地元メディアがマリナーズの獲得候補5人とその代償を分析:ケンプ、ガティス、アップトン、セスペデス、クルーズ

Seattle Mariners Top Catch

右打ちのFA野手の契約が決まっていくにつれて、右打者の補強を明言していたマリナーズの動向への注目が集まりつつあります。

地元メディアが注目するのは当然のことなのですが、全米メディアもマリナーズの動きに関心を寄せています。

その流れを受けて、地元メディアの1つであるタコマニューストリビューンのボブ・ダットンが5人の獲得候補とマリナーズが支払うであろう代償について分析しています。

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右打ちの強打者が必要なマリナーズの獲得候補は?

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タコマニューストリビューンのボブ・ダットン(Bob Dutton)は全米野球記者協会(BBWAA)の会長を2008年に務めていました。

全米野球記者協会は、最優秀選手(MVP)、サイ・ヤング賞、最優秀新人、最優秀監督などの選出も行っている組織で、その記者協会で会長を務めたことがある著名な記者です。

そのボブ・ダットンは”Analysis: Updating the Mariners’ potential off-season
acquisition targets”というタイトルの記事で、マリナーズの獲得候補として、マット・ケンプ(LAD)、ジャスティン・アップトン(ATL)、ヨエニス・セスペデス(BOS)、エバン・ガティス(ATL)、ネルソン・クルーズ(BALからFA)の5人を挙げています。

そしてその5人の獲得に失敗した場合の、予備プランとしてマーロン・バード(PHI)、アレックス・リオス(TEXからFA)の2人の名前を挙げています。

マリナーズが支払うべき代償について

5人の獲得候補のうち、ネルソン・クルーズだけがFAとなっているプレーヤーで、残りの4人はトレードでの獲得を目指すことになります。

そのためその支払うべき代償はネルソン・クルーズについては、クオリファイングオファーを拒否しているため獲得すると(1)ドラフト指名権を失うことと、(2)高額になると予想される年俸となります。

そしてトレードではマリナーズは(1)交換要員を用意する必要がありますし、獲得する選手によっては(2)大きな年俸負担が増える可能性もあります。

これらのポイントをベースにボブ・ダットンは、分析しています。

交換要員については、マリナーズはマイケル・ソーンダースとショートを守るブラッド・ミラーとクリス・テイラーのどちらか1人を売りに出していて、層が厚くなってきたブルペンの投手も候補となるだろうとしています。

さらに他チームの幹部が、マリナーズは先発投手の交渉に応じる姿勢を見せていると、語っていることも伝えています。

その先発投手の中でも、大きな関心を集めているのが岩隈久志とタイファン・ウォーカーで、場合によっては2014年にメジャーデビューを果たしたロエニス・エリアス(防3.85/10勝12敗/WHIP1.31)、プロスペクトのダニー・ハルツェンも候補となるかもしれないとのことです。

ただ、マリナーズはジェームズ・パクストンに関しては手放したくないと考えているようだと付け加えています。

これらの先発投手の中でも一番可能性が高いのは岩隈久志だとボブ・ダットンは予想しています。

岩隈久志は3年間で防御率3.07/38勝20敗と良い数字を残しているが、(1)契約期間は残り1年。契約延長は可能だと考えられるが、(2)2015年4月で34歳になる。

その一方でタイファン・ウォーカーは(1)22歳と若く、ポテンシャルがにじみ出ている。さらに(2)年俸調停まで2年、FAまで6年も残っている。

このような状況を比較した時に、契約期間が残り1年のジャスティン・アップトン、ヨエニス・セスペデスのためにウォーカーを放出することは考えにくく、他球団にとって魅力的で、かつマリナーズの長期的なメリットを考えると岩隈久志の可能性が高いようだと予測しているようです。

この交換要員については他のメディアも注目していて、CBSスポーツのジョン・ヘイマンは、マリナーズはタイファン・ウォーカーとジェームズ・パクストンはアンタッチャブルで、岩隈久志もそれに近い状態だとしています。

