【MLB2014新人王候補】デリン・ベタンセス(ニューヨーク・ヤンキース)のシーズン成績と投球内容

ニューヨーク・ヤンキースの2014年の新人として、まず注目を集めたのが田中将大でしたが、シーズンが開幕後も防御率2.77/13勝5敗/奪三振141/WHIP1.06という成績を残して、チームに貢献しました。

しかし、年間を通じての活躍、貢献度となると同じく新人王の資格を持つ、セットアッパーのデリン・ベタンセスには劣るかもしれません。

2014年のデリン・ベタンセスは70試合90.0回で防御率1.40/奪三振135/WHIP0.78という成績で、デビッド・ロバートソンがクローザーに配置転換となったことによるセットアップの穴を、補って余りある活躍をみせました。

そしてデビッド・ロバートソンのFAによる流出の可能性があるこのオフでは、来年の開幕時にはクローザーとなることも予想されているデリン・ベタンセスです。

そのデリン・ベタンセスの2014年の成績、投球内容、球種、そして通算成績などをこのページではまとめています。

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MLBトップクラスの三振を奪う力を持つデリン・ベタンセス

デリン・ベタンセスは2006年ドラフトの8巡目全体254番目の指名でニューヨーク・ヤンキースに指名されてプロ入りし、メジャーデビューは2011年9月となっています。

そのデリン・ベタンセスの年度別成績は以下のとおりとなっています。

Dellin Betances Career Stats(2011-2014)

2011年に1試合だけ先発していますが、それ以外は全てリリーフでの登板となっています。

2011年は2試合2.2回で防御率6.75、2013年は6試合5.0回で防御率10.80と結果を残せていませんが、2014年に大きくブレークしました。

90イニングで三振を135個奪うなど、三振を奪う高い能力を持ち、2014年の奪三振率13.50は、MLB全体の20イニング以上を投げた投手の中で7番目となる高い数字です。

また年間を通じての被打率は.149と低く、MLB全体の60イニング以上を投げた投手の中では、アトランタ・ブレーブスのクレイグ・キンブレルの.142に次ぐ2番目の低さで、2014年のデリン・ベタンセスはMLB屈指のヒットを許さない投手でした。

70試合90イニングもパフォーマンスが落ちなかったタフさ

続いてデリン・ベタンセスの月別成績は以下のとおりとなっています。

Dellin Betances Monthly Stats(2014)

1番成績が悪かった月が開幕当初の4月で、それでも防御率2.03/WHIP0.98となっています。それ以外の月は防御率1点台ばかりで、シーズン終盤の9月には10試合10.0回で防御率0.90/奪三振15/WHIP0.90/奪三振率13.50/被打率.167と圧巻の数字を残しています。

他にも6月には月間被打率が.105、4月の月間奪三振率が15.53、そして8月は16.1回で25個の三振を奪う一方で与四球はわずかに1個でK/BBは25.00など、素晴らしい数字がその他の月にも残っています。

これらの数字を見ればデリン・ベタンセスが、シーズンを通じて相手打線を完全に牛耳っていたことは明らかです。

ヤンキースのチーム事情もあり、敗色濃厚の試合でも登板するなど、酷使と言えるような起用法もあったため、リリーフとしての投球回数90イニングは、メッツのカルロス・トーレスの72試合92イニングに次ぐMLB全体で2番目の多さとなっています。

そのためシーズン途中には、一部の地元メディアから、「ベタンセスはMLBで初のフルシーズンとなのに、最後まで持つのか?」との懸念の声があがりました。

しかし、その声が消え失せてしまうようなタフさと、レベルの高いパフォーマンスをシーズン終盤まで見せたデリン・ベタンセスです。

デリン・ベタンセスの2014年の球種内訳と球速など投球スタイルについて

デリン・ベタンセスの球種はBrooks Baseballによると、フォーシーム、カーブ、シンカーとなっていますが、Fan Graphsの集計によるPitch FXのデータではフォーシーム、カーブ(ナックルカーブ)、カッターとなっています。

カーブについてもナックルカーブであるという見解や本人はスラーブと述べているなど、完全には整理されていませんが、ここでは便宜上カーブとしてまとめています。

さらにシンカーは投げていないという見解もあれば、カッターを投げていないという分析もあるのですが、今回はBrooks Baseballのデータを元に集計しています。

デリン・ベタンセスの球種別の最速・平均球速、投球に占める割合、三振に占める割合、被打率、スイングの結果などのスタッツは以下のとおりとなっています。

Dellin Betances Pitch Type(2014)

フォーシームとカーブ以外に投げているのはシンカーか?カッターか?それともチェンジアップか?という問題は、今後の解決を待つとしますが、Brooks BaseballとFan Graphsの集計で共通するのはフォーシームとカーブが投球の9割を占めているということです。

デリン・ベタンセスのフォーシームは投球の52.1%を占めていて、最速101.1マイル(163キロ)、平均97.6マイル(157キロ)とかなり高速で、被打率は.233となっています。

このフォーシームは被打率からもわかる通り、強力なボールなのですが、それをはるかに上回る圧倒的な力を発揮しているのがカーブ(ナックルカーブ/スラーブ)です。

投球に占める割合は47.3%ですが、奪三振の81.5%がカーブによるもので、さらにカーブを投げた際の、打者のスイングの結果は50.9%が空振りとなるなど、かなり強力です。

さらにパットに当ってファアゾーンに飛ぶ確率は23.0%と低い上に、そのうちの52.9%がゴロになってしまいます。そのためデリン・ベタンセスのカーブの被打率は.075という、とてつもない数字をたたき出しています。

先発とリリーフの違いはあるにせよ、わかっていても打てないと評されている田中将大のスプリットの被打率.157、クリス・セールのスライダーの被打率.138、クレイトン・カーショウのカーブの被打率.136、コーリー・クルーバーのスライダーの被打率.123、フェリックス・ヘルナンデスのチェンジアップの被打率.113を大きく上回っています。

このMLB屈指の投手たち最高の球種よりも被打率が低いのが、デリン・ベタンセスのカーブということになりますので、正にMLB屈指の魔球と呼んでも差し支えないのではないでしょうか。

デビッド・ロバートソンのFA流出の可能性がある状況ですが、さほどヤンキースが慌てていないのは、デリン・ベタンセスの存在が理由だとされています。

地元メディアは、「マリアノ・リベラの若い時と同様の、打者を完全に封じ込めることのできる圧倒的な力を見せている」と評するなど、いつでもクローザーとして通用すると見られているデリン・ベタンセスです。

来季の役割がセットアップなのか、クローザーなのかは、このオフの補強動向次第となりますが、デリン・ベタンセスの圧倒的な力がヤンキースの巻き返しに欠かすことができないことだけは間違いなさそうです。