青木宣親のメジャー昇格のチャンスは?アメリカでのキャリアは正念場に

Seattle Mariners Top Catch

青木宣親がアメリカに渡ってから初のマイナー降格に2016年6月24日にとなりました。

故障者リストに入ってからのリハビリとしてマイナーで出場することはあったものの、不調などを理由にマイナーでプレーすることになるのは初めてのことで、厳しい立場に追い込まれつつあります。

その青木宣親のメジャー昇格に向けての現状を見ていきたいと思います。

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走攻守でメジャー移籍後ワーストの低迷に苦しむ青木宣親

青木宣親はマリナーズの懸案事項であったリードオフマンを期待されて加入したものの打率.245と低迷した結果、出塁率は.323と低くなり、メジャー移籍後から2015年までの4年で残した出塁率.353を大きく下回りました。

さらに盗塁は11度試みて4回しか成功(成功率36.36%)できず、こちらも2012年から2015年までの71.05%(81-33)を大きくしたまわっています。

メジャーでは盗塁成功率が75%を割ると効率の悪い攻撃となると考えられていますので、青木宣親の盗塁成功率は大きなマイナス材料の一つでした。

そしてメディアでも多く報じられていた降格の原因が対左投手との対戦成績の悪さでした。

青木宣親のメジャー全体のキャリアでは右投手に対して打率.272/出塁率.345/長打率.379/OPS.725で、左投手に対しては打率.304/出塁率.360/長打率.375/OPS.735と、どちらかと言えば対左投手に対して結果を残してきました。

ところが今年は右投手に対しては打率.276/出塁率.358/長打率.371/OPS.728とキャリア平均同様の数字を残しているのに大して、左投手には打率.177/出塁率.244/長打率.190/OPS.434と全く打つことができませんでした。

この左投手への極端な弱さのためシーズン中盤に差し掛かるにつれてスターティングメンバーから外れることが多くなっていました。

またメディア等ではあまり指摘されていないものの守備のセイバーメトリクスのデータも良くありません。

DSR(守備防御点)は-4、UZR(アルティメット・ゾーン・レイティング)は-2.1、UZRを150試合に換算したUZR/150は-5.4と、いずれも平均を下回り守備面でもこれまでのメジャーキャリア全体の数字よりも落ちています。

このような走攻守の様々な面で数字が落ち、メジャーでプレーし続けるだけのクオリティを維持しているとは言い難くなりつつありました。

そこに追い打ちをかけたのがマリナーズの先発投手陣の崩壊による、リリーフ投手の疲労と不足でした。

このことによりマリナーズはロースターの構成を変えざるを得なくなり、アクティブロースターから一番外しやすい青木宣親が外されるに至っています。

メジャーでの一般的な25人枠の構成は先発投手5人、リリーフ投手7人、野手13人というものです。

青木降格後のマリナーズは先発投手5人、リリーフ投手8人、野手12人というロースター構成で、野手を減らしてリリーフ投手を増やしました。

フェリックス・ヘルナンデス、ウェイド・マイリー、タイファン・ウォーカーらが先発から外れ、ネイサン・カーンズ、ジェームズ・パクストンらの残った先発投手も不安定だったため、ブルペンに過度な負荷がかかった結果、疲労が蓄積しパフォーマンスが低下していました。

その状態を立て直すためにリリーフ投手を増やして補うということをマリナーズは選びました。

では、なぜマリナーズは野手を減らすことができたのか?ということになるのですが、28歳のユーティリティプレイヤーであるショーン・オマリーの存在が大きな理由の一つです。

ショーン・オマリーはレイズから指名されてプロ入りしているのですが、当初のポジションはショートで、その後セカンド、外野と守れるポジションを増やしていきました。

2016年はマリナーズで投手、捕手、一塁手以外のポジションをすでに守っていて、さらには三番目バックアップ捕手という役割も担っています。

そして打撃ではスイッチヒッターで、メジャーでの盗塁数は多くありませんが、メジャー通算では7回試みて7回とも成功、マイナー全体では211盗塁(成功率75.90%)と足もつかえる選手のため、スコット・サーバイス監督もショーン・オマリーがいるがゆえに、野手を12人でまわせることを認めています。

マリナーズには外野手としてレオニス・マーティン、セス・スミス、フランクリン・グティエレスの3人がいて、指名打者として登録されているネルソン・クルーズも外野を守ることができます。

アダム・リンドと李大浩はともに一塁/指名打者タイプでシーズン序盤はプラトーンで起用されていたものの、両者ともいに好調なためクルーズに外野を守らせ、この2人を一塁もしくは指名打者で同時に起用するパターンが増えました。

セス・スミスは打率.274/本塁打11/出塁率.364/長打率.447/OPS.811、レオニス・マーティンは高い守備力に加えて打率.251/本塁打11/出塁率.318/長打率.426/OPS.744で、当初はバックアップだったフランクリン・グティエレスは打率は.252と低いものの、本塁打9本を放つなど長打率.489、OPSは.818と、いずれもロースターから外せない状態でした。

そこに外野の3つのポジションを守れ、さらに内野もほとんどカバーできるショーン・オマリーがいたため、青木宣親をメジャーロースターに残しておく必要性が低くなっていました。

マリナーズの地元メディアの一つであるタコマニューストリビューンのボブ・ダットン記者は”Mariners notebook: O’Malley’s versatility aids roster flexibility”というタイトルの記事で以下のように述べています。

It is O’Malley’s versatility that permits the Mariners to carry 13 pitchers on their 25-man roster. They added the extra reliever on June 24 and are likely to keep playing with a short bench at least through the All-Star break.

オマリーの万能性によってマリナーズは25人のアクティブロースターに13人の投手を置くことができている。マリナーズは6月24日にリリーフ投手を一人増やし、少なくともオールスターブレイクまでは野手12人で行くことになりそうだ、との見通しを伝えていました。

つまり投手13人体制がオールスター前まで続き、7月15日後半戦から投手12人・野手13人体制にもどる可能性があると予想していたことになります。

これらの状況を踏まえれば、マリナーズが野手13人体制に戻れば青木宣親にもチャンスがあるのではないかとも考えるとことができます。

しかし、マリナーズは現地の7月5日にリリーフのデビッド・ロリンズ(David Rollins)を降格し、外野手のダニエル・ロバートソン(Daniel Robertson)を40人枠に入れると同時にアクティブロースターにも加えて、投手12人、野手13人体制に戻しました。

ダニエル・ロバートソンの今季は3Aの73試合で打率.262/出塁率.327/長打率.391で4本塁打・25打点という成績です。

一方の青木は3A降格後の6試合23打数で打率.348/出塁率.429/長打率.435/OPS.863、対左投手にも打率.333/出塁率.400/長打率.444/OPS.844と結果を残していますが、ロバートソンが選ばれたことになります。

つまり試合数が少ないとは言え結果を残している青木宣親を戻すよりも、ダニエル・ロバートソンを試すことを選んだということになりますので、マリナーズ内での評価が高いとは言えないことがうかがえます。

青木宣親の年俸550万ドルはメジャーの水準では高いものではありませんが、チーム内で10番目になる金額となっていますので、シーズンオフのマリナーズの補強としては大きい金額をかけたものでした。

そのため再度チャンスが与えられる可能性はあるものの、外野手ではステファン・ロメロが打率.332/出塁率.387/長打率.553/OPS.940と結果を残しているため、現在の3Aでの成績を維持できなければ、それも確実ではないと言えそうです。

青木宣親のメジャーでのキャリアは一つの正念場を迎えつつあると言えそうです。

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