シアトル・マリナーズの年俸総額と2016年シーズンに向けた補強の展望

Seattle Mariners Top Catch

ポストシーズン進出が期待されながらも開幕直後からつまづき、結局立て直すことができず、トレード期限前には売り手にまわることになったシアトル・マリナーズでした。

チームに多くの穴がある状態で、しかもプロスペクトの層も薄くなるなど、メジャーレベルからマイナーレベルにかえて問題が山積となった状態を立て直すために、ジャック・ズレンシックが解任されて、前エンゼルスGMだったジェリー・ディポトが新しくゼネラルマネジャーとなりました。

そのジェリー・ディポトGMがチームの立て直しのために監督も交代させ、さらに選手育成のディレクターも変え、さらにはシーズンオフが始まった早々にレイズと3対3のトレードを成立させるなど、次々と手を打っています。

ただ、そのティポトGMは前GMが残した契約により動きが制約されることになります。

そのマリナーズの2016年シーズン以降に残る長期契約と、2016年のロースター編成、そして補強ポイントなどをまとめていきたいと思います。

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2016年シーズン以降に残る長期契約と年俸総額について

マリナーズは2015年シーズンの開幕時の年俸総額が1億2322万5843ドルとなり、2008年の1億1766万6482ドルと上回って球団史上最高額となりました。

MLB.comのジョン・グレッグはこの1億2500万ドルをやや越えたあたりが2016年シーズンの年俸総額の目安になるのではないかと予想しています。

では、すでにどれだけの金額がロックされているのかということになるのですが、マリナーズの抱えている長期契約と年俸調停権は以下の表のとおりとなっています。

Manriners contracts obligations_20151108

フェリックス・ヘルナンデスが7年1億7500万ドルの契約4年目で2585万7143ドル、ロビンソン・カノーが10年2億4000万ドルの3年目で2400万ドル、ネルソン・クルーズが4年5700万ドルの2年目で1425万ドル、セス・スミスが2年1300万ドルの最終年で675万ドル、カイル・シーガーが7年1億ドルの2年目で800万ドルとなっています。

この5人の契約の総額が7885万7143ドルとなり、2015年シーズンの開幕時の年俸総額を基準とすると、4436万8,700ドルの枠が残ることになります。

しかし、ここに年俸調停権を有する選手の年俸が加わります。地元メディアによって予想された年俸はマーク・トランボが910万ドル、トム・ウィルヘルムセンが300万ドル、チャーリー・ファーブッシュが170万ドルとなっています。

この年俸で更新された場合は、さらに1380万ドルが加わることになり、すでに9265万7,143ドルに達していて、残りの予算枠は3056万ドル程度となっています。

トレードでローガン・モリソンを放出したのは、一塁を守れる選手がだぶついている上に、2016年終了後にFAとなることなども理由でしたが、年俸調停権により年俸が410万ドル程度に上昇するのも理由の1つでした。

ショートにはケーテル・マルテ、クリス・テイラー、ブラッド・ミラーと、一塁と同様にだぶついていましたので、余剰戦力を使って年俸総額を減らし必要な戦力を補強したというシーズンオフ早々のトレードでした。

このような年俸総額の制約がある状況下では、マーク・トランボの900万ドルを減らすことができれば、予算に柔軟性が生まれることになりますので、トレードの憶測は出続けています。

ジェリー・ディポトGMは外野守備があまり良くないことや、長打力はあるものの打率、出塁率が低いためエンゼルスGM時代に放出していますので、なおさらその噂が消えない現状です。

このような予算の制約がある中で、岩隈久志を連れ戻すために年平均1000-1500万ドルを必要とすることを考えると、マリナーズに大きな余裕はなく、トレードや中堅から下位クラスのFA選手の獲得が主な補強になると予想されます。

2016年シーズンのロースター編成と補強ポイント

シーズンオフとなりFAとなった主な選手は以下のとおりとなっています。

  • 岩隈久志(SP)
  • ジョー・ベイメル(RP)
  • フランクリン・グティエレス(OF)

