なぜドジャースにとって年俸総額の抑制が重要なのか?ぜいたく税以上の重い課題を地元メディアが報道

Los Angels Dodgers Top Catch

ロサンゼルス・ドジャースは2015年シーズン開幕時に年俸総額2億7160万ドル、シーズン終了時には2億9100万ドルに達しました。

「3億ドルのチーム」とも言われたドジャースですが、2016年、2017年で徐々に年俸総額を削減していく方向へ舵を切っていました。そしてこのオフにはエイドリアン・ゴンザレス、スコット・カズミアー、ブランドン・マッカーシーらを放出し、マット・ケンプを引き取ることで年俸を削減し、現時点では1億8000万ドルまで抑制しています。

この動きの目的に関してメディアで伝えられてきたのは、「ブライス・ハーパー、マニー・マチャドらがFAとなる2018-19シーズンオフに向けて、超過分の50%となっているぜいたく税率をリセットするためではないか」というものでした。

しかし、それ以外にもドジャースには年俸総額を削減すべき理由が存在すると地元メディアであるロサンゼルス・タイムズが伝えています。

ロサンゼルス・タイムズのディラン・ヘルナンデス氏は以下のように伝えています。

The Dodgers are determined to hold their payroll under $197-million this year and not only to avoid an escalating luxury tax. They are also seeking compliance with Major League Baseball’s debt service rule, according to a person familiar with the situation who spoke under the condition of anonymity.

ドジャースは2018年の年俸総額を1億9700万ドル以下に抑制することを固く決意している。それはぜいたく税の金額が増えることを回避するためだけではなく、MLBのデッドサービスルール(負債に関するルール)を遵守するためだと、匿名の関係者から情報を得たことが伝えられています。

Exceeding the $197-million luxury-tax threshold could result in failure to comply with the rule, which is designed to ensure teams generate enough revenue to cover designated percentages of their debt, with latitude given to clubs that have financed stadium construction or renovation projects in recent years.

デッドサービスルール(負債に関するルール)が作られたのは、「球場の建設やリノベーションに多くの資金を投入する球団が財政上破綻しないように、負債額の許容範囲を規定するため」でした。しかし、「ぜいたく税の基準額である1億9700万ドルを超過することは、そのルールを遵守できない結果につながる可能性がある」と記事では伝えられています。

ぜいたく税を支払うところまで年俸総額を増やすかどうかの決断は、各球団が自由に行うことができます。しかし、このデッドサービスのルールはそうではなく、違反に対する対応はコミッショナーの裁量に委ねられています。

そのため、ドジャースは負債の割合を定めたデッドサービスのルールを遵守するためにも、年俸総額を抑制する必要があるということになります。

ドジャースは2012年に現在のオーナーグループに売却される際には20億ドルの負債があり、新しいオーナーグループはそのうちの4億1200万ドルを負担することで買収が成立したと伝えられています。

さらに買収の際には現在のドジャースのチェアマンであるマーク・ウォルター氏の率いる保険会社から12億ドルの出資を受けていて、この資金は元金に利子をつけて分割で返済されることになると、共同オーナーのトッド・ボーリーは明かしています。

ドジャースは2014年からの25年83億5000万ドルの放映権契約をスポーツネットLAと結び、毎年、観客動員でMLBトップクラスを記録するなど収入は増えています。
それでもフォーブスは2013年から2015年の3年間で1億6600万ドルの負債が生じ、2015年時点で4億ドルの負債があると試算するなど健全な状態にはなっていません。

このようなドジャースの財務状況に対して、2016年の時点でコミッショナーからデッドルールを遵守するように義務づけられたと報道されました。ドジャースは義務は課されていないと否定しましたが、負債の状況については否定することはありませんでした。

大型の放映権契約があるため、いずれは債務の割合も減少していくことは確実です。しかし、現時点での収入に対する債務の割合が大きすぎる状態になっていることは間違いなく、ルールを守るためには支出を抑制することが必要不可欠です。

ドジャースが年俸総額を抑制することは、ぜいたく税よりもはるかに重い「負債に関するルール」の遵守という目的があることを考慮すると、1億9700万ドルの年俸総額が予算の上限として完全にロックされていると考えられます。

ドジャースに残されているぜいたく税までの残り枠は1700万ドル程度です。FA市場で大きな動きをするためには、それに先立って高年俸の選手のトレード放出を成立させるか、その合意までは確定させる必要があります。

ダルビッシュ有との再契約はディスカウントされた金額であれば、という報道もあります。しかし、それが現実化するには、ダルビッシュ側が金額面でかなり妥協する必要がありそうです。

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