レッドソックスを取り巻く「9つの疑問」 地元メディアがチームの課題を分析

Boston Redsox Top Catch

ボストン・レッドソックスは2年連続で93勝し、ア・リーグ東地区を連覇しました。

そのロースターの大部分が残っている上に、先発ではデビッド・プライスとスティーブン・ライト、リリーフではタイラー・ソンバーグ、カーソン・スミスらがシーズン開幕から戦力になることを考えれば、2018年も「安泰」となるところです。

しかし、伸びしろの大きい若い選手が急速にステップアップし、ジャンカルロ・スタントン、ソニー・グレイがシーズン当初から戦力となるヤンキースがいることにより、地区3連覇のハードルは大きく上がることになりました。

地区3連覇は難しくても、ワイルドカードでポストシーズンに進出できる可能性が高い戦力なのですが、2年連続でディビジョンシリーズ敗退(いずれも1勝3敗)を喫していますので、ワイルドカードゲームの1試合にかけることは望ましいものではありません。

そのレッドソックスが2018年シーズンに向けた課題、疑問についてボストンヘラルドが分析しています。

ボストン・ヘラルド紙のマイケル・シルバーマン氏が“Silverman: A starting 9 of questions surrounding the Red Sox”というタイトルの記事で、レッドソックスの課題や疑問をリストアップしています。

その内容は以下のとおりとなっています。


  1. J.D.マルティネス、もしくは他のパワーヒッターと契約するのか?
  2. 先発ローテは強力な三本柱を形成できるのか?
  3. ムーキー・ベッツはレッドソックスに長くいたいと考えるほどに満足しているのか?
  4. アレックス・コーラ監督は重責を担う準備ができているのか?
  5. リック・ポーセロはエース級の姿を取り戻すことができるのか?
  6. ダスティン・ペドロイアはオールスター級の状態を取り戻すことができるのか?
  7. クリス・セールへの負荷をコントロールできるのか?
  8. ザンダー・ボガーツ、アンドリュー・ベニンテンディ、ラファエル・ディバースの急上昇に期待すべきなのか?
  9. タイラー・ソーンバーグとカーソン・スミスを頼りにすることができるのか?

2017年のレッドソックスは本塁打数がリーグワースト、長打率が下から2番目に終わりましたが、その打線はミッチ・モアランドとの再契約をしたくらいで、シーズン開幕からラファエル・ディバースがいることくらいしか上積みがありません。
このままシーズン開幕を迎えた場合にはファンや地元メディアから非難を浴びることは確実です。

レッドソックスが欲しいのは指名打者を打てる選手のため、J.D.マルティネス以外にも選択肢がないわけではありません。38本塁打を打ったローガン・モリソン、マイク・ムスターカスが残っていますので、ボラス氏が意地を張り続けるのであれば、マルティネスに見切りをつける可能性は否定できません。

2017年の先発ローテはデビッド・プライスがほぼいない状態で、リック・ポーセロは大不振に苦しみました。それでも先発ローテの防御率はリーグ4位と安定した結果を残しています。
本来はクリス・セール、デビッド・プライス、リック・ポーセロというサイヤング賞クラスの投手を3人並べることが強みとなるチームのため、それを2018年に実現できるかは重要なポイントとなります。

ただ、懸念材料としてデビッド・プライスの左腕の問題、エドゥアルド・ロドリゲスとスティーブン・ライトがともに膝の手術を受けていることをシルバーマン氏は指摘します。
これらの選手は良い状態でスプリングトレーニングを迎えることになりそうだと伝えられてはいるものの、そのとおりに健康を維持できるかどうかが重要なポイントとなると予想されています。

<下に続く>

ムーキー・ベッツはレッドソックスにとって攻守に渡り重要な選手となっているのですが、その関係が良好なのかどうかに疑問符がつくことシルバーマン氏は懸念しています。年俸調停権取得前に契約延長を試みるも失敗し、2018年の契約は年俸調停の公聴会まで進むことになりました。
ベッツ側の希望が認められたものの、チームのコアとなる選手をつなぎとめるという点では良くない事実が積み重なっていることが指摘されています。

