クローザー、セットアップに難をかかえているサンフランシスコ・ジャイアンツでトレード期限前の重要な補強ポイントとなっていました。
アロルディス・チャップマンの争奪戦にも参加するなど、補強には積極的に動いているのですが、ファームの層が薄いこともあり、獲得には至りませんでした。
ただ、アグレッシブに動き続けていると報じられていましたが、ミルウォーキー・ブルワーズからウィル・スミスをトレードで獲得することになるようです。
Yahoo!Sportsのジェフ・パッサン氏が以下のようにツイートしています。
Source: Giants acquire reliever Will Smith.
— Jeff Passan (@JeffPassan) 2016年8月1日
関係者からの情報としてサンフランシスコ・ジャイアンツが左腕リリーバーのウィル・スミスを獲得すると伝えています。
ウィル・スミスは青木宣親がロイヤルズにトレード移籍する際の交換要員で、圧倒的ではないものの安定した成績を残しているリリーフ投手です。
2014年は78試合65.2回で防御率3.70/奪三振86/WHIP1.42、2015年は76試合63.1回で防御率2.70/奪三振91/WHIP1.20、今季は27試合22.0回で防御率3.68/奪三振22/WHIP1.23となっています。
今季も含めた近年3年間では防御率3.21で奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)が12.3と非常に高いのが魅力です。
与四球率(9イニングあたりの与四球数)が3.8とやや制球に難がある分、防御率が1点台となるような圧倒的な成績とはなっていません。
また試合数と投球イニングを見てもわかるとおり、1イニングを完全に任されるだけでなく、1ポイント的な起用もある投手です。
ウィル・スミスは左腕投手で、キャリア全体では対右打者に被打率.259/被出塁率.332/被長打率.421/被OPS.753、対左打者にも.253/.312/.411/.723となっています。
ただ、今年は右打者は抑えているのですが、左打者に打たれていて右打者に対しては被打率.143/被出塁率.288/被長打率.310/被OPS.598と良いのですが、左打者に対しては.316/.333/.500/.833となっています。
ミルウォーキー・ブルワーズではクローザーのジェレミー・ジェフレスにつなぐセットアップを務めるなど、勝ちゲームの重要なイニングをこなしてきた投手でもあります。
26歳と若く、今季の年俸は147万5000ドルと格安で、FAまで来季から3年が残っていますので、今季だけでなく、来季以降も含めてサンフランシスコ・ジャイアンツのブルペンに安定感をもたらしてくれる期待ができそうです。
今回のトレードは1対2のトレードでジャイアンツは2015年ドラフト1巡目全体18番目指名のフィル・ビックフォード(Phil Bickford)とバスター・ポージーのバックアップ捕手を務めていたアンドリュー・スザックを交換要員として放出しています。
フィル・ビックフォードは1Aでプレーしている段階ですが、今季の1Aアドバンスドの成績は33イニングで防御率2.73となっています。
サンフランシスコ・ジャイアンツのファームではプロスペクトランクNO.1の評価を得ているのですが、全体的なプロスペクトの層が薄いことにも助けられていて、残念ながらベースボール・アメリカ、MLB公式サイト、ベースボールプロスペクタスでもMLBのトップ100にはランクされていません。
この層の薄さがトレード成立に苦労していた理由で、チーム内のトッププロスペクトを放出してもクローザクラスの投手は獲得できませんでした。
このトレードでブルペンの層は厚く出来ましたが、中長期的な展望としてさらにファームが薄くなったことは、後々に穴埋めが必要になる時がきそうです。
またチームとしては小さくない代償を支払いましたので、地区優勝のみならず、ワールドシリーズ制覇を果たしたい状況となったサンフランシスコ・ジャイアンツです。