2014年シーズン中にレッドソックスからトレードで移籍した選手のその後は?その移籍前後の成績から透けて見えてくる課題

2014年シーズンのトレード期限前の動きで話題をさらったのは、買い手ではアスレチックスとタイガース、そして売り手ではレッドソックスとレイズでした。

その中でも、レッドソックスがトレード期限前に成立させたトレードは、インパクトがあるものが複数ありました。

その7月のトレード期限前に、レッドソックスからトレード移籍した投手は、ジョン・レスター、ジョン・ラッキー、ジェイク・ピービ、アンドリュー・ミラー、フェリックス・ドゥブロンなどがいます。

それらの投手の移籍前と移籍後の成績などを見ながら、そのトレードの成否やレッドソックスの課題について検討していきます。

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2014年にレッドソックスからトレード移籍した投手の一覧

2014年シーズン中のトレードでレッドソックスから他球団にトレードされた主な投手のリストは以下のとおりとなっています。そしてその投手毎に移籍前後の成績を比較しています。

1. ジョン・レスター(アスレチックス)

話題をさらったトレードの1つとなったアスレチックスへのジョン・レスターのトレードでした。アスレチックスのチーム自体は、故障者続出したため攻撃力が低下し、勢いを失いましたが、レスター自身の成績はどうなのかが気になるところです。

そのレスターの移籍前と移籍後の成績は以下のとおりとなっています。

  • 移籍前:21試合143.0回/防御率2.52/10勝7敗/奪三振149/WHIP1.12
  • 移籍後:9試合62.2回/防御率2.30/5勝3敗/奪三振57/WHIP1.07

数字は若干向上している程度ですが、元々の成績が素晴らしく、そこからさらに向上している状態です。そのためレスターは、期待通りの投球を見せていると言えます。

またワイルドカードを争う重要なマリナーズ3連戦との最終戦(9/14)では6回無失点の好投で、マリナーズを突き放す大きな役割を果たしました。

レスターの存在はレギュラーシーズンを勝ち抜くためにもアスレチックスにとって貴重ですが、プレーオフではさらにその価値が増すと考えられます。

ワイルドカードゲームに進んだ場合には、1試合での決着となりますので、どのチームもエース投手を先発させます。ワイルドカードを争っているチームはタイガース、ロイヤルズ、マリナーズが相手となっていますが、それらのチームに絶対的なエースがいます。

タイガースはマックス・シャーザー、ロイヤルズはジェームズ・シールズ、マリナーズはフェリックス・ヘルナンデスと経験と実績もあるエースがいます。

その一方で、レスターの移籍前のアスレチックスは、経験の少ないソニー・グレイ、やや不安の残るスコット・カズミアー、もしくは好投するものの勝ち切れないジャフ・サマージャの3人から選ぶ状態でした。

ですが、ポストシーズン13試合(先発11試合)で防御率2.11/WHIP1.04の実績と経験のあるジョン・レスターがいることは、アスレチックスにとって、非常に心強いものとなっています。

シーズン前半のような打線の得点力が期待できないチーム状況のため、残りのレギュラーシーズンでも、そして勝ち残った場合のワイルドカードをはじめとするポストシーズンでも、ジョン・レスターの存在感は増していきそうです。

2. アンドリュー・ミラー(オリオールズ)

アンドリュー・ミラーはトレード期限前に一旦は、ブルペンの補強に動いてたタイガースに決まりかけました。しかし、同じくブルペンの補強に必死だったオリオールズが評価の高いプロスペクトを交換要員としたことで、逆転でトレード成立にこぎつけたと伝えられています。

そのアンドリュー・ミラーはオリオールズやタイガースの他にも多くの球団が打診した投手で、非常に高い評価をトレード期限時点では受けていました。そのミラーの移籍前後の成績の比較は以下のとおりとなっています。

  • 移籍前:50試合42.1回/防御率2.34/奪三振69/WHIP0.90
  • 移籍後:18試合16.2回/防御率1.08/奪三振28/WHIP0.60

移籍前の防御率2.34/WHIP0.90も素晴らしい数字ですが、そこからさらに向上して防御率1.08/WHIP0.60となっている上に、奪三振率は15.12と圧倒的な投球内容です。

このアンドリュー・ミラーの存在感は大きく、7月終了時点ではア・リーグ東地区2位のブルージェイズに2.5ゲーム差でしたが、9月14日終了時点で11.5ゲーム差まで広げて独走状態となるのに一役買いました。

そのためこのオリオールズが行ったトレードは、インパクトのあるもので、成功だったとの評価が多くなっています。

そしてシーズン終了後にFAとなるアンドリュー・ミラーへの評価は高まるばかりで、FA市場では3年契約で2000万ドルは越えるだろうとの見方があり、リリーフ投手として、トップクラスの評価を受けることになりそうです。

3. ジェイク・ピービ(ジャイアンツ)

レッドソックスでは大きく負け越し、チームの低迷の一因ともなっていたジェイク・ピービでしたが、その移籍前後の成績は以下のとおりとなっています。

  • 移籍前:20試合124.0回/防御率4.72/1勝9敗/奪三振100/WHIP1.43
  • 移籍後:9試合59.0回/防御率2.29/5勝4敗/奪三振47/WHIP1.08

移籍直後の3試合は18.2回で自責点10の防御率4.28も、最近の6試合位は40.1回で自責点5の防御率1.11と素晴らしい投球を続けています。

また7回を投げきった試合が5試合もあるなどブルペンを休ませことでも一役を買っています。

そして数字以上の好影響もチームにもたらしていて、ナ・リーグMVP候補のハンター・ペンスやバスター・ポージーなども、ピービの発言力とそのポジティブな影響を絶賛しているとボストン・グローブのNick Cafardoが伝えています。

