ナショナルズの2015年シーズンの年俸総額が与えるオフの補強への影響は?FA選手獲得と契約延長に大きな関係が

Washington Nationals Top Catch

バランスのとれた戦力を有し、2位に17ゲーム差をつけて、ナ・リーグ東地区を独走で制したナショナルズですが、プレーオフではディビジョン・シリーズでサンフランシスコ・ジャイアンツに敗れてしまいました。

この3年間で2度の地区優勝も、いずれもディビジョン・シリーズで敗退という、やや消化不良となっているナショナルズですが、ロースター全体としては穴が少なく、オフの課題が少ないと考えられるチームの1つです。

ただ、年俸総額によってオフの補強が制約される可能性があると考えられる状況です。

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ナショナルズはすでに2014年を上回る年俸の支払いが確定している状況

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ナショナルズは2014年開幕時の年俸総額がベースボールプロスペクトのデータでは、1億3,685万6,579ドルでMLB全体で7番目の規模となっていました。この金額に関して、ナショナルズの筆頭オーナーであるテッド・ラーナーは、予算のラインを上回っていると、その時点でコメントしていました。

オーナーであるテッド・ラーナーが年俸総額膨れ上がることに対して懸念を示していたことと、戦力的には整っていたため、シーズン中の補強は小規模なものでした。

しかし、2015年は契約が確定している選手と年俸調停権を有する選手の想定年俸を合計すると、すでに2014年の金額を上回っています。

すでにナショナルズが来年に支払う義務がある年俸は以下のとおりとなっています。

          

  • ライアン・ジマーマン(1B/30歳):1400万ドル
  • ジェイソン・ワース(OF/36歳):2100万ドル
  • ジオ・ゴンザレス(SP/29歳):1100万ドル
  • ジョーダン・ジマーマン(SP/29歳):1650万ドル
  • イアン・デズモンド(SS/29歳):1100万ドル
  • ネイト・マクラウス(OF/33歳):500万ドル
  • マット・ソーントン(RP/38歳):350万ドル
  • ブライス・ハーパー(OF/22歳):225万ドル
  • デナード・スパン(OF/31歳):900万ドル
  •       

この9人で合計9325万ドルが確定している状態となっています。

そして年俸調停権を有する主な選手ではダグ・フィスターが1100万ドル超、タイラー・クリッパードが900万ドル超、スティーブン・ストラスバーグが800万ドル超となり、この3人だけで3000万ドル近くに達します。

その他にもドリュー・ストーレンやロス・デトワイラーなどもいて、合計で11名が年俸調停権を有しているのですが、概算で5000万ドルに到達すると見こまれています。

そのため年俸が確定している選手9人分と年俸調停11人分の合算が1億4325万ドルに到達していて、すでに2014年シーズン開幕時の年俸総額を上回っています。

その状況でナショナルズは以下の選手がFAとなりました。

  • アダム・ラローシュ(1B)
  • ラファエル・ソリアーノ(RP)
  • アズドルバル・カブレラ(SS/2B)
  • ネイト・シャーホルツ(OF)
  • スコット・ヘアストン(OF)

このうち、一塁、クローザー、バックアップの外野手はある程度のメドがついているものの、二塁手、ベンチ要員の外野手、ブルペンの強化が課題となっている状況のナショナルズです。

しかし、上記のような年俸総額の状況のため、補強のための資金は十分ではないと考えられる状況なのですが、マイク・リゾGMは予算に柔軟性はあり、そのことによる制限はないと語ったことをワシントン・ポストが伝えています。

ただ、これからも資金を大量に注ぎ込むということではなく、スマートにお金を動かしていくことで、チームを向上させるとも付け加えています。

チーム強化のための資金源はどうなる?

