2017年 MLBトレード期限前の補強動向の一覧とレビュー

2017年メジャーリーグのトレード期限前に成立したトレードの一覧

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2017年メジャーリーグの期限前のトレード補強の口火となったとされているレイズのアデイニ-・エチェバリア獲得以降のトレードの一覧は以下のとおりとなっています。なお、一部、マイナーな動きと思われるものは除外しています。すべての動きを見たい場合には「MLB(メジャーリーグ)-FA・トレード最新情報(2016-2017)」のページをご覧ください。

日付 チーム:獲得選手 チーム:獲得選手
06/26 TB:アデイニ-・エチェバリア MIA:イーサン・クラーク
MIA:ブラクストン・リー
07/02 TEX:ジェイソン・グリーリ TOR:エドアルド・ピント
07/03 TOR:ミゲル・モンテロ CHC:後日指名 or 金銭
07/13 CHC:ホセ・キンタナ CHW:エロイ・ヒメネス
CHW:ディラン・シーズ
CHW:マット・ローズ
CHW:ブライアント・フリート
07/13 NYY:ギャレット・クーパー MIL:タイラー・ウェッブ
07/16 WSH:ショーン・ドゥーリトル
WSH:ライアン・マドソン
OAK:シェルドン・ヌース
OAK:ブレイク・トレイネン
OAK:ヘスス・ルザルド
07/18 NYY:トッド・フレイジャー
NYY:デビッド・ロバートソン
NYY:トミー・カインリー
CHW:タイラー・クリッパード
CHW:ブレイク・ラザフォード
CHW:イアン・クラーキン
CHW:ティト・ポロ
07/18 TB:チャズ・ロー ATL:後日指名 or 金銭
07/18 ARI:J.D.マルティネス DET:ダウェル・ルーゴー
DET:セルヒオ・アルカンターラ
DET:ホセ・キング
07/20 SEA:デビッド・フェルプス MIA:ブライアン・ヘルナンデス
MIA:ブランドン・ミラー
MIA:パブロ・ロペス
MIA:ルカス・シラルディ
07/22 TB:セルジオ・ロモ LAD:後日指名 or 金銭
07/23 NYY:ライアン・マクブルーム TOR:ロブ・レフスナイダー
07/23 TOR:ニック・テペッシュ MIN:金銭
07/24 CHW:ジーン・マチー
CHW:マーク・ロウ
SEA:金銭
07/24 MIN:ハイメ・ガルシア
MIN:アンソニー・レッカー
ATL:ハスカー・イノア
07/24 KC:トレバー・ケーヒル
KC:ブランドン・マウラー
KC:ライアン・バクター
SD:トラビス・ウッド
SD:マシュー・ストラハム
SD:エスチュエリ・ルイズ
07/25 MIL:アンソニー・スウォーザック CHW:ライアン・コーデル
07/26 BOS:エドゥアルド・ヌニェス SF:グレゴリー・サントス
SF:ショーン・アンダーソン
07/27 COL:パット・ネシェック PHI:ホセ・ゴメス
PHI:J.D.ハマー
PHI:アレハンドロ・レクエナ
07/27 ARI:ジョン・ライアン・マーフィー MIN:ガブリエル・モヤ
07/27 TB:ダン・ジェニングス CHW:ケイシー・ギラスピー
07/27 TB:ルーカス・デューダ NYM:ドリュー・スミス
07/28 TB:スティーブ・シシェック SEA:エラスモ・ラミレス
07/28 WSH:ハウィー・ケンドリック PHI:マッケンジー・ミルス
07/28 NYM:A.J. ラモス MIA:メランディ・ゴンザレス
MIA:リカルド・セスペデス
07/29 BAL:ジェレミー・ヘリクソン BAL:金賢洙
BAL:ギャレット・クレベンジャー
07/30 NYY:ハイメ・ガルシア MIN:ザック・リッテル
MIN:ディートリック・エンス
07/30 KC:メルキー・カブレラ CHW:A.J. プケット
CHW:アンドレ・デービス
07/30 COL:ジョナサン・ルクロイ TEX:後日指名 or 金銭
07/31 CHC:ジャスティン・ウィルソン
CHC:アレックス・アビラ
DET:ハイマー・アルカンターラ
DET:アイザック・パレデス
DET:後日指名 or 金銭
07/31 MIL:ジェレミー・ジェフレス TEX:テイラー・スコット
07/31 LAD:トニー・ワトソン PIT:後日指名 or 金銭
07/31 HOU:フランシスコ・リリアーノ TOR:青木宣親
TOR:テオスカー・ヘルナンデス
07/31 BOS:アディソン・リード NYM:ジェルソン・バティスタ
NYM:ジェイミー・カルフーン
NYM:スティーブン・ノゴセク
07/31 CLE:ジョー・スミス TOR:トーマス・パンノン
TOR:サマド・テイラー
07/31 LAD:トニー・シングラーニ CIN:スコット・バンスライク
CIN:ヘンドリック・クレメンティナ
07/31 WSH:ブランドン・キンツラ- MIN:タイラー・ワトソン
MIN:インターナショナルボーナススロット
07/31 ARI:デビッド・ヘルナンデス LAA:ルイス・マデロ
07/31 PIT:ホアキン・ベノワ PHI:セス・マガリー
07/31 NYY:ソニー・グレイ OAK:ダスティン・ファウラー
OAK:ホルヘ・マテオ
OAK:ジェームズ・カプリエリアン
07/31 LAD:ダルビッシュ有 TEX:ウィリー・カルフーン
TEX:A.J. アレクシー
TEX:ブレンドン・デービス