アレックス・コーラ監督のメジャーの指導者としての経験は、昨年のアストロズでの1年だけでとなっています。しかも2017年はジョン・ファレル監督の下でクラブハウスでも問題が発生していました。

参考記事:ファレル監督解雇では解決できないレッドソックスの問題とは?地元メディアが指摘する来季の課題

クラブハウスの雰囲気や関係を修復することもコーラ監督の使命の一つとなります。人間性とコミュニケーション能力も評価されての監督就任のため、フィールドの指揮以外でも役割を果たせるか注目されるところとなります。

「ジョシュ・ベケットは良い年と悪い年を交互に繰り返すところがあったが、それをリック・ポーセロが引き継いでしまった」と、2017年のパフォーマンスを皮肉交じりに評されています。
不運によって低迷するシーズンもあるのが現実ですが、2017年のポーセルの被本塁打率は9イニングあたり1.68と、リーグで3番目に悪い数字のため、不運で片付けることはできません。
レッドソックスはポーセロの復活を必要としているので、新しい投手コーチのもとで立て直す必要があるとシルバーマン氏は述べています。

ダスティン・ペドロイアがオールスターに出たのは2013年まで遡ることになり、今年の8月35歳となります。しかも、膝にメスを入れたところから2018年は復帰することになります。
健康になったとしても年齢を考えればオールスター級の姿に戻る期待はしにくいのですが、チームは大きな懸念を示していないとシルバーマン氏は述べています。ただ、復帰した時の現実次第では、ペドロイアへの信頼はどうなるかわからないことも言及されています。

クリス・セールはオールスター以降に調子を落としていく傾向があったのですが、それは2017年も同様で、さらにポストシーズンの先発では炎上しました。
シーズン後半は防御率、WHIP、被本塁打、与四球などが悪化し、被打率、被出塁率、被長打率も落ちていますので、10月まで投げきれるように、上手に休養させることが課題となるとシルバーマン氏は指摘しています。

アンドリュー・ベニンテンディは20本塁打、20盗塁、90打点とルーキーとしては素晴らしい成績を残しています。2018年がこれと同様の数字に終わったとしても悪い成績とは言えません。
さらなる上積みとなると大きなステップアップが必要です。
ラファエル・ディバースはベニテンディの半分の打席で13本塁打、OPS.819と好成績を残しました。ただ、フルシーズンをプレーしたことがありません。
若い選手の成長は右肩上がりの直線ではないのが普通のため、これらの選手のステップアップに期待するだけではなく、実績のあるベテラン打者が必要ではないかとシルバーマン氏は述べています。

2017年のレッドソックスのブルペンはタイラー・ソーンバーグが1回もマウンドにたたず、カーソン・スミスが終盤の13試合に登板するにとどまりました。そのようなこともありアディソン・リードをトレードで獲得したのですが、今年はこの2人に期待する編成となっています。

ただ、タイラー・ソーンバーグは肩の手術を受けてからの復帰で、カーソン・スミスはトミー・ジョン手術初のフルシーズンとなります。
もしこの2人が健康であれば昨年リリーフとした頭角を現したジョ・ーケリー、マット・バーンズ、そしてクレイグ・キンブレルともに、チームの大きな強みとなります。

そのためこの2人は”希望”ではあるものの、無事であることを”祈る”ことにもなるとシルバーマン氏は述べています。

レッドソックスは引き続き良いチームであることは間違いありません。仮にヤンキースが下馬評どおりの力を発揮した結果、ワイルドカード争いにまわることになっても、同地区のブルージェイズ、オリオールズ、レイズ、他地区のエンゼルス、マリナーズ、ツインズらとは大きな差があります。

ただ、先発ローテとブルペンは健康面に不安が残り、打線は補強なしには大きな上積みを期待しにくいため、ワールドシリーズ制覇に向けては、不安材料が多いのも事実です。

アストロズはさらに充実し、インディアンスはバランスの良いロースターをキープし、ヤンキースは戦力が整っている上に、伸びしろも大きいチームです。

まだ完成品とは言えないロースターの状況ではありますので、シーズン開幕までどこまで整備できるか、デーブ・ドンブロウスキー社長の決断が注目されます。

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