワーストの数字。30歳を越える選手には懸念材料。
  • 打球のゴロ比率が2016年は31.9%だったが2017年には43.4%に上昇し、長打が一気に減る原因に。
  • ファーストボールに対する数字が落ちていて、2016年は打率.318、長打率.682だったが、2017年は打率 .265、長打率.412に降下。
  • 打球の平均初速が2016年は90.7マイルだったが、2017年は86.7マイルに低下。ボールを芯で強く捉えた割合が減っている。
  • 1億ドルの契約延長の時にはバーゲンに思えたが、それ以降は打率.265/出塁率.325/長打率、OPS+が.457と月並みな数字になっている。
  • デナード・スパンの放出で2018年の1100万ドルと2019年のオプションのバイアウト400万ドルを削減できたため、この2年間のエバン・ロンゴリアの年俸の負担は軽減できた。レイズがさらに1450万ドルを負担するものの、それでも5600万ドル以上の負担が残ることに。
  • ロンゴリアの獲得の結果、30歳を越える選手との長期契約が増え、2019年が8選手に1億2000万ドル、2020年が7選手に1億2000万ドル、2021年は5選手に9200万ドルが確定することに。

主力のほとんどが30歳を越える選手で、しかも長期契約ばかりという、現在のトレンドとは逆行するようなロースター編成となっているサンフランシスコ・ジャイアンツです。エバン・ロンゴリアの獲得は、同様の選手を増やすことにもつながりました。

しかもエバン・ロンゴリアがキャリアでOPS.800を切っているのは3回しかないのですが、それが2014年、2015年、2017年とこの4年間の出来事です。4年間の数字だけを見れば打率.264/出塁率.320/長打率.447/OPS.767というものとなり、契約最終年が36歳となることを考えれば、かなりリスクの高い補強であることは否定できません。

ただ、ジャイアンツのフロント陣は、この数年が現在のコアプレイヤーたちで優勝を狙える最後のチャンスだと理解していて、それを最大限に活かすという方向性を選んでいるようにも見受けられます。

ファームの層が薄い状況でありながら、トッププロスペクトのクリスチャン・アローヨを放出したため、さらに状態は悪化しました。そのため数年先には再建への舵をきることが必要かもしれません。しかし、明らかに来年と再来年の勝負を重視しての補強のため、まずはこの2年間の結果が重要になるジャイアンツです。

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