ポストシーズンを争うチームを中心とした動向のレビュー

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このトレード期限前の補強で大幅に戦力アップしたのがニューヨーク・ヤンキースです。

ギャレット・クーパーをブルワーズから獲得シたのを皮切りに、その5日後にトッド・フレイジャー、デビッド・ロバートソン、トミー・カインリーを獲得しました。その後、一旦は息を潜めるようなかたちになったものの、30日にハイメ・ガルシア、31日にソニー・グレイと立て続けに先発投手を獲得しました。

結果として三塁手と一塁手、先発投手とリリーフ投手をそれぞれ2人ずつ獲得したことになります。ヤンキースがホワイトソックスのトレードで実は一番に狙いを定めていたのがトミー・カインリーでした。27歳で2020年までチームがコントールでき、年俸も53万5000ドルと格安で、奪三振率は15.0と圧倒的なパフォーマンスを見せていたため、ロバートソンやフレイジャー以上に欲しい選手だったようです。

ヤンキース移籍後も6試合5回1/3で9個の三振を奪うなど、奪三振率は15.2と素晴らしいパフォーマンスを継続しています。ロバートソンも来季まで契約が残るため、2018年のブルペン編成にも目途をつけることができています。

戦力アップの幅としてはヤンキースに劣るものの、元々のロースターが素晴らしいため、ワールドシリーズ制覇の最有力候補となったと言えるのがドジャースです。

ザック・グレインキーがチームを去ってから、エースのクレイトン・カーショーと並び立つようなNO.2投手がいませんでした。しかし、ダルビッシュ有を獲得したことで、左右のエースが揃うことになり、MLB最強のNO.1-2コンビが形成されることとなりました。この獲得によりカーショーが復帰すれば、先発ローテの3番手にアレックス・ウッド(防御率2.38)、4番手にリッチ・ヒル、5番手に柳賢振をおき、ブランドン・マッカーシー、前田健太をバックアップに回せることになりました。

ポストシーズンでは先発投手が3人もしくは4人いれば回せるのですが、昨年はNO.2として活躍したリッチ・ヒルが4番手となりますので、カーショーに無理をさせる必要がなくなりました。カーショーの復帰は9月頭頃と見られていますが、ダルビッシュを獲得したことで、無理をさせる必要がなくなったのも大きなプラスです。

ブルペンはすでにナ・リーグトップの防御率を記録するほど充実していたのですが、クローザーとセットアップの両方がこなせるトニー・ワトソンを獲得したことで、ケンリー・ジャンセンへの橋渡し役がより強化されました。

