ハンリー・ラミレスとパブロ・サンドバルという、2015年FAでもトップクラスの野手2名を獲得したレッドソックスですが、これで終わりではありません。
一番の重要な課題とされている先発ローテの補強が、まだ手つかずの状態のため、この問題を解決しないと、打線の補強が無意味なものになってしまうからです。
外野だけでなく内野でも豊富なトレード要員を抱えるレッドソックス
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投手陣は、今のままではバック・ホルツがエース格となり、ジョー・ケリーがNo.2という状況で、3番手以下は蓋を開けてみないとわからない投手ばかりで、経験の浅い若い投手だけの不安な編成になってしまいます。
そのためバック・ホルツとジョー・ケリーを先発ローテの中盤に回せるような、フロントスターターの獲得が重要な補強のポイントとなっています。
ただ、そこで問題となるのが年俸総額です。まだラミレスとサンドバルの契約の内訳が明らかにされていませんので、確定的ではないのですが、この2人の契約を加えると1億7000万ドル(約200億)に達すると見られています。
ぜいたく税のラインが1億9000万ドル(約224億円)と想定するとあまり、余裕が無いととも言えます。2011年からはぜいたく税を払っていないとされるレッドソックスですが、プロビデンスジャーナルのブライアン・マクファーソンは、「ベン・チェリントン(GM)とラリー・ルキーノ(CEO)は、良いプレーヤーであれば、支払うことはいとわないと」と述べていることを伝えています。
そのため、ハンリー・ラミレスとパブロ・サンドバルの獲得によって、先発投手の獲得に関する動きがしぼんでいくことはなさそうで、すでにジョン・レスターには6年1億1000-2000万ドルを提示していますが、そこから金額をさらに積み上げる意志も持っているようです。
ただ、人材が余っている状態の外野手をトレードに出すことができれば、より柔軟な補強ができることは間違いありません。レッドソックスの外野手は以下の様な状況となっています。
- シェーン・ビクトリーノ(1300万ドル)
- ルスネイ・カスティーヨ(1127万ドル)
- ヨエニス・セスペデス(1050万ドル)
- アレン・クレイグ(550万ドル)
- ダニエル・ナバ(年俸調停1年目)
- ムーキー・ベッツ(年俸調停前)
- ジャッキー・ブラッドリー Jr.(年俸調停前)
- ブロック・ホルト(年俸調停前)
様々な報道を見ている限り、レッドソックスは基本的にムーキー・ベッツとルスネイ・カスティーヨは残して、2015年にスターティングメンバーとして使う方向性のようです。
そして獲得したハンリー・ラミレスをレフトに起用することを想定すると、ビクトリーノ、セスペデス、クレイグらは出場するポジションがなくなります。そのためこれらの選手はすべてトレードの交換要員となる可能性がある状況です。
ヨエニス・セスペデスと、外野手で年俸が一番高いビクトリーノをトレードした場合には、合計で2350万ドルを減らすことができ、フロントスターターの年俸分の余裕を生み出すことができます。
またセスペデスやビクトリーノにマイナーのプロスペクトをパッケージにすれば、ブレーブスがヘイワードでシェルビー・ミラーを獲得したようなトレードを成立させることも可能です。
さらにはニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマンが予想するような選択肢もあります。
来季の年俸が1600万ドルのマイク・ナポリをトレードに出して、先発投手を獲得し、アレン・クレイグをファーストにまわす。他には、守備力が高く評価されているプロスペクトのデベン・マレロが昇格するまで、一旦は、ハンリー・ラミレスにショートを守らせて、ボガーツをトレードに出して先発投手を獲得するというような方法です。
またサードをサンドバルに譲ることになった、ウィル・ミドルブルックスもメジャーレベルの三塁手で、打撃でのパワーもいまだ可能性があると評価されていますので、こちらもトレードの交換要員となりえます。
このようにメジャーレベルの選手でもかなり層が厚いのですが、マイナーのプロスペクトも豊富なため、トレードのパターンや選択肢がかなり多くある状態です。
メディアによってトレードの候補として名前が上がっている選手と球団名
メディアによってレッドソックスのトレードの候補として名前が上がっている選手と球団名は以下のとおりとなっています。
チーム名 | 選手名 |
---|---|
フィラデルフィア・フィリーズ | コール・ハメルズ |
サンディエゴ・パドレス | アンドリュー・キャッシュナー イアン・ケネディ |
