MLB30球団分析:ミネソタ・ツインズの2015シーズン開幕前戦力分析

2009年と2010年に2シーズン連続で地区優勝を果たしたツインズですが、その翌年から99敗、96敗、96敗、92敗と4年連続で90敗以上を喫し、3度も地区最下位に沈みました。

チームの再建が進みつつはあり、ファームも充実しつつあるのですが、メジャーレベルでは十分な戦力が整わず、フラストレーションがたまるシーズンが続いています。

そのミネソタ・ツインズの2015年シーズン開幕前の戦力分析です。

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ツインズの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

2014年シーズンのツインズのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年打撃陣成績 得点 715(MLB7位/AL5位)
打率 .254(MLB11位/AL7位)
出塁率 .324(MLB5位/AL2位)
長打率 .389(MLB11位/AL6位)
盗塁 99(MLB14位/AL7位)
2014年投手陣成績 防御率 4.58(MLB29位/AL15位)
SP防御率 5.06(MLB30位/AL15位)
QS 66(MLB29位/AL14位)
RP防御率 3.73(MLB21位/AL10位)
SV率 65.52%(MLB23位/AL11位)
2014年守備成績 守備防御点(DRS) -73(MLB29位/AL14位)
UZR -34.5(MLB25位/AL11位)

ツインズが2014年シーズンで多くのメディアを驚かせたことはチーム総得点が715点でア・リーグ5位となったことでした。

攻撃では1試合平均で4.41点を叩き出したのですが、ディフェンス面での問題が露呈し、大きく負け越すこととなってしまいました。

投手陣の防御率は4.58でア・リーグ最下位で、MLB全体でも29位となりました。特に先発投手陣は完全に崩壊状態で、防御率5.06と両リーグ最下位に沈み、クオリティスタートもわずかに66回で試合の序盤に負けが決まってしまうことが少なくありませんでした。

防御率は自責点で算出するものですが、失点は試合で奪われた点だけの合計となり、味方のエラーによるものも含まれます。ツインズは守備面でも課題があり守備防御点(DRS)がリーグ14位、アルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)が同11位と低く、元々強力ではない投手陣の足をさらに引っ張りました。

その結果、チーム総失点728はア・リーグ最多で、1試合平均では4.49点となり、打線の得点力を活かすことはできませんでした。

そのミネソタ・ツインズのシーズンオフにおける主な戦力の加入・流出の一覧は以下のとおりとなっています。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 FA:トリー・ハンター(OF)
FA:アービン・サンタナ(SP)
FA:ティム・ストーファー(RP)
FA:ブレイン・ボイヤー(RP)
FA:J.R. グラハム(SP)
主な戦力流出 FA:ヨハン・ピノ(SP)

上位の得点力を発揮した打線から主だった流出はなく、そこにトリー・ハンターを1年1050万ドルで獲得し、課題の投手陣では、アービン・サンタナを4年5500万ドルで獲得しました。

またリリーフ陣ではティム・ストーファー、ブレイン・ボイヤー、J.R. グラハムらを獲得し、これらの面々がそのまま開幕ロースターに入る見込みとなっています。

ツインズの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想されるスターティングメンバーと打順並びにベンチメンバーは以下のとおりとなっています。

【予想スターティングラインナップ】

  1. (SS) ダニー・サンタナ
    打率.319/本塁打7/打点40/出塁率.353/長打率.472
  2. (2B) ブライアン・ドージャー
    打率.242/本塁打23/打点71/出塁率.345/長打率.416
  3. (1B) ジョー・マウアー
    打率.277/本塁打4/打点55/出塁率.361/長打率.371
  4. (RF) トリー・ハンター
    打率.286/本塁打17/打点83/出塁率.319/長打率.446
  5. (DH) ケニス・バルガス
    打率.274/本塁打9/打点38/出塁率.316/長打率.456
  6. (3B) トレバー・プルーフ
    打率.258/本塁打14/打点80/出塁率.328/長打率.423
  7. (LF) オズワルド・アルシア
    打率.231/本塁打20/打点57/出塁率.300/長打率.452
  8. (C) カート・スズキ
    打率.288/本塁打3/打点61/出塁率.345/長打率.383
  9. (CF) ジョーダン・シェーファー
    打率.238/本塁打1/打点15/出塁率.310/長打率.305

