ドラフト1巡目指名権の価値は何万ドル?FOXスポーツ大物記者が伝えるMLB各球団の見立て

新しく労使協定が締結されたことにより、クオリファイング・オファーの制度も変更となります。

これまでのようにクオリファイング・オファーを拒否した選手を獲得した場合に失うのは、ぜいたく税のラインを越えてないチームは保有している上位2番目の指名権、ぜいたく税のラインを超過しているチームは保有している上位2番目の5番目の2つの指名権を失うことになりました。

これまで最上位の指名権を失うという制度では、前シーズンの勝率の下位10チームは1巡目指名権がプロテクトされたため、クオリファイング・オファーを拒否した選手を獲得してい1巡目指名権を失わず、それに次ぐ指名権を失っていました。

このことがFA選手の市場での価値を大きく損ねることが目立ち、それを是正したい選手会側が強く新労使協定では改正を求めていたポイントで、その結果、ぜいたく税の対象かどうかでペナルティの程度が変わる方式が採用されることになりました。

クオリファイング・オファーを受ける選手にとって大きな問題となっていて1巡目指名権の喪失の問題ですが、気になるのはMLBの各球団がそれをどのくらいの損失を見積もっていたのかというところです。

そのことについてFOXスポーツの大物記者であるケン・ローゼンタール氏が”The Dodgers are looking all over the place for a second baseman”という記事の中で以下のように伝えています。

The Orioles, after making Trumbo a qualifying offer, would have gained the 31st selection in the draft if another team had signed him, and the lost pick further depressed his price.
Teams generally view the pick as worth between $6 million and $10 million.

この記事の中ではなぜマーク・トランボが3年3750万ドルという安い契約になってしまったのかの理由について分析しているのですが、やはりクオリファイング・オファーによるドラフト指名権喪失の問題が影響を与えたとしています。

クオリファイング・オファーを拒否したマーク・トランボを獲得したチームは最上位の指名権を失い、オリオールズは補償として1巡目全体31番目の指名権を手にすることになる見込みでした。

この最上位の指名権を失うことが彼の価値を下げたと書いた上で、MLBの各球団は一般的に1巡目指名権を600万ドルから1000万ドルの価値があると見なしていると伝えています。

この金額についてケン・ローゼンタール氏はそれ以上は深く掘り下げていないので、ここからは推測になるのですが、指名順番が上位であればあるほど、金額が1000万ドルに近づき、逆のケースは600万ドルに近づく金額で各球団が見積もっているのではないかと考えられます。

指名順位が早いチームにとってはクオリファイング・オファーを拒否した選手を獲得することは1000万ドル近い損失を出した上で、なおかつ大金を支払うということが必要となるため、言葉は悪いですが中途半端なクラスの選手にとっては多大な影響を受けるルールだったことがうかがえます。

2013年シーズン終了後にロイヤルズからFAとなった際に1410万ドルのクオリファイング・オファーを受けたものの、複数年契約を求めて拒否したアービン・サンタナもこの制度の影響を受ました。

契約がなかなか決まず代理人を変えて自分自身で交渉する自体にまで発展したのですが、幸いなことにブレーブスが1年1410万ドルで契約を結んでくれ、事なきを得ましたので、まだ良い方でした。

この制度でもっともダメージを受けたといえる選手の1人が、昨年のイアン・デズモンドです。

ナショナルズからの1580万ドルのクオリファイング・オファーを拒否しましたが、契約がなかなか決まらず悪戦苦闘した挙句に、ほぼ半額となる800万ドルでレンジャーズと1年契約を結ばざるを得なくなりました。

ただ、この800万ドルという金額も、このケン・ローゼンタール氏がドラフト指名権の金銭的価値を合わせて考えれば、途方もなく酷い金額ではないと言えます。

アービン・サンタナの場合は、その年のFA市場では田中将大を除けばトップクラスの先発投手という評価は得ていましたので、クオリファイング・オファーと同等の金額を引き出せました。

しかし、イアン・デズモンドはそういった評価はなく、どちらかと言えば成績を落としてFAになりましたので、行き先が見つからず本職の遊撃から外野に転向することまで約束した上で契約せざるを得ませんでした。

そのイアン・デズモンドも単年契約で結果を残して4年5500万ドルを手にしたアービン・サンタナと同様に、好成績を残して5年7000万ドルの大型契約を手にしていますので良い方です。

2013年シーズンオフにFAとなったスティーブン・ドリューは、かなり大きなダメージを受けた選手と言えます。

レッドソックスから1410万ドルのクオリファイング・オファーを受けて拒否したものの、契約先が決まらずシーズン開幕後に古巣のレッドソックスと1年契約を結びました。しかし、その金額は1010万ドルで、クオリファイング・オファーの1410万ドルから、すでに経過してしまった月日の分を引いた金額で合意せざるをえませんでした。

その後は自身の成績が悪かったことも理由ではあるのですが、ヤンキースと1年500万ドル、ナショナルズと300万ドルという契約しか手にできていません。

スティーブン・ドリューに関してはスコット・ボラス氏の「待つ」という戦術が失敗したことの煽りを受けた面もあるのですが、ドラフト指名権の問題がなければ複数年である程度の金額は保証されていた可能性が大でした。

このドラフト1巡目指名権をMLBの球団がどれくらいの金銭的価値があると見積もってFA選手と交渉していたという情報は、イアン・デズモンドやマーク・トランボのようなディスカウント契約が成立する背景も理解できますので、興味深いものがあります。

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