そのNick Cafardoによると、ジェイク・ピービは、トレード期限前の成績が悪かったため、トレードの打診は少なく、ジャイアンツの他にはローテのバックアップとしてエンゼルスが興味を示した程度だったとしています。

しかし、ジャイアンツはスカウティングを行った結果、戦力になると踏んで、プロスペクトを放出してジェイク・ピービを獲得したとのことです。

そのため、Nick Cafardoは、この獲得はジャイアンツのブライアン・セイビアンGMとスカウティング部門の素晴らしい仕事によるものだと評価しています。

4. フェリックス・ドゥブロン(カブス)

  • 移籍前:17試合(先発10)59.1回/2 勝4敗/防御率6.07/WHIP1.60
  • 移籍後:3試合(先発3)防御率1.50/2勝1敗/WHIP1.11

防御率は4点台も2012年と2013年に連続で11勝をあげるなど、成長が期待されていたフェリックス・ドゥブロンですが、2014年はチャンスを与えられたものの十分に活かしきれず防御率6.07と低迷しました。

そのドゥブロンは7月30日にカブスにトレードとなりました。その後、故障者リストにはいるなどMLBのマウンドにたつまでは1ヶ月を要しましたが、復帰後の3試合では、好投しています。

カブスは詳細なスタッツによって分析し、安い値段で活躍見込めるMLBレベルの投手を獲得し、それらの投手を再生させることに長けています。特にア・リーグからそのような投手を連れてきてナ・リーグで活躍させるケースが多く、スコット・フェルドマン、ジェイソン・ハメル、ジェイク・アリエッタなどがその例です。

そのようなカブスが、防御率6.07と低迷している状況のフェリックス・ドゥブロンをあえて獲得していることから見ても、少し手を加えれば、活躍が見込めると踏んでいたと考えられます。

元々、ドゥブロンは二桁を勝つ力は持っている投手ではありましたので、チーム再建中のカブスで、その才能を花咲かせることになるかもしれません。

5. ジョン・ラッキー(カージナルス)

トレード移籍前にはレスターに次ぐ安定感を見せていたジョン・ラッキーでしたが、移籍後は数字を落としています。移籍前後の成績は以下のとおりとなっています。

  • 移籍前:21試合137.1回/防御率3.60/11勝7敗/奪三振116/WHIP1.23
  • 移籍後:8試合46.1回/防御率5.05/2勝2敗/奪三振35/WHIP1.49

急激に成績が落ちてしまい、アレン・クレイグを放出してまで獲得に踏み切ったカージナルスの期待を裏切る結果となっています。

この不調の原因は本人が明らかにした内容によると、腕に力が入らない”デッド・アーム”の状態に陥っているため、とのことです。

デッド・アームの状態では球速、制球力、キレの全てが低下するため、相手打線に容易につかまり、失点が増えざるを得ませんでした。

さらには9月10日の試合では、ストライクゾーンについて主審と口論になり3イニングの途中で退場を食らうなど、優勝争いをするチームに移籍したベテランとは思えない行動もあり、チームに余計な負荷をかけてしまいました。

そのためカージナルズはシーズン終盤の重要な時期ではありますが、ジョン・ラッキーの先発を一度飛ばして、休養を与えることを明らかにしています。

レッドソックスからシーズン中にトレード移籍した投手では、ラッキー以外は、成績が向上しているという状況ですが、レスターに次いで活躍が見こまれていたジョン・ラッキーの不調は、カージナルスにとって大きな誤算となっています。

レッドソックスから移籍した後の投手が活躍することで垣間見られるもの

レッドソックスから移籍した投手が活躍する姿を見るにつれて、このような働きを、なぜレッドソックスではできなかったのか?という疑問は残ります。

そして、それらの選手がいなくなることによって、空いたスポットで起用されている若い先発投手が、結果を出せずに苦しむ姿を頻繁に目にするについれて、レッドソックスはなぜプロスペクトのほとんどが評価に応じた活躍ができないのか?という疑問も湧いてきます。

移籍した選手が成績を向上させているのは、リーグが変わったこと、チームメイトが変わったことが理由でもあります。

しかし、これらの事実を目の当たりにすると、ロースタの構成を含めたチーム編成などで、選手が十分に力を発揮しきれなくさせてしまった内部の方針などにも問題があったのではないかと考えられます。

ボストン・グローブのNick Cafardoは、「レッドソックスはマイナーで活躍し高く評価されていた選手を、メジャーレベルでうまく成功させることができていないという問題がある」と指摘しています。

野手では、イグザンダー・ボガーツ、ジャッキー・ブラッドリーjr.、ウィル・ミドルブルックス。投手ではブランドン・ワークマン、アレン・ウェブスター、アンソニー・ラナウド、そしてルビー・デラロサと、首脳陣は我慢強く、期待される若い選手を起用して、チャンスを与え続けているのですが、うまく花開いていません。

この問題についてはレッドソックスの幹部も認識していて、マイナーで成功した選手たちをMLBでも活躍できるようにするための策について検討していることが報じられています。

レッドソックスが2014年シーズン終了後にFAで経験のある選手を獲得しようとしているのも、若手をうまく成長させるための策の1つのようです。

プロスペクトを多く抱えていて、素晴らしいファームシステムだとの評価があったレッドソックスですが、2014年はそれらの選手をMLBでうまく機能させることに四苦八苦してしまいました。

レッドソックスの首脳陣が、このような課題と問題を克服するために、どのような補強とロースター編成を行うのかは、このシーズンオフの興味深いポイントとなりそうです。

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