ジェイク・アリエッタの懸念材料は?MLB公式が未契約の原因を分析

2017-18シーズンオフのFA市場の目玉の1人と評価されていたジェイク・アリエッタですが、3月を目前にした段階でも市場の動きは鈍く契約に至っていません。

大金を支払える球団が先発ローテの補強を終えていて、残っているのがツインズ、ブルワーズと言った予算に制約のあるチームしか市場に残っていないこともあり、見通しは明るくありません。

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ジェイク・アリエッタの獲得に二の足を踏んでしまう理由とは?

ブルワーズ、ツインズらはダルビッシュの獲得に積極的に動きましたが、それでも1億ドル程度の契約で、可能性があるとされるフィリーズとナショナルズは、アリエッタ側が希望する金額に応じるほどの緊急性もありません。

そのためカブスがダルビッシュと契約する前に提示したとされる、5年1億2600万ドル程度がアリエッタにとって最も高額の契約になる可能性が高まりつつあります。

代理人のスコット・ボラス氏が要求額を譲らないことが契約が決まらない大きな原因ではあるのですが、ダルビッシュほどの争奪戦になっていないのも事実です。

そのジェイク・アリエッタが未契約のままとなっている理由にMLB公式サイトのマット・ケリー氏が分析しています。

マット・ケリー氏はジェイク・アリエッタが2015年のサイヤング賞投手であり、3年間で500イニング以上を投げた投手の中でERA+(防御率がリーグ平均をどれだけ上回ったかを示す指標)が151で両リーグ3位という素晴らしいものであることを紹介します。

このような実績を残していれば、普通は大型契約を手にできるはずなのですが、チーム側が熱心に獲得に動いていない現状を紹介し、その理由として「球速」「コンタクト率」「年齢」を指摘しています。

球速の低下

アリエッタの投球を見ていた人には驚きの事実ではないのだが、球速が低下していて、それが懸念材料となっているとマット・ケリー氏は指摘します。

2015 2016 2017
シンカー 95.3 mph 94.5 mph 92.2 mph
フォーシーム 95.1 mph 94.2 mph 92.1 mph
カーブ 81.3 mph 81.1 mph 78.8 mph
スライダー 90.8 mph 89.8 mph 87.8 mph
チェンジアップ 89.5 mph 89.2 mph 87.3 mph

サイヤング賞をとった2015年からシンカーは3.1マイル、フォーシームが3マイル、カーブが2.3マイル、スライダーが3マイル、チェンジアップが2.2マイルも低下しています。その結果、空振り率は25.7%から21.5%に悪化するなど、球速低下の影響は顕著です。

球速が5キロから3.5キロ低下していることになるのですが、2015年から2016年の低下は緩やかなのですが、2016年から2017年はその落ち幅が大きくなっていますので、余計に今後のパフォーマンスが懸念され、FA投手を評価する際の大きなマイナス材料となるとケリー氏は指摘してます。

コンタクト率の悪化

スタットキャストが導入されてから3シーズンが経過しています。この技術の導入により打者の打球速度なども詳細に数値化されるようになりました。

2015年のジェイク・アリエッタは奪三振を206個も奪うなど、相手打者をねじ伏せていたのですが、バットに当たったとしても強い打球にはさせませんでした。

打球の初速が95マイルを越えた場合に”ハードヒット”としてカウントするハードヒット率は2015年は24.8%で、クレイトン・カーショーの24.5%に次ぐ2番目にランクされる素晴らしいものでした。

またゴロ比率も高く打者がバットでボールを捉えたうちの47.8%がゴロになっていて、2015年は両リーグで5位にランクされています。

しかし、2017年はハードヒット率が32.2%、ゴロ比率が35.7%といずれも悪化しています。つまり強い打球を角度をつけて打たれる回数が増えたことになるため、被本塁打が増え、被長打率が悪化することになり、防御率なども落ちることになります。

このコンタクト率の悪化は、先の球速低下が陰を落としているものと考えられます。

年齢

近年はデータ解析が選手の筋肉量や反射神経などにも及ぶようになり、選手としての能力のピークが20台後半までだという考えが大勢を占めつつあります。

そのため多くのフロント、GMが年齢の高い選手の獲得に二の足を踏む傾向が強まっていて、3月で32歳になるジェイク・アリエッタにとっては、このトレンドは大きなダメージを与えることになります。

このような事実に触れた後、ケリー氏は以下のようなことを指摘しています。

  • ワイルドカードが導入された1995年以降にサイヤング賞を獲得した29人の投手の中で32歳以上の年齢で獲得したのはR.A.ディッキー、ロジャー・クレメンス、ロイ・ハラデー、ランディ・ジョンソンの4人だけ。
  • Similarity Scoresという選手評価の方法で、ジェイク・アリエッタに近い数字となるのが、ジョーダン・ジマーマン、クレイ・バックホルツ、パット・ジャービス、ティム・ベルチャー、ピート・ブコビッチの5人。33歳を越えてメジャーで投げたのはティム・ベルチャーの1人だけ。
  • 31歳のジョーダン・ジマーマンは成績が低迷(防御率6.08)し、33歳のクレイ・バックホルツはFAのまま契約先が見つかっていない。
  • パット・ジャービス、ティム・ベルチャー、ピート・ブコビッチの32歳のシーズンの成績を合計すると防御率4.90に。

このような不安要素があるため、各球団が獲得に本腰を入れることをためらっているのではないかと、マット・ケリー氏は分析しています。

ツインズ、ブルワーズ、ドジャースなどによる争奪戦の末に、カブスと5年1億2600万ドルの契約を結んだダルビッシュはトミージョン手術前よりも球速が上がっています。

2014年はフォーシームが97.88マイルでしたが、2017年は98.96マイルと球速が上がっています。ゴロ比率もキャリア平均の41.3%と同様の40.7%という数字で、大きな悪化は見られません。

ファングラフスのデータによると、ハードヒット率はキャリア平均の30.2%から33.1%、空振り率は29.7%から27.3%に落ちてはいます。が、アリエッタのような急降下ではありません。

ジェイク・アリエッタは3月で32歳、ダルビッシュ有は8月で32歳となりますので、5ヶ月程度の違いしかありません。それを考えると表面的な成績ではなく、その数字の中身による評価が足かせになっていると考えられるジェイク・アリエッタです。

カブスから提示された契約を蹴ったことが吉と出るのか、凶と出るのか注目されますが、現時点での見通しは厳しいものと言わざるをえません。

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