レッドソックスの2016年シーズンのブルペンはクローザーがクレイグ・キンブレルで、その前のセットアップに上原浩治、ブラッド・ジーグラー、田澤純一という編成でした。
その3人がフリーエージェントでチームを去ったこともあり、セットアップができる投手が補強ポイントとなっていたのですが、その補強に成功したようです。
レッドソックスはミルウォーキー・ブルワーズから右腕リリーバーのタイラー・ソーンバーグをトレードで獲得し、交換要員としてトラビス・ショー、マイナーリーガーのMauricio DubonとJosh Penningtonの3人を放出しています。
レッドソックスはジョー・ケリーが先発からブルペンにまわり、カーソン・スミスが2017年シーズン中に復帰する見込みとなっていますが、キンブレルの前を任せることができる投手と、そしてキンブレルが故障した場合のバックアップとなる投手が不在となっていました。
そのためセットアップマンの獲得を目指していましたが、トレードでの補強に成功したことになります。
タイラー・ソーンバーグは28歳の年俸調停権1年目となる右腕投手で、チームが2019年シーズンまでコントールできる投手です。
2016年シーズンは途中まではセットアップを務めていたものの、クローザーを務めていたジェレミー・ジェフレスがレンジャーズに移籍した後は、チームのクローザーを務めています。
成績は67試合で67.0イニングを投げて防御率2.15、奪三振90、WHIP0.94と安定した投球を見せ、奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)は12.1と高い数字を記録しています。
やや与四球率(9イニングあたりの与四球数)は3.1と少ないとは言えないものの、多いとも言えない数字となっています。
持ち球はフォーシームファーストボール、カーブ、チェンジアップの3種類で、フォーシームの最速は98.4マイル、平均で95.2マイルと高速です。
フォーシームでも多くの空振りを奪える投手なのですが、カーブ、チェンジアップともに空振りをしっかりととれるため、高い奪三振率となっています。
セットアップの経験もあり、キンブレが故障離脱した場合の保険ともなるタイラー・ソーンバーグの獲得に成功したレッドソックスは、懸案事項を解決することに成功しました。
クリス・セールとタイラー・ソーンバーグを加えた現時点でのレッドソックスの投手陣の編成を見ていきます。
- クリス・セール(LHP)
- デビッド・プライス(LHP)
- リック・ポーセロ(RHP)
- エドゥアルド・ロドリゲス(LHP)
- ドリュー・ポメランツ(LHP)
- Closer:クレイグ・キンブレル(RHP)
- Setup:タイラー・ソーンバーグ(RHP)
- Setup:ジョー・ケリー(RHP)
- RP:ロビー・ロス・ジュニア(LHP)
- RP:フェルナンド・アバッド(LHP)
- RP:クレイ・バックホルツ(RHP)
- Long RP:スティーブ・ライト(RHP)
クリス・セールとタイラー・ソーンバーグの獲得で投手陣の整備は大方は終わったとみられるレッドソックスです。
デーブ・ドンブロウスキー社長が動きは電光石火で、一旦動き出すと矢継ぎ早に成立させていくため、その動きから目を離すことができません。
またこのことにより上原浩治、田澤純一らがレッドソックスと再契約する可能性は極めて低くなったと考えて間違いありません。