ニューヨーク・ヤンキースの年俸総額と2016年シーズンに向けた補強の展望

New York Yankees Top Catch

久々のポストシーズン進出とはなったもののワイルドカードゲームの1試合で敗退し、レギュラーシーズン終盤の失速で地区優勝を逃したこともあり、地元メディアの論調は厳しいものがあるヤンキースです。

ヤンキースの2015年開幕時の年俸総額は2億1775万8571ドルで、ぜいたく税のラインである1億8900万ドルを大きく超えていました。

この1億8900万ドルの設定は2016年まで継続されることになっているのですが、ヤンキースはかなりクリエイティブなトレードをしないかぎり、2016年もこのラインを超えることが確実な状況となっています。

そのヤンキースの2016年シーズン以降に残る長期契約と、2016年のロースター編成、そして補強ポイントなどをまとめていきたいと思います。

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ヤンキースの抱える2016年シーズン以降も残る長期契約と年俸総額について

ヤンキースの抱える2016年シーズン以降も残る長期契約と年俸調停権についてまとめた表は以下のとおりとなっています。

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CCサバシアが2500万ドル、田中将大が2312万5000ドル、ジャコビー・エルズベリーが2114万2857ドル、アレックス・ロドリゲスが2100万ドル、ブライアン・マッキャンが1700万ドル、カルロス・ベルトランが1500万ドル、ブレット・ガードナーが1350万ドル、チェイス・ヘッドリーが1300万ドル、アンドリュー・ミラーが900万ドル、ブレンダン・ライアンが100万ドルという契約がすでに確定しています。

ここにマーティン・プラドのトレードの際の負担することになった300万ドルが加わり、1億8376万7857ドルが固定されている状況で、ぜいたく税のライン目前となっています。

さらに年俸調停の選手が加わることになるのですが、年俸がイバン・ノバ(2015:330万ドル)、ネイサン・イオバルディ(同330万ドル)、ダスティン・アクリー(同260万ドル)、マイケル・ピネダ(同210万ドル)らがいて年俸が上昇することが確実で、合計で1700万ドル程度にはなると予想されます。

さらに年俸調停1年目となるアダム・ウォーレン、ジャスティン・ウィルソン、ディディ・グレゴリウスらも年俸上昇が確実で、この3人で500万ドル程度は見積もる必要があります。

これらの金額を合計すると年俸総額は2億ドルの大台に早々に達することになります。

そのため大物FA選手の獲得は容易に踏み切れない状況となっています。

さらに問題なのは2017年もまだ多くの契約が残っていることです。すでに確定しているだけで1億2064万3000ドルとなっているのですが、サバシアの2017年の契約は自動更新オプションで500万ドルのバイアウトが設定されているのですが、有効になる可能性が高いと予想されます。

CCサバシアの2017年のオプションは (1)左肩の故障によるDLで2016年シーズン終了を迎えない、(2)左肩の故障によって2016年にDL入りしていた日数が45日より多くならない、(3)左肩の故障により2016年に6試合より多くリリーフ登板しない、という3つの条件を満たせば自動更新されます。

いずれも左肩の故障によるもので、現在抱えているアルコール依存症や膝の問題でDL入りなどをしていても影響はありません。そのため現時点では自動更新されることを想定する必要があります。

そうなると2017年シーズンに2000万ドル(バイアウト500万ドルが1億2064万3000ドルに含まれているため)の契約が上積みされ、すでに1億4000万ドルが2017年に固定されていることになります。

FAとなったのはクリス・ヤング(250万ドル)、クリス・カプアーノ(500万ドル)、スティーブン・ドリュー(500万ドル)と、年俸総額の削減幅はわずかなため、年俸に柔軟性がない状態でシーズンオフを迎えているヤンキースです。

2016年シーズンのロースター編成と補強ポイント

【スターティングラインナップ】

  • 捕手:ブライアン・マッキャン/JRマーフィー
  • 一塁手:マーク・テシェイラ
  • 二塁手:ロブ・レフスナイダー/ダスティン・アクリー
  • 三塁手:チェイス・ヘッドリー
  • 遊撃手:ディディ・グレゴリウス
  • 左翼手:ブレット・ガードナー
  • 中堅手:ジャコビー・エルズベリー
  • 右翼手:カルロス・ベルトラン
  • 指名打者:アレックス・ロドリゲス

【控え・バックアップ】

  • 一塁手:グレッグ・バード
  • 内野UT:ブレンダン・ライアン
  • 外野手:メイソン・ウィリアムズ
  • 外野手:スレイド・ヒースコット

すでに陣容がほぼ固まっている状態で、トレードで長期契約を結んでいる選手を動かさない限り、スペースができない状態です。

問題とされているのがアレックス・ロドリゲスとマーク・テシェイラの両者が健康であれば、46試合157打数で打率.261/本塁打11/打点31/出塁率.343/長打率.529/OPS.871と活躍したグレッグ・バードを起用するポジションがないことです。

ブライアン・キャッシュマンGMはグレッグ・バードに他のポジションを守らせるつもりはないと話していて、この一塁/指名打者のダブつきは解決する必要があると認めています。

その中でも唯一野手のポジションの中で補強ポイントとされているのがレフスナイダーとアクリーのプラトーンが想定されているセカンドです。

スティーブン・ドリューとの再契約はさすがに選択肢としてはないようで、ベン・ゾブリスト、ダニエル・マーフィー、ハウィー・ケンドリック、チェイス・アトリーらの名前が挙がっています。

