打線には好不調の波があるものの得点力に大きな不安はないレッドソックスですが、投手陣に関しては先発ローテ、ブルペンともに不安を抱えています。
ブルペンの補強には積極的に動き、シーズン開幕前にはクレイグ・キンブレル、カーソン・スミスらを獲得し、上原浩治、田澤純一らとともに万全の態勢を整えたかのように思われました。
しかし、クレイグ・キンブレルは膝の故障で離脱し、カーソン・スミスは今季絶望、上原浩治は右胸の故障で今季中の復帰が危うく、田澤純一も肩の筋肉疲労で離脱するなど、シーズン終盤に向けて不安が残る状態です。
すでにダイヤモンドバックスからクローザーを務めていたブラッド・ジーグラーを獲得しているレッドソックスですが、さらなる補強に動いたようです。
FanRag Sportsのジョン・ヘイマン氏が以下のようにツイートしています。
sources: fernando abad traded to red sox, pending medicals
— Jon Heyman (@JonHeyman) 2016年8月1日
関係者からの情報としてレッドソックスがツインズからフェルナンド・エイバットをトレードで獲得することが合意し、メディカルチェック後に正式なものとなることを伝えています。
フェルナンド・エイバットはリリーフ左腕投手ですが、年齢は30歳なのですが現在は年俸調停2年目で、2017年シーズン終了後にFAとなります。
年俸調停2年目ということもあり、年俸は125万ドルと格安なのですが、今季は39試合34.0イニングで防御率2.65/奪三振29/WHIP1.21という成績を残すなど好調です。
特に左打者に対して圧倒的な成績を残していて、左打者に対する被打率は.163(49打数8安打)、被OBPは.192となっています。
リリーフ投手陣がキンブレル、ジーグラー、上原、田澤と重要なイニングを任せる投手が右腕に偏っているレッドソックスにとって、バランスをとる意味でも価値ある補強となりそうです。
ツインズではセットアップマンという役割ではありませんでしたが、当面はジーグラーの前のセットアップを右の田澤純一と務めることになりそうです。
球種はフォーシーム、ナックルカーブ、チェンジアップ、シンカー、カッターを持っていて、投球の49.4%がフォーシーム、27.4%がナックルカーブ、17.4%がチェンジアップという構成となっています。
そのフェルナンド・エイバットのトレードの獲得にあたり、交換要員となったのがパット・ライトです。
パット・ライトは2012年MLBドラフトで1巡目全体37番目で指名されてプロ入りした25歳の右腕投手です。
ドラフト指名時には先発投手として期待されていたのですが、制球に苦しむ一方で、高い奪三振率と最速で100マイル、平均で95-97マイルという球速を活かすために、2015年からリリーフ投手に転向していました。
昨年は3Aで奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)が9.5と高い一方で、与四球率(9イニングあたりの与四球数)は7.1と非常に乱れたため、防御率5.18に終わりました。
今年は4月と7月にそれぞれ1試合ずつメジャーでチャンスが与えられたものの、2回2/3で自責点7の防御率23.63と炎上して降格し、3Aでの登板が続いていました。
3Aでは奪三振率が10.5と昨年よりも高くなり、与四球率が4.9と改善されたこともあり、25試合31.0回で防御率2.32と結果を残しています。
プロスペクトの層が厚いレッドソックスですが、それでもシーズン中のプロスペクトランキングではベースボール・アメリカがチーム内10位、MLB公式サイトが14位にランクするなど、これからに期待ができる投手ではありました。
ツインズは今季は難しい状況ですが、若い選手をコアとするチーム再建の途上ではあるのですが、来季にも勝負をかけることが濃厚な状態のため、すぐにメジャーで起用でき、数年にわたって期待できるパット・ライトの獲得でトレード合意に達したようです。