なぜマリナーズはエンカーナシオンをトレード放出できていないのか?

シアトル・マリナーズは正遊撃手のジーン・セグラ、ジェームズ・パゾスらを放出し、中長期的なチームのコアとなることを期待してJ.P.クロフォードを獲得しました。

そのトレードにおいて高額年俸のカルロス・サンタナを引き取ることで、金銭面でのバランスをとりましたが、即座にインディアンスに放出し、そのトレードでエドウィン・エンカーナシオンとドラフト指名権を手にしました。

マリナーズは結果として、ジーン・セグラ、ジェームズ・パゾス、ファン・ニカシオらを放出して、77番目のドラフト指名権、エドウィン・エンカーナシオン、J.P.クロフォードを獲得したことになります。

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マリナーズはエンカーナシオンのトレード交渉で停滞

若い選手に多くのチャンスを与え、早い段階で数年に渡りポストシーズンに進出できるロースターに作り変えることを志向しているのですが、メッツから獲得したジェイ・ブルースとエドウィン・エンカーナシオンは、そのビジョンに合致しません。

マリナーズは特に年俸が2167万ドルで、2020年の2000万ドルのオプションを破棄する際のバイアウト500万ドルを合わせると2600万ドルを超えるエドウィン・エンカーナシオンの放出には積極的な姿勢でした。

しかし、そのトレード交渉が思ったようには進まず、シーズン開幕時もロースターに残っている可能性が高まりつつあります。その舞台裏についてシアトル・タイムズのライアン・ディビッシュ氏が伝えています。

The expectation for people around baseball and for Encarnacion was that the Mariners would trade him after acquiring him in the offseason. Sources indicated the Mariners even made their intention of flipping Encarnacion known to him.

『メジャーリーグ関係者とエドウィン・エンカーナシオン本人の予想は、マリナーズがシーズンオフ中にトレード放出するというものだった。情報筋によるとマリナーズはエンカーナシオン本人にすぐに他球団へトレードする方向であることを伝えていた。』

エドウィン・エンカーナシオンを戦力としてではなく、あくまでもトレードのカードとして獲得したことを、マリナーズは隠すことはなかったということです。

このようなマリナーズのプランは悪いものではなかったと述べて、その時の状況について伝えています。

With the Twins, Rays and Astros all showing interest in signing former Mariners designated hitter Nelson Cruz, the Mariners figured they could trade Encarnacion to one of the two teams that were unable to sign Cruz. They knew theyʼd have to eat a sizable portion of the $25 million owed to Encarnacion in 2019, but it seemed worth it for a decent prospect or even a compensatory draft pick.

ツインズ、レイズ、アストロズの3球団がマリナーズからFAとなった、事実上、指名打者専任のネルソン・クルーズとの契約に動いていました。そのような状況から、マリナーズは争奪戦に破れた2球団のどちらかにエドウィン・エンカーナシオンをトレードできるだろうと考えていたおうです。

さらにその動きをより確実にし、質の良いプロスペクト、もしくはドラフト指名権を手にするために、年俸の多くの部分を負担することも必要だとマリナーズは考えていたようです。

しかし、トレードは実現していません。

So when Cruz signed a one-year deal with the Twins, the best fits for Encarnacion were the Astros and Rays. But MLB sources said the Rays didnʼt value Encarnacion as a hitter as much as Cruz and werenʼt interested in a trade, even if the Mariners picked up half of the contract.
Seattle shopped Encarnacion to the Astros, but they seem content with using a rotation of players including Tyler White and Yuli Gurriel at designated hitter.

ネルソン・クルーズはツインズと契約したため、指名打者の補強に動いていたアストロズとレイズが候補となったわけですが、MLB情報筋によると仮にマリナーズが年俸の半分を負担したとしても「レイズは打者としてエドウィン・エンカーナシオンを、ネルソン・クルーズほどには評価していない上に、トレードでの補強に関心を持っていなかった」とのことです。

もう一つの候補であるアストロズにもエドウィン・エンカーナシオンを売り込んだようです。しかし、アストロズは、ネルソン・クルーズが獲得できないのであれば、ユリエスキ・グリエルとタイラー・ホワイトをメインにしながら、主力選手をローテーションで指名打者に据える編成で十分だと考えたため、交渉は進展しなかったようです。

マリナーズは一塁/指名打者タイプの選手としてトレードで獲得したジェイ・ブルース、ドミンゴ・サンタナの2人に加えて、リオン・ヒーリー、ダン・ボーゲルバックという若手選手も抱えています。

しかし、エドウィン・エンカーナシオンはほぼ指名打者専任で、時折、一塁を守る選手という評価のため、事実上、トレード交渉の相手はア・リーグに限定されます。しかし、ア・リーグの多くの球団は、そのポジションが埋まっているため、トレード放出は簡単ではありません。

スプリングトレーニングの期間中に他球団で指名打者/一塁手の故障者が出ない限りは、エドウィン・エンカーナシオンはマリナーズで開幕を迎えることになる確率が高い状況です。

マリナーズとしては「シーズン前半に活躍してもらって、トレード期限前に優勝を争うチームにできるだけ高値で売る」というのが現実的かつ理想的なシナリオとなりそうです。

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