ライアン・ハワードのトレード先は?CBSスポーツ名物記者が8チームを候補としてピックアップ

チームが再建モードに入っていることもあり、いつトレードの引き金を引くのかに注目が集まるフィラデルフィア・フィリーズです。

多くのトレード候補となる選手を抱えているフィリーズですが、その中でもシーズン序盤の好成績で、シーズンオフよりも注目を集めているのがライアン・ハワードです。

そのライアン・ハワードのトレード移籍先として考えられる8つの球団を、CBSスポーツの名物記者であるジョン・ヘイマン(Jon Heyman)が”Inside Baseball: Eight possible spots for Ryan Howard, and more notes”というタイトルの記事でピックアップしています。

スポンサーリンク

CBSスポーツの名物記者が予想するライアン・ハワードの移籍先は?

シーズンオフの時点でライアン・ハワードの残り契約は6000万ドルだったのですが、そのうちフィリーズは3500万ドルは負担しても良いというスタンスだったとヘイマンは伝えた上で、現時点では5500万ドルまで減っているため、もしフィリーズが同様の金額を負担してくれるなら獲得するチームは2年2000万ドル、つまり1年1000万ドルで済むのはバーゲンだと述べます。

そしてライアン・ハワードはトレード拒否権を有しているものの20球団で、9球団はその拒否権から除外する設定を毎年しています。

その9球団はアメリカンリーグで、そのうちロイヤルズ、レイズ、オリオールズがトレード拒否権の対象外になっているとヘイマン記者は伝えます。つまりハワードはそれらの球団には移籍しても構わないと考えていることになります。

ヘイマンはそれらの球団を除外した理由として、ロイヤルズが本拠地とするカンザスシティでは息子が学校に通い、レイズが本拠地とするフロリダにはハワードが家を建て、ボルティモアは彼が愛するフィラデルフィアから1時間あまりで移動できる距離であることなどを挙げています。

ただ、問題なのは5月2日の時点で10&5ルール(メジャー在籍10年以上直近5年間現所属チームにいた選手に与えられるトレード拒否権)により、全球団へのトレードを拒否権を手にしていることです。

ハワード自身はフィラデルフィアを愛していて離れたがらないのではないかとの懸念があるものの、フィリーズ関係者はトレード成立において、彼のトレード拒否権が問題になることはないだろうとの見通しを持っていることを伝えています。

そしてヘイマン記者は具体的にトレード先になる可能性があるとチームとしてカージナルス、レイズ、オリオールズ、エンゼルス、タイガース、アストロズ、マリナーズ、ロイヤルズの8球団をあげ、それぞれその理由を説明しています。

カージナルス:一塁手のマット・アダムスが負傷により3-4ヶ月の離脱。マット・アダムスはOPS.656と悪かったため、チームはパニックになる状況ではないものの、セントルイスはハワードのホームタウンということもあり候補の1つに。

レイズ:シーズンオフにジョン・ジェイソを獲得するまではハワードに興味を示していた。ハワードがフロリダに家を所有している。さらにレイズの一塁手全体のOPSが.694と低い上に、そこをポジションとするジェームズ・ローニーが離脱している。ただ、ハワードの年俸を大きく負担し1年1000万ドルになったとしてもレイズにはやや高い金額であることがネックになる可能性。

オリオールズ:クリス・デービス、スティーブ・ピアースがいるもののネルソン・クルーズの穴を埋めきれてはいないが、大きな穴でもない。そしてオリオールズのオーナーは大金を使うタイプではない。

エンゼルス:エンゼルスとの話し合いでハワードの名前が出た形跡はない。プホルスとハワードが同じクラブハウスにいるものは興味深いものととなるが、エンゼルスは多くのポジションをカバーでき、しかもレフトも守れる選手を探している。ただ、DHのOPSは.568と低いため、ハワードの獲得は戦力アップにつながると考えられるため。

タイガース:ビクター・マルティネスの故障者リストからの復帰をまずは待っている状態だが、現在のタイガースのDHで出場した選手の長打率は.296と低迷。

アストロズ:クリス・カーターの三振かホームランというアプローチがうまくいっていない。もう少しチャンスが与えられると予想されるが、もしダメでもマイナーにジョン・シングルトンという代役候補がいる。

マリナーズ:優勝争いをすると見られていたが、ネルソン・クルーズを除いて打線が低迷している。一塁手の打点合計が15点はリーグ最低の数字に。

ロイヤルズ:ケンドリス・モラレスと2年1700万ドルで合意するまではハワードに関心を示していた。ただ、ケンドリス・モラレスが好調(打率.309/本塁打6/打点37/出塁率.367/長打率.492)なため、候補からは外れそうだ。

以上のような分析をジョン・ヘイマン記者しています。

8チームの名前は挙げられているものの実現性は?