特にベン・ゾブリストはトレード期限前に獲得に動いたものの交換要員としてレフスナイダーとアダム・ウォーレンが必要だったため断念したことをブライアン・キャッシュマンGMが認めています。

ダニエル・マーフィーとハウィー・ケンドリックの2人はクオリファイングオファー(以下QO)を受けたためドラフト指名権の問題がありますので、QOを提示されていないベン・ゾブリストとチェイス・アトリーの方が可能性がありそうです。

後は噂が絶えないのはブレット・ガードナーをトレードに出して、若い先発投手を獲得して空いた外野手の枠にジェイソン・ヘイワード、ジェラルド・パーラといったFA外野手を獲得するというものです。

FA外野手にはジャスティン・アップトン、ヨエニス・セスペデスといった大物もいますが、必要な金額を考えると現実的な選択肢ではなさそうです。

ブレット・ガードナーと年俸調停権を手にして年俸が上がり始めるアダム・ウォーレンをセットにしてトレードに出すのではないかとの予測は、複数のメディアで見られますので、この2人が交換要員となるトレードの可能性はありそうです。

予想される先発投手とブルペンの編成は以下のとおりとなっています。

  1. 田中将大
  2. マイケル・ピネダ
  3. ルイス・セベリーノ
  4. ネイサン・イオバルディ
  5. CC.サバシア
  • クローザー:アンドリュー・ミラー
  • セットアップ:デリン・ベタンセス
  • リリーフ:ジャスティン・ウィルソン
  • リリーフ:チェイスン・シュリーブ

先発ローテはイバン・ノバ、アダム・ウォーレン、ブライアン・ミッチェルなどのがバックアップとなります。

田中将大がNO.1だとジョー・ジラルディ監督らは話しているものの、地元メディアはその言葉をそのまま素直に信じてはいません。

このオフは右肘の不安に加えて、エースとしての能力・実力に疑問符をつける地元メディアの論評も増えました。

他球団のスカウトたちが、「手堅いNO.2もしくはNO.3スターター」だと評価していること、「スライダーやカッターにもっと鋭さがなければNo.1スターターとしては苦しい」、「2年平均で22試合145.1イニングしか投げていない」「防御率3.51と年俸に見合うような圧倒的な成績ではない」といったようなコメントも見受けられるなど、風当たりは強くなりつつあります。

防御率3.51/12勝7敗/WHIP0.99は酷評されるような数字ではないのですが、被本塁打が多く相手を制圧するような試合が減った上に、年俸が2200万ドルと”メジャートップクラスの絶対的なエース価格”となっているため投資に見合わないと判断されてしまい、中にはサバシアのように焦げ付いた投資になるのではないかとの危惧する声も地元メディアにはあります。

辛辣なニューヨークメディアを封じ込めるためにも2016年は勝負の年となりそうです。

田中将大がNo.1ではないという評価に加えて、マイケル・ピネダが故障がちで不安定、イオバルディも不安定、サバシアはアルコール依存症と膝の問題であてにできないなど、先発ローテは酷評されることが多く、補強ポイントとなっています。

ただ、予算に余裕がありませんので、デビッド・プライス、ザック・グレインキー、ジョニー・クエト、ジョーダン・ジマーマンといった高額な契約が必要なトップスターターではなく、セカンドグループとされるチェン・ウェイン、ジェフ・サマージャなどが候補として名前が挙がっている状況です。

さらにはそれらのFA選手すら獲得せず、昨シーズンオフにディディ・グレゴリウスやネイサン・イオバルディを獲得したようなトレードで、チームがコントロールできる年俸の低い若い選手を獲得するのではないかとの見方も根強くあります。

「ヤンキースはヤンキースだ」として大型補強の可能性は消せないものの、現時点では大きな補強がないだろうとの見方が大勢を占めつつある印象です。

ブルペンに関してはクローザーのアンドリュー・ミラー、セットアップのデリン・ベタンセス、そしてジャスティン・ウィルソンの3人は信頼できると多くの地元メディアが評価するものの、それ以外のリリーフ投手は心もとないとの声が少なくありません。

またデリン・ベタンセスは74試合84.0回で防御率1.50/奪三振131/WHIP1.01と圧倒的な成績を残したのですが、シーズン終盤には息切れを起こしていたことが懸念されています。

ベタンセンスは最初の56試合64.0回では防御率1.12/奪三振101/与四球26/被本塁打2だったのですが、終盤の18試合は20イニングで防御率2.70/奪三振30/与四球14/被本塁打4と圧倒的な存在感は失われていました。

このようなリリーフ投手の負担を減らすためにも先発ローテを強固にすることが必要なのですが、それと同時にリリーフ陣の層を厚くする必要があります。

そこでメディアで予想されているのがトレードでパドレスのクレイグ・キンブレルを獲得することです。

このキンブレルの獲得に関しては、7月のトレード期限前に動いていましたので、再度シーズンオフに獲得に動くだろうと見られています。

ウィルソン、キンブレル、ベタンセス、ミラーと4人が並べばロイヤルズにも劣らないリリーフ陣となりますので、注目される動きの1つとなりそうです。

ヤンキースというチームのためFAで大型補強での可能性は否定できませんが、現時点では年俸総額を長期にわたり膨らませてしまう大物FA選手というよりも、中堅クラスのFA先発投手/野手の獲得、もしくはすでにメジャーレベルの選手らをパッケージにしてのトレードという動きが多くなりそうな気配となっています。