ただ、ジョン・ヘイマンは、マリナーズは、「動かす予定はない」とメディアに語りながら、交渉では名前を出しているとして、可能性はゼロではないとも付け加えています。

そのため岩隈久志のトレードも可能性があるようです。

マリナーズの5人の獲得候補についての分析

ボブ・ダットンは獲得候補5人の長所・短所、そして獲得する上での障害について、詳細に分析しています。

選手名 長所・短所などのコメント
ヨエニス・セスペデス 3年間で71本塁打・長打率.464を記録していて、FAとなるまでの残り1年の契約は1050万ドルとリーズナブル。その一方で基本的にレフトがポジションで、ライトを守っていないため、獲得した場合にはダスティン・アクリーかセスペデスのどちらかがライトにいく必要があるが、それは好ましい選択肢ではない。
ネルソン・クルーズ 獲得するとドラフト指名権を失う(1巡目全体19番目)。オリオールズから3年契約の提示を受けているので、競り勝つには4年6000万ドル以上は必要と予想され、しかも年齢は34歳(4年契約の最終年は開幕時37歳、7月で38歳)。昨年は1年700万ドル+1年900万ドルのオプションで合意したが、オーナー側がPEDを理由に承認せず破談になっていることが障害になる可能性がある。
エバン・ガティス 実績では他の選手に劣るが最も興味深い候補。28歳と若く、2年間で43本塁打で長打率.487を記録。この数字を捕手で残しているが、外野に専念すれば大きく数字を伸ばすと予想されている。年俸調停まで1年、FAまで4年と長くチームがコントロールできることがメリット。ただ、支払うべき代償は当然高くなり、ウォーカーを出す必要に迫られると予想される。
マット・ケンプ マリナーズが長く追っている選手で、リストのトップになっていると考える関係者もいる。30歳で契約によりあと5年はチームがコントロールできる。そして獲得してもドラフト指名権を失わない。2014年にライトを59試合守っていて、マリナーズが埋めたいポジションを守れる。ネガティブな点は2014年は150試合に出たが、2012-13年は故障がちだったこと。5年で1億700万ドルの巨額契約が残っている。ただ、交換要員次第でドジャースが負担するので軽減されるし、最近のFA市場を考えれば、法外なものではなくなっている。
ジャスティン・アップトン 29本塁打・102打点でシルバースラッガー賞を獲得している。レフトを最近は守っているが、キャリアの序盤にはライトも守っていた。FAまでの1年間の年俸は1450万ドル。2013年1月にはウォーカを交換要員としてトレード合意したが、アップトンが拒否権を行使して破談になった。しかし、最新の拒否権ではカブス、インディアンス、ブルワーズ、ブルージェイズの4球団の設定で、マリナーズは対象から外れている。問題はブレーブスの要求が高いこと。ジェイソン・ヘイワード以上の代償(シェルビー・ミラー+プロスペクト)を求めている。

カノとシーガーの間を打つ右打者を見つけることは2015年の重要な課題

上記の5人がマリナーズの有力な獲得候補であることは、地元メディアと全米メディアの一致した見解と言えます。

トレードでの獲得となると、契約の残り年数がある選手にはウォーカー、エリアスらの若い選手やハルツェンのようにプロスペクトが成立のために必要な痛みとなりそうです。

また残契約がヨエニス・セスペデスのように残り1年となると、岩隈久志が交換要員となる可能性もあるようです。

ただ、その場合にはFAやトレードで良い投手を獲得しない限り、ジェームズ・パクストンをNo.2に据えることになります。ポテンシャルは感じさせるものの、1年を通じて投げたことのないパクストンにその重責を担わせるのはリスクが高いため、そのあたりの判断は難しいものとなりそうです。

ビクター・マルティネスが4年6800万ドル(年平均1700万ドル)でタイガースと再契約をしましたが、マリナーズはかなり積極的で、それと同等か、場合によってはそれ以上の金額を提示した可能性もあります。

4年8800万ドル(年平均2200万ドル)でレッドソックスと合意したハンリー・ラミレスの争奪戦では、一時リードをしていたと報じられていましたので、それなりの金額を積んでいたと考えられます。

このように資金面でも準備ができていると考えられるため、マット・ケンプの5年1億700万ドル(年平均2140万ドル)も、一部をドジャースが負担することを考えれば、資金面でも折り合いをつけることはできそうです。

ロビンソン・カノとカイル・シーガーの間を誰が打つことになるのかは、2015年のマリナーズにとって重要な問題のため、ウィンター・ミーティング前後までの期間は重要なものとなりそうです。