レッドソックスにエースはいらない?現時点の先発ローテの編成で開幕する可能性が高まる

Boston Redsox Top Catch

ハンリー・ラミレス、パブロ・サンドバルと打者の大物FAの獲得に成功したものの、ジョン・レスターはカブスに競り負けるかたちで逃してしまったレッドソックスです。

その後、リック・ポーセロ、ウェイド・マイリーをトレードで獲得し、FAのジャスティン・マスターソンと契約をし、先発ローテの厚みを加えて、5人の枠を揃えました。

しかし、エースらしいエースが存在しないことに懸念の声がメディアでは挙がっているのですが、12月20日にベン・チェリントンGMは「エースというものが過剰評価されている」として、「現在の先発ローテで開幕を迎えても構わない」と述べています。

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エース不在の投手陣もフロントの動きと意欲は鈍いまま

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「チャンスを前に目をつぶることはないが、現在、熱心に動いているものはなく、現時点のスタッフで開幕を迎えても良いと考えている」、「現時点からスプリングトレーニングの間に加える必要があるとすれば、それはブルペンだ」と話し、トップクラスのスターターの獲得に関する意欲を見せていません。

地元メディアは、ベン・チェリントンGMのこれらの言葉は表向きのもので、実際にはプランがあるのかもしれないとはするものの、GM本人は、一貫して否定的です。

FAではマックス・シャーザーとジェームズ・シールズ、トレードではコール・ハメルズと1年後にFAとなるジョニー・クエトやジョーダン・ジマーマン、デビッド・プライスなどの名前が、レッドソックスの補強候補としてメディアではあがっています。

しかし、ジョン・レスターにもカブスの1億5000万ドルを下回る1億3500万ドルしか用意していませんので、2億ドルに到達しようかというマックス・シャーザーは、まず候補から外れます。

そしてジェームズ・シールズが契約の最終年が37歳となる5年契約で、1億ドル規模を希望しているとされ、30歳以上の投手に長期の大型契約を提示したくないレッドソックスのラインを超えています。

そしてトレードに関しては、コール・ハメルズ、ジョニー・クエト、ジョーダン・ジマーマン、デビッド・プライスらを獲得するとなると、トップクラスのプロスペクトをパッケージに含める必要があると考えられるのですが、レッドソックスのフロント陣は、そのつもりはないようだと報じられています。

2013年のレッドソックスは先発ローテが不安定なままだった

レッドソックスはワールドシリーズを制した2013年のレギュラーシーズンに得失点差+197を記録しているのですが、その得失点差を生み出したのは強力な打線でした。

本塁打はデビッド・オルティーズの30本塁打がチーム最多でしたが、853得点(1試合平均5.27)、出塁率.349、長打率.446が両リーグ1位で、打率.277が同2位と強力な打線が、防御率3.79が両リーグ14位と平凡な投手陣をカバーしました。

2013年のレッドソックスの主な先発投手の成績は以下のとおりとなっています。

  1. ジョン・レスター 213.1回/防御率3.75/15勝8敗/WHIP1.29
  2. ジョン・ラッキー 189.1回/防御率3.52/10勝13敗/WHIP1.16
  3. ライアン・デンプスター 168.2回/防御率4.64/8勝9敗/WHIP1.45
  4. フェリックス・ドゥブロン 155.2回/防御率3.87/11勝6敗/WHIP1.36
  5. クレイ・バックホルツ 101.8回/防御率1.74/12勝1敗/WHIP1.02
  6. ジェイク・ピービ 64.2回/防御率4.04/4勝1敗/WHIP1.16

これらの数字を並べるとNo.1-2を形成していたジョン・レスターとジョン・ラッキーともに圧倒的な成績とは言えず、フロントスターターとしてはやや物足りない数字で、その上、バックホルツは長期離脱し、デンプスター、ピービも図抜けて良かったわけではありませんでした。

レッドソックスは最終的に地区優勝を果たしたものの、シーズン前半は、ブルペンが不安定なため、もたついていました。

2013年のブルペンの防御率3.70はMLB全体で21位と下位でしたが、シーズン後半に上原浩治がクローザーに収まったことで安定感が増し、オールスター以降のブルペンの防御率は2.45と劇的に改善し、さらにポストシーズンのブルペン陣は防御率1.28と輝きました

先発ローテの防御率はオールスター以降にも防御率4.05と不安定なままでしたが、打線とブルペンが補うかたちで、地区優勝を果たし、ワールドシリーズ制覇を成し遂げています。

これらをまとめると2013年のレッドソックスの優勝は「圧倒的な打線の得点力」「シーズン後半に安定したブルペン陣」が、「MLB全体で中位クラスの先発ローテ」を支えたことによるものだと考えることができます。

このオフの現在のレッドソックスのアプローチはこれに似通ったものと考えられるのではないでしょうか。

2015年も打線の得点力とブルペンで先発ローテをカバーする方針か?