すでにレギュラーシーズンの優勝は確実なドジャースですが、ワールドシリーズ制覇に向けたさらなるグレードアップに成功したと言えるトレード補強でした。

ヤンキースとドジャースの両チームに言えることなのですが、必要なピースをトップクラスのプロスペクトを手放さずに獲得したことも、中長期な観点から評価できます。

ヤンキースがソニー・グレイのトレードで手放したダスティン・ファウラー、ジェームズ・カプリエリアンはともにチーム内で高い評価を得ていました。カプリエリアンは2015年ドラフト1巡目指名の投手で、シーズン開幕前には2017年の途中で戦力になると期待されていました。3Aから外野手を昇格させる際に、クリント・フレイジャーよりも先にダスティン・ファウラーを昇格させていることからも、内部での評価が両者ともに高かったことがわかります。

ただ、2人も負傷してしまい、復帰した後のパフォーマンスがどうなるのかという点において、不透明感が生じるようになっていました。ヤンキースとしてはチャンス・アダムス、ユスタス・シェフィールドらがメジャーの先発ローテに入れる投手になると判断していたこともあり、カプリエリアンの放出を決断できたようです。

アスレチックスは2人をリハビリから復帰させれば、両者ともに伸びしろの大きい選手のためチーム再建のコアとなってくれる期待はできそうです。

シカゴ・カブスはドジャースと同様にロースターに選手が揃っているため、ヤンキースほどの大幅な戦力アップは必要ではありませんでした。ただ、今季だけでなく来季に向けても必要な部分を重点的に補強していきました。

先発ローテからジェイク・アリエッタ、ジョン・ラッキーが今季終了後にFAとなりますが、最大で2020年契約が更新できるホセ・キンタナを獲得することで、今季と来季の補強を同時にすませています。

クローザーにはウェイド・デービスがいますが、こちらも今季終了後にFAとなります。セットアップマンとして優秀な実績がありますが、今季はクローザーとしても結果を残し、来季も契約をコントロールできるジャスティン・ウィルソンを獲得したことで、来季のクローザー問題も解決の目途を立てています。

カブスはヤンキースやドジャースとは異なり、チーム内のトップクラスのプロスペクトを交換要員として放出しました。これはこの2チームとのメジャーのロースターの質の違いが影響を与えています。

ヤンキースやドジャースはまだロースターの大半が若い選手で構成されるには至っていませんが、カブスは若い選手への入れ替わりが終わっています。トップクラスのプロスペクトたちがメジャーで戦力としてロースターに入ったことで、「ほとんどのポジションで数年にわたり主力」として計算できる選手が揃っている状態となりました。

トップクラスの評価ではあったもののエロイ・ヒメネス、ハイマー・アルカンターラがメジャーでは、ポジションの空きがない状態だったため、放出に応じることができました。

ドジャースとヤンキースはプロスペクトを多く抱えていますが、それらの選手がロースターの大半を占めるには至っていませんので、カブスよりは慎重な動きが目立つことになりました。

インディアンスは両リーグトップの防御率を記録しているブルペンにさらに、ジョー・スミスを加えるというものでした。元々バランスの良いロースターを抱えていることもあり、さらにブルペンを補強して、今年も継投で勝負するスタンスであることを感じさせる動きでした。

地味ながら必要なピースをしっかりと集めることができたのがカンザスシティ・ロイヤルズです。ワールドシリーズ制覇を経験しているコアメンバーが主力としていましたので、その周りを固める選手が必要でした。派手な補強ではありませんが、トレバー・ケーヒル、ブランドン・マウラー、ライアン・バクスター、メルキー・カブレラを必要を満たすトレードを成立させています。

今後がやや懸念されるのがアストロズ、ナショナルズ、レッドソックスです。

アストロズの地区制覇はゆるぎがないものですが、問題はポストシーズンです。ダラス・カイケルとともに軸となると考えられていたランス・マッカラーズ・ジュニアが後半戦に入って打ち込まれるようになりました、コリン・マクヒューがどれほど復調するかにもよるのですが、先発ローテに強力さはありません。

ブルペンに関してもクローザーのケン・ジャイルズは圧倒的な存在ではなく、クリス・デベンスキー以外のリリーフ投手には不安があります。ブラッド・ピーコックを後ろで使えるようであれば問題は軽減されますが、ポストシーズンを勝ち抜く上で、弱さを感じさせるところがあります。