これらの選手を除いた上で来季の編成を考えていきたいと思います。2015年11月8日時点でのマリナーズの予想される編成は以下のとおりとなっています。

  • 捕手:マイク・ズニーノ/ヘスス・スクレ
  • 一塁手:ヘスス・モンテロ/マーク・トランボ
  • 二塁手:ロビンソン・カノー
  • 三塁手:カイル・シーガー
  • 遊撃手:ケーテル・マルテ
  • 左翼手:未定
  • 中堅手:未定
  • 右翼手:セス・スミス
  • 指名打者:ネルソン・クルーズ/マーク・トランボ

このうちヘスス・モンテロはアウト・オブ・オプションズ(Out of Opitons)となっていて、ウェーバーにかけずにマイナー降格させることができません。

マーク・トランボの状況や補強の動向次第では、ヘスス・モンテロもトレード要員になる可能性がありそうな状況です。

ショートはブラッド・ミラーを放出しましたので、クリス・テイラーがバックアップとなりますが、攻撃力が課題のため、ベテランでショートを守れる選手を確保する動きも予想されます。

野手では捕手、外野手がマリナーズの重要な補強ポイントとなると見られています。

捕手はマイク・ズニーノが112試合350打数で打率.174/出塁率.230/長打率.300という惨状でしたし、配球面でも問題を指摘されることが少なくありませんでした。元々、メジャーに昇格させるのが早すぎたとの見解もあり、マイナーで時間をかけて育成し直す可能性も否定できません。

ヘスス・スクレは守備面では評価されているものの、攻撃面では50試合127打数で打率.157/出塁率.195/長打率.228とズニーノ以上に酷く、不安がある状態です。

そのためデトロイト・タイガースからFAとなった28歳のアレックス・アビラなどが補強のターゲットになるのではないかとの予想があります。

外野手に関してはフランクリン・グティエレスが復帰後ノ59試合171打数で打率.292/本塁打15/打点35/出塁率.354/OPS.974と活躍したのですが、故障歴がありシーズン通じての期待をしにくいことや、ジェリー・ディポトGMが求める外野手像とは異なるためか、再契約に関してはあまり話が出てこない状態となっています。

ディポトGMは外野手にはセーフコ・フィールドにふさわしいスピードとアスリートらしい運動能力による守備力を求めているため、今季は外野を守ることが多かったネルソン・クルーズも、指名打者での起用が来季は多くなると予想されます。

セス・スミスに関しては守備の指標であるアルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)では+6.8と貢献度が大きく、メジャー全体の外野手の中でも30番目となっていますので、引き続き起用されるのではないかと考えられます。

それでも外野の2つのポジションが空くため、ここは重要な補強ポイントとなります。

現時点で補強方針に合致する選手としてオリオールズからFAとなったジェラルド・パーラ、ナショナルズからFAとなったデナード・スパンなどが候補になるとして名前が挙がっています。

先発ローテの編成は以下のとおりとなっています。

  1. フェリックス・ヘルナンデス
  2. タイファン・ウォーカー
  3. ジェームズ・パクストン
  4. ネイト・カーンズ

続いて先発候補となるのがロエニス・エリアス、ビダル・ヌーニョ、マイク・モントゴメリー、ダニー・ハルツェンなどとなりますが、どの選手もメジャーリーグでの実績が十分とは言えず未知数です。

そのため岩隈久志を連れ戻すことは最優先の課題となります。

マリナーズは外部から岩隈クラスの投手を獲得するのは、金銭もしくは人材面で小さくない痛手を負うことになりますので、ホームタウンディスカウントが期待できる岩隈久志の再契約はチーム編成上重要です。

この岩隈との交渉がうまくいかないようであれば、トレードでの積極的な動きが必要となりそうです。

先発投手にも不安があるのですが、打者の獲得のためにリリーフ投手を次々とズレンシック前GMがトレードに出していた上に、ジョー・ベイメルがFAになることもあり、全体的に層が薄くなっているブルペン陣の整備も課題となっています。

現時点ではクローザーがトム・ウィルヘルムセン、セットアップがカーソン・スミスとなっていますが、強力とは言えず心もとないのですが、予算が潤沢なわけではありませんので、シーズン中にトレードに出したマーク・ロウなどが候補として、名前が上がる程度になっています。

ジェリー・ディポトGM は核となるフェリックス・ヘルナンデス、ロビンソン・カノー、カイル・シーガー、ネルソン・クルーズを中心に編成していく方針ですが、穴が多いにも関わらず予算に制約が多いため、クリエティブな補強が必要になりそうなシーズンオフのマリナーズです。

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