MLB(メジャーリーグ)ではウェイバー公示なしでのトレード期限となる7月31日に向けて、トレードの動きが活発化していきます。
その際に大きな影響を与えるのが、選手の契約の残り期間の長さです。特にシーズンオフにFAになるかどうかという問題がトレードの動向に大きな与える影響を与えます。
そこで2014年シーズン終了後(2015年)にFAとなる選手の一覧をまとめています。今回は先発投手編です。
2015年のオフはエース級の投手がFAとなる可能性が濃厚な状況
選手にはクラブに契約更新のオプションがあるもの、選手がある条件を満たすと自動的に更新されるもの、選手側が更新するか選択できるものなどがあります。またそれらの3つともが契約に組み込まれているものもあります。
2014年シーズン終了後にフリーエージェントとなる先発投手の一覧は以下のとおりとなっています。
*年齢はシーズン終了後のものです。SP:先発投手
日本人メジャーリーガーでFAとなる予定の選手
日本人メジャーリーガーでFAとなる見込みの先発投手は以下の表のとおりです。
FAとはいうものの岩隈久志(マリナーズ)はクラブ側に契約更新のオプションがある状態です。
仮にトレードされても、よほど調子を落とさない限り、持っている実力や成績と比較した時に、年俸も高くありませんので、そのオプションは行使される可能性が高く、そのままFAとはならない可能性が濃厚です。
続いて、松坂大輔(メッツ)は適性は先発にあると考えられますので、先発投手のリストに入れています。黒田博樹(ヤンキース)は引退か、もしくは日本に帰る可能性が高いので、そのままメジャーに残る確率は低そうです。
FAとなる資格を有していて契約更新のオプションがある選手
FAとなる選手で契約更新のオプションがある選手は以下の表のとおりとなっています。
チームのエース格となっているジョニー・クエト(レッズ)とヨバニ・ガヤルド(ブルワーズ)は調子を落とさない限りは、クラブ側がオプションを行使することが予想されます。
またJ.A.ハップ(ブルージェイズ)、チェン・ウェイン(オリオールズ)も値段が手頃なため、クラブ側がオプションを行使する可能性が高そうです。
チャド・ビリングズリー(ドジャース)とブレット・アンダーソン(ロッキーズ)はともに5月の時点では故障者リストに入っていますので、その復帰後のパフォーマンス次第となりそうですが、この故障歴も契約更新の有無に影響を与えそうです。
ブルーズ・チェン(ロイヤルズ)、ダン・ヘイレン(ドジャース)、A.J.バーネット(フィリーズ)の3人は本人のパフォーマンス次第という部分が大きく、ジョシュ・ジョンソン(パドレス)はすでに今季絶望となっているため、更新される可能性はほぼないと言える状況です。
FAとなる資格を有していて契約更新のオプションがない選手
FAとなる選手で契約更新のオプションがない選手は以下の表のとおりとなっています。
昨シーズンオフとは異なり、今年のシーズンオフはFAとなる投手には各チームのエース級/1番手の投手が複数います。
2013年サイ・ヤング賞のマックス・シャーザー(タイガース)は、シーズン中は契約延長の話はしないと明言していますので、このままFAとなることが濃厚です。
ジョン・レスター(レッドソックス)に関しては、本人が残留を強く希望しているものの金額の折り合いがついていない状態ですが、シーズン中に契約延長で合意する可能性は残されています。
ジェームズ・シールズ(ロイヤルズ)は、ロイヤルズがプレーオフに進出するなどの収入増がない限り、契約延長することが難しい状況で、ジャスティン・マスターソン(インディアンス)もインディアンスが大金を出すだけの経済力に乏しいため、FAとなる可能性が濃厚です。
また他にも、各チームのエース級/先発1番手であるホルヘ・デラロサ(ロッキーズ)、フランシスコ・リリアーノ(パイレーツ)や、クオリファイングオファーが障害となり契約が決まらず苦しんだものの、昨オフのFA投手としてはトップの評価も多かったアービン・サンタナ(ブレーブス)、2007年のサイ・ヤング賞投手であるジェイク・ピービ(レッドソックス)、復調の気配を見せているジョシュ・ベケット(ドジャース)などもいます。
他にはフロントスターターとしては厳しいものの、3番手以降としては計算できるガビン・フロイド(ブレーブス)、ジェイソン・ハメル(カブス)、アーロン・ハラング(ブレーブス)、ポール・マホーム(ドジャース)、クリス・カプアーノ(レッドソックス)などもいます。
まとめ・総括
2013年のオフよりも、2014年のオフはFAの先発投手が豊富です。プレーオフの可能性がなくなったチームはこれらの投手をトレードに出して、若い選手を獲得する方向に動くことが予想されます。
また。これらの投手は、仮にトレードに出されたとしても、移籍先で契約延長しない限りFAとなりますので、今年のオフの先発投手のFA市場は賑やかになることが予想されます。
前田健太が仮にメジャー行きを選択しても、このようなFA市場の状況のため、田中将大のような超大型の契約は望めそうもない状況となりそうです。
これらの投手の今後のパフォーマンスとチームの順位や状況にも注目したいところです。