トレード期限前に先発投手、リリーフ投手ともに補強に動いたものの、獲得できたのはフランシスコ・リリアーノにとどまり大幅なグレードアップはできませんでした。ポストシーズンを争う可能性が高いヤンキース、インディアンスのブルペンからは明らかに見劣りするため、今後どれだけ立て直していけるかが焦点となりそうです。

ナショナルズは弱点となっていたブルペンに、ブランドン・キンツラ-、ショーン・ドゥーリトル、ライアン・マドソンと3人を加えて、底上げすることに成功しました。ただ、それでもカブス、ドジャースのような相手を封じ込めるような編成とはなっていません。

レギュラーシーズン制覇は問題がない状況のナショナルズですが、ジョー・ロスが今季絶望となり、スティーブン・ストラスバーグも健康面に不安があるなど、強みの先発ローテも手薄になりましたので、ポストシーズンには不安を感じさせます。

レッドソックスはデビッド・プライスが左肘の炎症で離脱した先発ローテ、そして打線は本塁打が少なくパワー不足が懸念材料となっていました。しかし、先発ローテには補強はなく、三塁にはエドゥアルド・ヌニェスを獲得するにとどまりました。ブルペンにアディソン・リードを加えて、クレイグ・キンブレルの前に厚みを加えることはできたものの、ヤンキースの戦力アップにより、ロースターがやや見劣りする状態となってしまいました。

ぜいたく税の基準内に年俸総額を抑えるという目標があり、クリス・セール、クレイグ・キンブレルなどの大型トレードでファームの層が薄くなったこともあり、これ以上の大型補強は難しい状況ではありました。その結果、戦力バランスでヤンキースに逆転されてしまった感があります。

現有戦力の底上げがない限り、ヤンキースとの差を保つのは簡単ではないですし、場合によってはレイズ、マリナーズに脅かされる可能性もありそうです。

ロッキーズ、レイズ、マリナーズなどワイルドカードを争う3チームも積極的な補強に動きました。

特に効果的な補強ができたのがロッキーズでした。パット・ネシェックを加えて試合の終盤に厚みをもたせ、最大の穴となっていた捕手にジョナサン・ルクロイを獲得しています。後は、先発ローテがシーズン終盤までもちこたえることができるかが焦点となりそうです。

レイズは弱さの見えたブルペンを補強したのですが、現時点ではあまり効果を発揮していません。得点力もやや低下気味のため、ルーカス・デューダの活躍、ケビン・キアマイヤーの復帰などが起爆剤となることに期待することになりそうです。

マリナーズはデビッド・フェルプス、エラスモ・ラミレスを獲得し、今季だけでなく来季の戦力としても厚みを加えました。ただ、先発ローテで信頼できる投手がジェームズ・パクストンくらいで、フェリックス・ヘルナンデスも不安定なところがあり、他の投手はそれ以上に不安が残ります。

ワイルドカードを争っているレッドソックス、ロイヤルズ、レイズには全体的に見劣りするところがあるのは事実で、十分に戦力アップができたとはいい難いものがあります。ただ、交換要員のプロスペクトが乏しく、予算的にも余裕がないレベルになっていますので、現状でやれる限りのことはやったというトレード期限前の動きだったと考えられます。

売り手側として一番巧みだったのがホワイトソックスで、抱えている選手を高く売ることに成功しています。ハイレベルの質の高いプロスペクトを多く獲得していますので、再建のスピードは早まりそうな気配です。

レンジャーズはダルビッシュ、ルクロイ、ジェフレスらを放出したものの、今季限りのアンドリュー・キャッシュナー、タイソン・ロスらは残すなど、ギリギリのラインでポストシーズンを狙える戦力を残したという印象です。ただ、よほど上手く投打が噛み合わない限り、ワイルドカードに滑り込むことも簡単ではなさそうです。

トレード期限前の動きは、地区優勝が確実なチームによる、ワールドシリーズを視野にいれた積極的な補強が目立ち、今から10月の戦いが楽しみになるものでした。これらの補強が、どのような結果を生み出すのか、興味深い3ヶ月となりそうです。

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