チームを再建モードに移行させることを明言したフィリーズですが、その言葉通り全ての選手のトレードに関するオファーに耳を傾けて、交渉に応じているようです。
ルーベン・アマロ・ジュニアGMも、長期的で継続的な成功のために動いているとし、さらに「すべての選手の交渉に応じている」とメディアの取材にも応えています。
そしてそのフィリーズに関して、ライバルチームの幹部は「彼らはすべてを壊そうとしている」とし、さらに“Everyone is for sale.(全員が売りに出されている)”と述べているとCSNPHILY.COMのJim Salisburyが伝えています。
このような、フィリーズが例外を設けずに話に応じていることが、内部だけでなく外部からの発言でも裏付けられています。
GMミーティングでもその動向が注目されているフィリーズ
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2014年11月12日現在で、トレードについてメディアによって情報が流れている選手は、コール・ハメルズ、ライアン・ハワード、マーロン・バード、ジミー・ロリンズらです。
それらの選手についての最新情報まとめています。
コール・ハメルズ(30歳・SP)
- 2014年成績:30試合204.2回/防御率2.46/9勝9敗/奪三振198/WHIP1.15
- 契約:4年9000万ドル+チーム(2000万ドル) or 自動更新(2400万ドル)
コール・ハメルズのトレードの相手先として名前が上がっているのはレッドソックスとカブスの2球団です。この2チームはプロスペクトが豊富なため、コール・ハメルズに見合う選手を用意できると見られています。
ただ、問題なのは20チームに及ぶトレード拒否権を有していることなのですが、その中にはレッドソックスとカブスも含まれているとされます。
しかし、ボストン・グローブのNick Cafardoがハメルズの代理人と直接コンタクトしたところ、それらのチームでプレーしたくないと確認できたようです。
2019年の契約が2000万ドルのチームオプション、もしくは2400万ドル自動更新オプションとなっているのですが、そのオプション行使を確約してくれることを望んでいるため、リストに入れているようです。
つまり、カブスやレッドソックスに対してはトレード拒否権を持つため、必ずハメルズの承諾が必要になります。そのトレードを承諾する代わりに、オプションを確約させることを目的として、拒否権リストにこの2チームを入れているようです。
仮にオプションを行使することを前提とすると、契約は5年1億1000万ドルとなるのですが、このオフにマックス・シャーザーとジョン・レスターはこれ以上の金額と契約年数を手にすると見られていて、ジェームズ・シールズもこれに近いものになる可能性があります。
そう考えれば、MLBでもトップクラスのスターターをこの値段で獲得できるのは、悪い話ではありません。
フィリーズはレッドソックスの選手のスカウティングを熱心に継続してて、それらのプロスペクトを気に入っているとも伝えられていますし、レッドソックスやカブスの両チームはFAかトレードで先発投手2人は獲得すると予想されていますので、今後の動きが注目されます。
ライアン・ハワード(34歳・1B)
- 2014年成績:153試合569打数/打率.223/本塁打23/打点95/OPS.690
- 契約:2年5000万ドル+2300万ドルチームオプション(1000万ドルのバイアウト)
CSNPHILY.COMのJim Salisburyによると、6000万ドルになる巨額の契約がネックとなっているライアン・ハワードですが、その大部分をフィリーズが負担する意向だと伝えています。
確定している契約は5000万ドルで、2017年はチームオプションとなっているのですが、行使せずに破棄する場合には1000万ドルの支払いが生じるため、実際には6000万ドルの支払いが確定しているため、Jim Salisburyは6000万ドルと表現しています。
成績が下降し、故障が多くなっている上に、この巨額の契約がネックとなっているライアン・ハワードですが、年俸の負担が少なければ興味を示す球団はあると予想され、特にDHでも起用ができるア・リーグが有力候補となりそうです。
獲得に興味を示しているチームとして、ビリー・バトラーがFAとなったロイヤルズがDH候補として考えているとUSAトゥディが伝えました。
しかし、地元メディアは詳しい関係者からの情報として、このオフでうまく補強できなかった場合のオプションの1つとしてしかロイヤルズは考えていないと伝え、本格的なものではないと否定的です。
