なぜ大型契約の成否を1年目の成績だけで判断すべきではないのか?

6年1億2600万ドルの大型契約を結んだダルビッシュ有でしたが、その契約1年目は8試合40イニングしか投げることができず、しかもその成績は防御率4.95、WHIP1.43という数字となりました。

ダルビッシュではなくジェイク・アリエッタ(3年7500万ドル、25試合144回1/3、防御率3.37、WHIP1.22)と再契約すべきだったとの声もカブスファンからは出てしまうのも仕方のない1年目となってしまいました。

しかし、「1年目の結果だけで、大型契約の成否を判断すべきではない」とCBSスポーツのマット・スナイダー氏は述べて、現時点で契約を非難するのはフェアではないとダルビッシュを擁護しています。

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1年目で長期の大型契約を判断すべきではない理由とは

CBSスポーツのマット・スナイダー氏は記事の冒頭部分で以下のように述べています。

I say this amid Yu Darvish’s situation, sure, but this doesn’t necessarily mean that I think Darvish’s contract will turn out to be a good one for the Cubs or that he’ll end up being a bust. Anything on the board is possible. His specific case got me thinking about why we shouldn’t judge just yet, though, because there are so many examples throughout history of the first year not being like the rest of the contract. Let’s run through some recent examples.

「ダルビッシュとの契約はカブスにとって良いものとなる可能性あるし、また最終的に失敗になる可能性もあり、現在の状況だけではどちらとも判断できない」とスナイダー氏は述べています。その根拠として「大型契約の1年目の成績が、必ずしも残る契約期間中の成績に反映されないケースが多くある」からだ述べて、その具体例をスナイダー氏は列挙しています。

その内容の要約は以下のとおりとなっています。


プリンス・フィルダー

2012年シーズン前に9年2億1400万ドルで契約、その1年目の2012年は打率.313/出塁率.412/長打率.528/30本塁打という成績でOPSはリーグ平均を51%上回り、三振の数が四球の数を下回る。タイガーズがアリーグを制覇することに貢献し、MVP投票で9位に。しかし、その後タイガーズでプレーしたのは2013年の1年だけで、トレード移籍後のレンジャーズでは、3シーズンで289試合にしか出場できず、そのまま引退。契約の支払いは2020年まで続く見込み。2016年でのレンジャーズで良いシーズンを過ごしたが、故障が多かった。

ジェイソン・ワース

2011年シーズン前に7年1億2600万ドルで契約した後の1年目は打率.232/出塁率.330/長打率.389でOPSはリーグ平均を3%下回り、WAR(Win Above Replacement: 同じポジションの代替可能な選手に比べてどれだけ勝利数を上積みしたか)は前年の4.5から1.3に下落。しかし、その次の3シーズンのトータルでは打率.303/出塁率.394/長打率.479でOPSはリーグ平均を39%上回り、2シーズンでWARが4.0を超え、ワースの契約期間中ナショナルズは4度もプレーオフに進出した。クラブハウスでの影響力も大きく、ダスティ・ベーカー前監督は今年の低迷の理由の一つに上げるほど。契約の成否は1年目の成績ではなく、全体の成績で判断すべきという典型的な例。

ジョン・レスター

2014年のウィンター・ミーティング中に6年1億5500万ドルでカブスと契約も、2015年の開幕から4試合は防御率6.23と苦しみ、シーズン全体でも11勝12敗、防御率3.34、WHIP1.12と月並みな数字に終わる。酷いシーズンではなかったが31歳という年齢もあり、残る契約が機能するか懸念されるも、2016年はサイヤング賞投票で2位となり、ポストシーズンでもエースとしての活躍を見せ、1908年以来のワールドシリーズ制覇に貢献した。フランチャイズ史上、ベストの契約とも言えるものとなっているが、1年目を終えた時点ではこうなることは予想されていなかった。

ジャコビー・エルズベリー

レッドソックスのワールドシリーズ制覇に貢献した後、ヤンキースと7年1億5300万ドルで契約。1年目の2014年はOPSがリーグ平均を11%上回り、39盗塁、WARは3.6という成績で、素晴らしくはなかったが、許容範囲内の数字を残した。しかし、それ以降は打率.261/出塁率.331/OPS.372とOPSがリーグ平均を11%mも下回り、4シーズン合計でもWARが6.3にとどまっている。しかも2018年はシーズン全体を棒に振っている。契約は2020年まで残っているが、失敗と判断するのに十分な時間がすでに経過している。

A.J.バーネット

2009年シーズン開幕前に5年8250万ドルでヤンキースと契約し、1年目は防御率4.04でリーグ平均を14%も上回る。ポストシーズンでは先発ローテのNO.2を務め、ワールドシリーズ制覇に貢献した。しかし、次の2シーズンは21勝26敗、防御率5.20、WHIP1.47と低迷し、WARは-0.7を記録。ヤンキースは2011年シーズン後に、契約の一部を負担し、質の高くはない選手2人と交換トレードでバーネットを放出している。1年目の成績は契約全体の評価に反映されていない。

ミゲル・カブレラ

タイガーズのレジェンドであるミゲル・カブレラは2016年から2023年までの8年2億4000万ドルという巨額の契約延長を結んだ。2016年のカブレラは打率.316/出塁率.393/長打率.563/38本塁打/108打点という成績で、彼らしい素晴らしい成績だった。しかし、2017年は打率.249/出塁率.329/長打率.399でOPSはリーグ平均を8%下回り、2018年は38試合にしか出場できていない。さらに来年は36歳になる。全盛期のタイガーズへの貢献度の大きさ考えれば、大型契約を手にするのは相応しいが、ただ、この契約そのものはタイガーズを助けるものとはなっていない。


1年目はイマイチだったものの、2年目以降に契約に見合った活躍を見せた選手としてジェイソン・ワースとジョン・レスターの2人、逆に1年目は良かったものの、その後の成績が契約と釣り合いがとれていない選手としてプリンス・フィルダー、ミゲル・カブレラ、ジャコビー・エルズベリー、A.J.バーネットの4人があげられています。

レッドソックスのJ.D.マルティネスとの契約が大成功の例として注目されていますが、それに対しても時期尚早で、大げさに反応しないほうが良いとも、マット・スナイダー氏は記事の最後の部分で述べています。

ダルビッシュの1年目はイマイチなものだったことは認めざるを得ない状況です。ただ、残る5年間で評価を覆し、アリエッタではなくダルビッシュで良かったと考えられるようになる可能性は十分にあります。

来シーズン途中で33歳になるダルビッシュですが、万全の状態で開幕を迎え、現在の評価を覆すような活躍が期待されます。

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