2015年MLBドラフト指名順位の及ぼす「クオリファイングオファーを拒否したFA選手」への影響

メジャーリーグもワールドシリーズを終えて、いよいよストーブリーグへと突入していきます。

各球団はチームの補強に動き、FAとなった選手は新たな移籍先や契約を求めての日々となっていきますが、トップクラスのFA選手にとって避けて通ることができない問題が、クオリファイングオファーです。

2015年はマックス・シャーザー、ジェームズ・シールズ、ビクター・マルティネス、ラッセル・マーティンなどをオファーされると見られています。

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クオリファイングオファーが与えるFA選手の契約への影響は大きい

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FAとなった選手はワールドシリーズ終了の翌日から5日間が、前所属球団との独占交渉期間になります。そして、それと同時に球団側がFA選手にクオリファイングオファーを提示するかどうかを決断する期間でもあります。

クオリファイングオファーとはMLBでの年俸の上位125名の平均額を、FAとなる選手に1年契約として提示するかどうかを、元所属球団が決定することができます。2015年は1530万ドル(約16億7000万円)に設定されています。

そしてクオリファイングオファーを受けた選手は、ワールドシリーズ終了の翌日から12日間で、それを拒否するか、受諾するかを決断することになります。

選手がこのクオリファイングオファーを拒否した場合に問題となるのが、ドラフト指名権です。

というのも、クオリファイングオファーを拒否したFA選手を獲得する球団は次のドラフトでの1番上位の指名権を失うことになりからです。

そして順次、下位の球団の指名が繰り上がり、その後の、1巡目指名が終わった後に、2巡目の前に選手を指名できる補完指名権を手にすることができます。

複数年契約を手にするであろうトップクラスの大物FA選手であれば、その問題があっても獲得に動く球団があるのですが、そこまでの評価ではない選手でクオリファイングオファーを受けた場合は難しい選択を迫られます。

というのも選手は拒否することで、複数年契約を手にできる可能性もある一方で、ドラフト指名権を失うことを嫌がる球団が多くあるため思ったような契約を手にできない可能性もあるためです。

2014年FAではネルソン・クルーズ、ケンドリス・モラレス、スティーブン・ドリュー、アービン・サンタナらが、その影響を受けて、最終的には1年1410万ドルのクオリファイングオファー以上の契約を手にすることはできませんでした。

また選手によっては、クオリファイングオファーを受けた場合に、そのまま受諾したほうが、FA市場を経由して契約するよりも、年俸が高くなるケースも有ります。しかし、その代わりに単年契約にとどまってしまうというデメリットはあります。

そのため、どちらといえば、資金力に乏しく選手育成で運営しているチームを救済するためのシステムのため、クオリファイングオファーによる選手のメリットは少ないのが実情です。

2015年MLBドラフト指名順とプロテクトされる指名権

このようにクオリファイングオファーを受けた選手の契約に、大きな影響を与えるドラフト指名権ですが、ドラフトの指名順位は、勝率の低いチームが先の順位となります。

2015年は64勝98敗(0.395)のアリゾナ・ダイヤモンドバックスが1巡目全体1番目の指名権を有しています。

2015年のMLBドラフト1巡目指名権は以下のとおりとなっています。

  1. アリゾナ・ダイヤモンドバックス(0.395)
  2. ヒューストン・アストロズ*
  3. コロラド・ロッキーズ(.407)
  4. テキサス・レンジャーズ(0.414)
  5. ヒューストン・アストロズ(0.432)
  6. ミネソタ・ツインズ(0.432)
  7. ボストン・レッドソックス(0.438)
  8. シカゴ・ホワイトソックス(0.451)
  9. シカゴ・カブス(0.451)
  10. フィラデルフィア・フィリーズ(0.451)
  11. シンシナティ・レッズ(0.469)
  12. マイアミ・マーリンズ(0.475)
  13. サンディエゴ・パドレス(0.475)
  14. タンパベイ・レイズ(0.475)
  15. ニューヨーク・メッツ(0.488)
  16. アトランタ・ブレーブス(0.488)
  17. ミルウォーキー・ブルワーズ(0.506)
  18. トロント・ブルージェイズ(0.512)
  19. ニューヨーク・ヤンキース(0.519)
  20. クリーブランド・インディアンス(0.525)
  21. シアトル・マリナーズ(0.537)
  22. サンフランシスコ・ジャイアンツ(0.543)
  23. ピッツバーグ・パイレーツ(0.543)
  24. オークランド・アスレチックス(0.543)
  25. カンザスシティ・ロイヤルズ(0.549)
  26. デトロイト・タイガース(0.556)
  27. セントルイス・カージナルス(0.556)
  28. ロサンゼルス・ドジャース(0.580)
  29. ボルティモア・オリオールズ(0.593)
  30. ワシントン・ナショナルズ(0.593)
  31. ロサンゼルス・エンゼルス(0.605)

上記の指名順はあくまでも2014年ワールドシリーズ終了直後のもので、この後、クオリファイングオファーの影響などで変わっていくことになります。

クオリファイングオファーを拒否した選手を獲得すると、ドラフト指名権を失うことになりますが、上位10位までの指名権はプロテクトされます。

仮にアリゾナ・ダイヤモンドバックスはクオリファイングオファーを拒否した選手を獲得した場合には、1巡目全体1番目の指名権は失わず、それ以降の指名権を失うことになります。

しかし、2015年のドラフトでは11番目までプロテクトされることになっています。

というのも2番目のアストロズの指名権は、2014年ドラフトの1巡目全体1番目指名のブレイディ・エイケンと契約をできなかったことに対する救済による指名権のためです。

そのためアストロズは仮にクオリファイングオファーを拒否した選手を獲得した場合でも、2015年のドラフトでは全体2番目と5番目の指名権がプロテクトされることになりますので、獲得へのハードルが低くなります。

MLB全体の傾向として、年齢を重ねたFA選手と高額で契約するよりも、ドラフトやインターナショナルFAなどで、良い選手を獲得して、自前で育成していくというのがトレンドになりつつあります。

そのため1巡目のドラフト指名権を失うことを嫌う球団が多くなっていますので、このルールが各チームの戦力補強の方針、方向性に影響を与える重要なファクターの1つとなっています。

レッドソックスは資金力がある上に、2015年に勝ちにいくことを目指しているチームのため、クオリファイングオファーをを受けるようなトップFA選手を獲得する意向です。

全体7番目のドラフト指名権が守られることが、その決断をさらに後押ししていることは間違いありません。

レッドソックスの他に、資金力があり指名権がプロテクトされるチームとしては、テキサス・レンジャーズ、フィラデルフィア・フィリーズ、シカゴ・カブス、シカゴ・ホワイトソックスなどがあげられます。

ただ、フィリーズは幹部が再建モードに移行することを明言していますので、レッドソックス、レンジャーズ、カブス、ホワイトソックスあたりの動向は注目ポイントとなりそうです。