先発ローテーションの補強が最優先の課題となっていたため、ジョニー・クエトに1億3000万ドル、ジェフ・サマージャに9000万ドルを費やしたサンフランシスコ・ジャイアンツでした。
しかし、青木宣親とマーロン・バードのオプションを行使しなかったことによってできた外野手の穴を埋めることができない状態が続いていました。
その外野手の補強にようやくこぎつけたようです。
ワシントン・ナショナルズからフリーエージェントとなっていたデナード・スパンと3年総額3100万ドルで合意したと報じられています。
デナード・スパンも予想額よりも小さい規模での契約合意に
コムキャストスポーツネットのベイアリア電子版でサンフランシスコ・ジャイアンツのライターを務めるアレックス・パブロビック(Alex Pavlovic)が以下のように伝えています。
The Giants get their outfielder, sign Denard Span to three-year, $31 million deal:
「ジャイアンツが外野手を獲得した。デナード・スパンと3年3100万ドルで合意した」
デナード・スパンはシーズンオフ当初に3年3600万ドル程度が予想されていましたが、外野手は人材があふれる買い手有利の市場となっていますので、それを反映して契約規模になっています。
デナード・スパンが1番センターでパガンはレフトへコンバートか
デナード・スパンの年度別の打撃と守備の成績は以下の表のとおりとなっています。
キャリア通算では打率.287/出塁率.352/長打率.395という成績で、出塁率の高いコンタクトヒッタータイプです。
三振が少ない打者で、ナショナルズ在籍の3年間の三振率は10.5%でナショナルリーグで5番目に低い数字を記録しています。
また盗塁技術にも優れ2010年からの6年間で最低でも700試合に出場した選手の中では4番目に高い盗塁成功率82.2%となっています。
完全なリードオフマンタイプの打者でジャイアンツが必要としている外野手を補強できたと言えます。
問題は守備位置で、デナード・スパンはセンターを守り続けているのですが、アンヘル・パガンもセンターを守ることにプライドを持っていることです。
そのためジャイアンツは長らく故障が多くなってもパガンにセンターを守らせてきたのですが、昨年のセイバーメトリクスの守備データではナショナルリーグ最下位となってしまいました。
デナード・スパンは2015年に2回の故障で長期離脱していることもあり、守備データも良くないのですが、それでもパガンよりも守備では安定しているグリゴリー・ブランコと同様の数字となるため、パガンではなくスパンにセンターを守らせることができれば、守備力も強化できると予想されます。
これでサンフランシスコ・ジャイアンツはジョニー・クエトに1億3000万ドル、ジェフ・サマージャに9000万ドル、ブランドン・クロフォードの契約延長7500万ドル、デナード・スパンの3100万ドルなど、合計で3億2600万ドル余りを投資したことになります。