ジョン・ヘイマンが挙げた8球団は候補ではあるものの、まだ5月を終えたばかりということもあり、ハワードを絶対に必要とするほど追い込まれてもいません。

カージナルスは一塁手として、三振が多いものの長打力はあるマーク・レイノルズ(打率.252/出塁率.319/長打率.404)がいます。チームの状態が良いこともあり、レイノルズをフルで起用した場合にどれだけのパフォーマンスを見せるかを確認する猶予もあるため、焦って補強に動くような状態ではありません。

ロイヤルズとタイガースは、ともにパニックになるような状況でもありませんし、ロイヤルズはモラレスと2016年まで、タイガースはビクター・マルティネスと2018年まで契約が残っていますので、ハワードの獲得は選手のだぶつきにもつながるため、積極的に動くとは想像しにくいものがあります。

オリオールズは予算に制約の多いチームで、シーズン途中に高額年俸の選手を獲得できるほどの余裕があるかは疑問で、内部でのオプションを駆使する、または小規模のトレードでつなぐなどの方向性になる可能性が高いと予想されます。

レイズに関しては戦力的にハワードは必要とするパワーヒッターではあるものの、一塁手のジェームズ・ローニーの契約が2016年(966万ドル)まで残っている上に、シーズンオフの一連のトレードが年俸総額の抑制も目的であったことを考えると、2年2000万ドルであっても負担できるかは微妙なところです。

アストロズは打線全体のパフォーマンスは悪くありませんし、元々補強ポイントとされてきた先発ローテからスコット・フェルドマンが長期離脱することになりましたので、補強ポイントはどちらかと言えば投手です。予算にも制限がありますので、ハワード獲得の余裕があるかどうかも疑問符がつきます。

また実際にはアストロズはアーロン・ハラングなど先発投手についてフィリーズと話し合っているとの情報もありますので、なおさら一塁手・指名打者の補強の優先順位は低いと予想されます。

マリナーズは得点180が26位、打率.237が28位、出塁率.297が27位と打撃陣が低迷し、ネルソン・クルーズが加入していなければ大きく負け越していても不思議ではない状態です。そのため打何かしらの打線のてこ入れが必要なのですが、ファーストの他にも、センター、レフト、ショートと補強ポイントは他にも多くあり、そこまでの動きができるかは微妙です。

この8チームの中では、一番可能性があるのはエンゼルスではないかと思われます。

エンゼルスはハウィー・ケンドリックをトレード出した際に、ジョシュ・ハミルトンがバウンスバックすることと、レイズからトレードで獲得したマット・ジョイスらで穴埋めできると考えていたようですが、ハミルトンはチームを去り、ジョイスは打率.180/出塁率.231/長打率.295と低迷しています。

ハミルトンとジョイスがカバーすると踏んでいたレフトが弱いため、こちらも補強ポイントであることは間違いないのですが、得点189が両リーグ21位、打率.237が27位、出塁率.294が28位、長打率.370が25位と全体的な底上げも必要としています。

ハミルトンを放出したことで予算的にも余裕が生まれましたので、ハワードの1年1000万ドル程度は吸収できそうです。ただ、エンゼルスの問題はプロスペクトの層が薄く、フィリーズが大幅に年俸を負担することに応じるような交換要員を用意できるかどうかと言う点です。

ただ、昨シーズンもヒューストン・ストリートの獲得のために少ないプロスペクトを放出して、地区優勝につなげていますので、打線の低迷が続くようであれば動く可能性はありそうです。

ライアン・ハワードのトレード市場での価値が高まっているとは考えられるのですが、フィリーズが望むようなプロスペクトを放出してまで、ライアン・ハワードを必要とするチームが見当たらないとも考えられます。

今までのアマロGMのやり方も含めて考えると、メディアからの注目を集めているものの意外と難航しそうな気もするライアン・ハワードのトレードです。ただ、優勝を争っているチームの主砲クラスの一塁手が故障した場合には、一気に情勢も変わります。

ライアン・ハワードが全球団へのトレード拒否権も有していますので、フィリーズが相手を見つけるだけでは成立せず、本人の承諾が必要となります。ハワードが敢えてフィリーズに残ることを選択する可能性もあるため、本人の選択も含めて、最終的にどのようなかたちに落ち着くのか注目したていきたいと思います。