マイク・ナポリとデビッド・オルティーズの中軸に、ハンリー・ラミレス、パブロ・サンドバルを加えることで、得点力がアップすることが期待できる状態になっています。

またキューバのルスネイ・カスティーヨもウィンターリーグでは好成績を残していて、2015年に期待ができる状態となっていますし、イグザンダー・ボガーツは後半に成績を上げ、ムーキー・ベッツも52試合で打率.291/本塁打5/出塁率.368/長打率.444と結果を残し、これらの若い選手がその才能と実力を垣間見せていて、打線全体も厚みが増すことが期待できます。

これらの打線の得点力に、ブルペン陣を厚くすることで、先発投手陣をカバーするという構想を、現状ではレッドソックスは描いているように見受けられます。

ベン・チェリントンGMら球団幹部らは「見直すべきところは見直すが2013年の時のアプローチと大きく変えることはないようだ」と、シーズンオフ当初に地元メディアで報じられていました。

そして2013年のレッドソックス同様に、2014年のジャイアンツとロイヤルズが層の薄い先発ローテを、ブルペンがカバーして勝ち進みましたので、2015年のレッドソックスも、さらにリリーフ陣を強化することで、現在の先発ローテ5人でも勝てると考えている可能性があります。

ただ、ポストシーズンを制して、ワールドシリーズを制覇するところまで考えると、やや不安が残ることは間違いありません。

2014年のジャイアンツとロイヤルズの差は、ポストシーズンに圧倒的な強さを見せた絶対的なエースであるマディソン・バムガーナーの存在にありました。

そして2013年のレッドソックスは、ポストシーズンでジョン・レスターが34.2回で防御率1.56/WHIP0.95、ジョン・ラッキーが26.0回で防御率2.77/WHIP1.19と活躍しています。

そのためエースという存在、ポストシーズンに強い投手がいることは重要だと考えられるのですが、現状のローテ投手のポストシーズンでの成績は、リック・ポーセロが防御率4.41、クレイ・バックホルツが4.21、ジョー・ケリーが3.68、ウェイド・マイリーは経験がなく、2008年と2013年にリリーフとして防御率1.54を記録しているジャスティン・マスターソンが目立つくらいです。

そう考えるとやはりエース格の投手が必要なのではないか?ともなるのですが、残念なことに、補強候補に名前が上がっている投手は、ジョン・レスターのようにポストシーズンに強いわけではありません。

ポストシーズンの成績では、マックス・シャーザーの防御率が3.73、ジェームス・シールズが5.46、コール・ハメルズが3.09、デビッド・プライスが4.50、ジョーダン・ジマーマンが4.26、ジョニー・クエトが5.19となっています。

コール・ハメルズがかろうじて良いと言える数字ですが、マディソン・バムガーナー(防2.14)やジョン・レスター(防2.57)ほどの成績ではありませんので、多大な代償を払うのに不安が残ることは事実で、そのこともエースの獲得の動きを鈍くさせている可能性はありそうです。

エース不在も先発投手陣の層を厚くするアプローチは成功するのかが焦点の1つに

メジャーリーグのエバリュエーターが、リック・ポーセロとウェイド・マイリーはNo.3スターターだと評価しているとESPNが伝えていました。バックホルツも基本的にはNO.3以降の投手で、それはジョー・ケリーも同様です。

ジャスティン・マスターソンはインディアンスではNo.1を務めていましたので、復活すればエースとなる可能性はあるものの不透明で、全体の評価としては、「メジャーの平均的な先発ローテ」とならざるをえません。

ただ、才能を評価されている若い投手がバックアップとして控えているため、投手陣の層は厚くなっていますし、それらの選手がブレイクすれば、現在抱えている問題は解決されます。

インディアンスはジャスティン・マスターソンが不振と故障でエースの座を降りましたが、突然、コーリー・クルーバーがブレイクしてサイヤング賞を獲得していますので、レッドソックスのプロスペクトにも同様の可能性がないわけではありません。

レッドックス幹部は、FAでもトレードでも、現在よりも値段や代償が下がらない限りは、現状のローテ投手とプロスペクトのブレイクにかける方針のようです。

このままエースを補強しなかった場合に、レッドソックスのこのアプローチが吉とでるか凶とでるかは、非常に興味深いものがあり、うまくいった場合には、メジャーの既成概念の1つを壊すことになるかもしれませんので、今後も注目していきたいと思います。