仮にトレードで選手を放出しない場合には、これからさらに膨らんでいく予算総額を賄うための収入源が必要となるのですが、いくつかの道がメディアによって報じられています。

まず1つ目は観客動員の増加です。2014年は257万9,389名を動員し、MLB全体で12番目でしたが、前年比では7万3,033名減でした。

ただ、一般的に優勝の翌年はチケットの売れ行きが多くなるため、2015年は観客動員増が期待できます。実際に2012年に地区優勝した後の2013年は28万1628名も前年よりも増加しています。

同様の観客動員増が2015年シーズンに期待できるため、そのことによる収入増を見込んで、予算を組むというのが1つの道です。

そしてもうひとつは現在、オリオールズが所有するMASN(Mid-Atlantic Sports Network)とテレビ放映権について行われている訴訟で勝利することによる収入増です。

放映権料としてMASNは3400万ドルの支払っていたようですが、ナショナルズが1年1億900万ドルを要求し、折り合えなくなた結果、MLBが仲裁に入り、新たに放映権料を設定しました。

しかし、それをMASNが拒否し、裁判に持ち込まれています。そのMLBが提示した金額は以下のようなものだと報じられています。

  • 2012年:5317万0,018ドル
  • 2013年:5625万3,879ドル
  • 2014年:5934万7,843ドル
  • 2015年:6261万1,974ドル
  • 2016年:6674万4,364ドル

2012-14年の3年間で毎年3400万ドルを放映権料としてMASNが支払っていたようですが、MLBの仲裁した内容が裁判で支持された場合には、さかのぼって2012年と2013年分が4225万ドル、2014年分で2535万ドルをナショナルズは受け取ることこになるとワシントン・ポストが伝えています。

この裁判の行方は2015年3月頃に決着が着くと見られていて、勝訴した場合にはナショナルズの補強、もしくは契約延長のための資金源とすることが出来る見込みです。

そして3つ目の資金源は、オーナーの豊富な個人資産です。筆頭オーナーのテッド・ラーナーは2002年2月にナショナルズをMLBから4億5000万ドルで買い取っていますが、その後、ナショナルズは年俸総額を増やしています。

  • 2002年:3,867万0,500ドル
  • 2003年:5,194万8,500ドル
  • 2004年:4,119万7,500ドル
  • 2005年:4,858万1,500ドル
  • 2006年:6,314万3,000ドル
  • 2007年:3,734万7,500ドル
  • 2008年:5,496万1,000ドル
  • 2009年:6,032万8,000ドル
  • 2010年:6,627万5,000ドル
  • 2011年:6,830万6,929ドル
  • 2012年:9,253万4,929ドル
  • 2013年:11,828万9,679ドル
  • 2014年:13,685万6,579ドル

これらの投資が可能なのはテッド・ラーナーが巨大な資産を持っているからでもありました。フォーブスによるとテッド・ラーナーは資産を40億ドル(約4744億円)保持し、MLBで2番目に資産を持っているオーナーだとされています。

そのため資金がないわけではありません。

そして、テッド・ラーナーが買収の際に、球団のことを”公益信託”と呼び、10年間は利益を受け取らないと語ったこと、6億1100万ドルの公的資金によって建設された球場を使っていること、さらにはナショナルズの球団としての価値が買収した4億5000万ドルよりも高い、7億ドルと評価されていることなどを、地元メディアは列挙して、お金を出せるだろうと述べています。

それでも、お金をただ注ぎこむのではなく、スマートにお金を使うことにこだわるならば、それはないかもしれないとも予想されています。

もし年俸総額をこれ以上増やさないことにこだわるならば、外部からの補強はもちろんのこと、2015年と2016年シーズン終了後にFAとなるであろう主力選手を引き留める契約を提示することも難しくなります。

これらの3つの資金源は、いずれも保証されたものではなく、いずれも成立しない可能性があります。

このような状況下で、ナショナルズはロースターを編成する上で、いくつかの決断すべき重要な問題を抱えています。

そのことについては、次回の投稿でまとめていく予定です。