ワシントン・ナショナルズ/td> | ジョーダン・ジマーマン |
ニューヨーク・メッツ | ジェイコブ・デグロム ディロン・ジー ジョン・ニース |
シアトル・マリナーズ | タイファン・ウォーカー ジェームズ・パクストン 岩隈久志 |
シンシナティ・レッズ | マット・レイトス マイク・リーク |
フィラデルフィア・フィリーズは再建モードに移行し、ロースターを若返らせようとしています。すでにトレードについて話し合いが行われていますし、フィリーズがレッドソックスのプロスペクトを気に入っているとの情報がありますので、プロスペクトのパッケージでトレードが成立する可能性があります。
サンディエゴ・パドレスはサンドバルとキューバからの亡命選手であるヤスマニ・トマスの獲得に動くなど、チェイス・ヘッドリーが抜けた後の三塁と外野が補強のポイントとなっています。イアン・ケネディは2015年シーズン終了後、アンドリュー・キャッシュナーは2016年シーズン終了後にFAとなりますので、トレードに出しやすいタイミングとなっています。
ワシントン・ナショナルズのジョーダン・ジマーマンは2015年シーズン終了後にFAとなるため、良いオファーがあれば応じる可能性があります。ナショナルズはポジションの穴が少ないのですが、控えの外野手と二塁手を必要としています。セカンド、サード、レフト、ライトを守れるブロック・ホルトなどは良い交換要員になりますし、さらにプロスペクトをパッケージすることで成立する可能性があります。
ニューヨーク・メッツはバートロ・コロン、ディロン・ジー、ジョン・ニースなどのベテラン投手に加えて、ジェイコブ・デグロム、ザック・ウィーラーの若い投手に加えて、マット・ハービーが復帰し、さらにノア・シンダーガードやラファエル・モンテロが控えるなど先発投手の層が厚くなっています。そしてマイケル・カダイアーと獲得するなど、2015年に勝負をかけていく方針ですが、懸案事項の遊撃手の問題は未解決です。ボガーツであれば、ベテラン投手だけでなく、ジェイコブ・デグロムや投手のプロスペクトも手に入る可能性があるため、選択肢の1つと考えられています。
シアトル・マリナーズは右打ちの外野手/一塁手/指名打者を補強ポイントとしています。そのためマイク・ナポリやヨエニス・セスペデスなどは魅力的な交換要員となります。ただ、マリナーズが先発ローテの中から岩隈、ウォーカー、パクストンを出すことに応じるかは微妙な情勢です。というのも、チームの方針として1年の勝利のために、長期的にチームのコアとなる選手出さないというものがあるためです。可能性はゼロではないものの、ハードルは高い相手と予想されます。
シンシナティ・レッズは、2015年シーズン終了後に、先発ローテ5人のうち、ジョニー・クエト、マット・レイトス、マイク・リーク、アルフレド・サイモンの4人がFAとなります。本来はすべて引きとめたいところですが、資金面で制約があり、ジョニー・クエトと延長するのが精一杯と見られています。球団幹部はクエトは出さないと述べているものの、他の投手に関しては応じる姿勢とされています。外野手が補強ポイントとなっていますので、レッドソックスがオファーできる選手は魅力的なものとなることは確実です。
次の大型補強はジョン・レスターとコール・ハメルズ?
レッドソックスは野手が余っていますので、補強したい先発投手2人のうち、1人はトレードで獲得し、もう一人をFA市場で見つけることになる可能性が高い状況です。
FAでは、ドラフト指名権の問題がないジョン・レスターが最優先で、それが失敗した場合に、ジェームズ・シールズに本腰をいれることになりそうです。そしてその値段次第で、余裕が残ればバックエンド要員としてジャスティン・マスターソンなども選択肢となりそうです。
レッドソックスのトレードでの補強に関しては、多くのメディアが予想しているのがフィリーズのコール・ハメルズです。ただ、コール・ハメルズに関してはカブスも関心を示している上に、最近はドジャースも接触を始めていると報じられています。
レッドソックス、カブス、ドジャースともに、資金面とプロスペクトの両面で豊富なチームのため、タフな交渉になる可能性があります。
仮にコール・ハメルズが獲得できなくても、レッドソックスの抱えている交換要員の質を考えれば、トレードでそれなりの先発投手を獲得できる見込みは高いため、先発ローテの編成も最終的には計算できるものに落ち着くと予想されます。
ジョン・レスターやジェームズ・シールズとの契約、また大型トレードの成立の可能性がありますので、レッドソックスの情報がオフシーズンの中心となっていきそうです。
ボストン・レッドソックスの2015年予想オーダーや先発ローテなどの最新情報はこちらのページです。