ボストン・レッドソックスのデーブ・ドンブロウスキー社長はやはり一筋縄ではいかない人物でした。
かねてから噂はあったもののなかなか具体化しなかったレッドソックスのクリス・セール獲得ですが、それが実現しました。
レッドソックスが大型トレードで大幅な戦力アップに成功
FOXスポーツのケン・ローゼンタール記者がその第一報を伝えました。
BREAKING: Sale to #RedSox. Moncada, Kopech and two other prospects to #WhiteSox.
— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) 2016年12月6日
その後正式にこのトレードが両球団で発表されています。
Trade is official. Sale to #RedSox.
— Ken Rosenthal (@Ken_Rosenthal) 2016年12月6日
レッドソックスが4人の選手を交換要員としたトレードでクリス・セールを獲得しています。
交換要員となったのはMLB公式サイトのプロスペクトランキングにおいてMLB全体でNO.1評価をうけているヨアン・モンカダ、同ランクで67位と高評価のマイケル・コペック、レッドソックスチーム内でNO.8のルイス・アレックス・バサべ(Luis Alexander Basabe)、No.28のビクトール・ディアスの4人です。
これでレッドソックスの先発ローテはメジャーを代表する左腕であるデビッド・プライス、クリス・セールという強力な2枚看板を筆頭に、サイヤング賞のリック・ポーセロ、エドゥアルド・ロドリゲスとクレイ・バックホルツが4番手、5番手となる強力な布陣となりました。
しかも、先発ローテのバックアップ要員も充実しています。
2016年シーズン中にパドレスからトレードで獲得したドリュー・ポメランツ。
2016年終盤は離脱してしまったものの24試合156.2回を投げて、防御率3.33/13勝6敗の成績を残したナックルボーラーのスティーブン・ライトもいます。
さらに故障者続出でコマが足りなく慣ればブルペンにまわったジョー・ケリーも先発ローテで使うことも想定できる、かなり厚みのある先発ローテーションとなったレッドソックスです。
デトロイト・タイガースGM時代から大物選手の獲得に怯むことなく踏み込み、自チームのトッププロスペクトの放出も辞さないデーブ氏ですが、これまでと同様に大胆に動きました。
クリス・セールにはレンジャーズを含め、多くのチームが関心を示していましたが、要求する選手の質が高く、本気でホワイトソックスがトレードに出すつもりがあるのかと疑いがかかけられるほどでした。
今回のトレードはMLBでNO.1の評価を受けるヨアン・モンカダが交換要員となっていますので、やはりその要求していた額はかなり高かったことがわかります。
ヨアン・モンカダが守るポジションはショート、セカンドがメインで、2016年から本格的にサードに取り組み始めた状態でした。
レッドソックスはショートにイグザンダー・ボガーツ、セカンドにダスティン・ペドロイアがいるため、モンカダのポジションがなかったこともりサードに挑戦していました。
ただ、三塁には2019年まで契約があり、2020年がチームオプションになっているパブロ・サンドバルがいます。
故障により2016年をほぼ棒に振りましたが、ワールドシリーズますレッドソックスが進出すればロースターに入ることが想定されるほど回復していました。
そして2016は106試合にサードで先発したトラビス・ショーはトレードとなったものの、スーパーユーティリティのブロック・ホルトらも控えているため、サンドバルがダメだった場合の選択肢もあります。
そのためどうしてもヨアン・モンカダがいないと困るという状況であったことも、放出に踏み切る決断を後押ししたと言えそうです。
2017年のワールドシリーズ制覇に向けて着々と戦力の充実を進めているレッドソックスです。