地元メディアが予想するように、このオフの深まった時期に、一塁とDHの穴が埋まらないチームが触手を伸ばすというのが、妥当なラインとなりそうです。
マーロン・バード(37歳・OF)
- 2014年成績:154試合591打数/打率.264/本塁打25/打点85/OPS.757
- 契約:1年800万ドル+自動更新オプション800万ドル
2015年に600打席、もしくは2015年に550打席で、さらに2014年との合計で1100打席に到達すると自動更新オプションが有効になります。
2014年に637打席に立っていますので、2015年に550打席で条件を満たせるため、故障がなければ到達できるオプションとなっています。
マーロン・バードはレイズ、ブルージェイズ、マリナーズ、ロイヤルズの4球団へのトレード拒否権を持っていますが、このオプションを確約してくれれば、それらのチームへのトレードも応じる姿勢です。
現在、そのマーロン・バードに興味を持つチームは多く、具体的に名前が上がっているのは、トリー・ハンターとビクター・マルティネスがFAとなったデトロイト・タイガースと、シンシナティ・レッズとなっています。
攻撃力のある右打ちの外野手は、このオフの移籍市場では人材が乏しいため、マーロン・バードの引き合いが多いことは確実です。
年俸も手頃な値段で、トレード拒否権も小さいため、早い段階で動く可能性があるのがマーロン・バードです。
ジミー・ロリンズ(35歳・SS)
- 2014年成績:138試合538打数/打率.243/本塁打17/打点55/OPS.717
- 契約:1年1100万ドル
FA市場でショートの人材が乏しいこともあり、注目を集めているのがジミー・ロリンズです。
ニューヨーク・ポストのJoel Shermanは、ニューヨークの2チームだけでなく、ショートの補強をしたいチームにとって、ジミー・ロリンズは興味をひかれる選択肢だろうと述べています。
Joel ShermanはOPSは.717に本塁打は17本で、盗塁も28個決めている。しかも守備力でも素晴らしい水準を維持しているからだと、その理由を説明しています。
ジミー・ロリンズの2014年の守備のスタッツは、規定試合数に到達したMLBの遊撃手21名中で、守備率(.988)が1位、レンジファクター(アウト寄与率)が8位と高い水準をキープしています。
また打撃面でも遊撃手の中では本塁打17本が4位、OPS.717が同8位、盗塁28個が同3位と、35歳ではあるのですが、いまだMLB屈指の走攻守を兼ね備えたショートストップです。
そのため興味を抱く球団が多く現れることは、極めて自然のことと言えそうです。
実際にショートの補強に動いているニューヨーク・メッツがフィリーズにロリンズのトレードを打診したと、ESPNニューヨークのAdam Rubinが伝えています。
ただ、その話は10&5ルールにより全球団へのトレード拒否権を持つロリンズが、フィラデルフィアを離れたくないため、退けられたとも付け加えています。
フィリーズに強い愛着を持つ選手のため、トレードに応じるかは非常に微妙です。
しかし、J.J.ハーディが契約延長し、ハンリー・ラミレスが他のポジションで守ることも受け入れる姿勢のため、ショートよりも、サード、ファースト、指名打者、レフトなどで価値を見出されつつあり、実際に残る遊撃手のオプションはアズドルバル・カブレラ、ジェド・ラウリーとなり、人材不足となっているFA市場です。
そのため引き続き、獲得の打診をするチームは現れてきそうです。
以下の条件を満たしている選手に、全球団へのトレードを拒否する権利を与えるというものです。
- シーズンを通じてメジャーのアクティブロースター(25人枠)にいた年が10年以上
- 直近5年間が現在の所属チームでプレーしている
この条件を満たしている選手をトレードに出す場合には、チームは本人の同意を得ることが必要となります。
総括・まとめ
フィリーズに関しては、まだ憶測の段階を出ないものもありますが、ドモニク・ブラウン(打率.235/本塁打10/打点63/OPS.634)やケン・ジャイルズ(45.2回/防御率1.18/奪三振64/WHIP0.79)などの名前も上がっています。
すべての選手の交渉に応じると述べていますので、当然のこととは言えます。
このオフのブロックバスタートレードを生み出す可能性が大いにあるフィラデルフィア・フィリーズです。
フィラデルフィア・フィリーズに関する情報はこちらのページです。