【予想ベンチメンバー】

  • (C) ホスミル・ピント
    打率.219/本塁打7/打点18/出塁率.315/長打率.391
  • (IF) エドゥアルド・エスコバー
    打率.275/本塁打6/打点37/出塁率.315/長打率.406
  • (UT) エドゥアルド・ヌニェス
    打率.250/本塁打4/打点24/出塁率.271/長打率.382
  • (OF) アーロン・ヒックス
    打率.215/本塁打1/打点18/出塁率.341/長打率.274
  • (OF) シェイン・ロビンソン
    打率.150/本塁打0/打点4/出塁率.227/長打率.200

打順は1番にダニー・サンタナ、2番にはブライアン・ドージャー、3番にジョー・マウアー、4番にトリー・ハンターもしくはトレバー・プルーフという並びで、開幕しばらくは行く予定であると新しく監督となったポール・モリターが構想を明かしています。

モリター監督は2番にマウアーではなくどージャーをおきたいのと、トリー・ハンターが4番タイプではないことは承知しているが、左打ちのジョー・マウアーの後ろに右打ちの長打がある打者をおくことでマウアーの負担を軽減するために、このような打順でいく予定であることを説明しています。

ポイントとなるのは4年9200万ドルの契約が残っているジョー・マウアーです。メジャーに定着した2005年の打率.294以来となる3割を切る打率に終わり、本塁打はわずかに4本で、OPSは.732でキャリアの中で2番目に悪い数字となりました。

2014年に31歳となる年齢を考慮して一塁に転向したのですが、脇腹を痛めた影響で内角をうまくさばけなくなったことが、低調な打撃の原因となったとされています。2015年で32歳となりますが、大きく落ち込む年齢でもなく、脇腹には不安がないようなので、バウンスバックが期待されます。

また外野にはMLB.comのプロスペクトランキングで全体1位にランクされたバイロン・バクストンが控えています。2014年は故障により大部分を棒に降ったものの、5ツールプレーヤーとしてのその実力をキープした状態で復帰していると評価されています。

スピードそのものがあり、それを活かせる走塁技術があり、守備面では守備範囲の広さにつなげることができ、さらには強肩で、打撃面ではパワーもあり、2015年にもメジャーに昇格してくる可能性があると見られています。

ツインズ投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

ツインズの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】

  1. (SP) フィル・ヒューズ
    209.2回/防御率3.52/16勝10敗/WHIP1.13
  2. (SP) アービン・サンタナ
    196.0回/防御率3.95/14勝10敗/WHIP1.31
  3. (SP) リッキー・ノラスコ
    159.0回/防御率5.38/6勝12敗/WHIP1.52
  4. (SP) カイル・ギブソン
    179.1回/防御率4.47/13勝12敗/WHIP1.31
  5. (SP) トム・ミローン
    118.0回/防御率4.19/6勝4敗/WHIP1.40

【予想されるリリーフ陣】

  • (CLO) グレン・パーキンス
    61.2回/防御率3.65/34SV/WHIP1.18
  • (SET) ブライアン・ダンシング
    54.1回/防御率3.31/0SV/WHIP1.33
  • (SET) ケイシー・フィーン
    63.1回/防御率3.98/1SV/WHIP1.17
  • (RP) ブレイン・ボイヤー
    40.1回/防御率3.57/0SV/WHIP1.04
  • (RP/SP) マイク・ペルフリー
    23.2回/防御率7.99/0勝3.00敗/WHIP1.99
  • (RP/SP) ティム・ストーファー
    64.1回/防御率3.50/0SV/WHIP1.40
  • (RP) J.R.グラハム
    –回/防御率–/–SV/WHIP–

先発投手陣は209.2イニングを投げて三振を186個も奪う一方で、与えた四球はわずかに16個とという素晴らしい投球で、K/BBが11.63でMLB新記録を作ったフィル・ヒューズがエースとなります。

味方の守備の影響を排除して、投手の実力を示す指標として用いられているFIPは2.65と防御率よりも1点近く良い上に、LOB%やBABIPといった運に左右される要素を見ても、大きく運に助けられてはいません。

さすがに2014年のような成績を繰り返すことは容易ではありませんが、それに近い数字を残せる可能性があり、チームのエースとして役割を果たしてくれる期待ができます。

アービン・サンタナを加えたことで1番手と2番手がある程度計算できるようになりましたので、リッキー・ノラスコがもう少しバウンスバックすれば、全体的な安定感は増しそうです。

4番手と5番手のカイル・ギブソン、トミー・ミローンもバックエンドとしては及第点と言えるレベルですし、バックアップとしてベテランのマイク・ペルフリー、ティム・ストーファー、プロスペクトではアレックス・メイヤー(MLBプロスペクトランキング全体30位)、ホセ・バリオス(同33位)、トレバー・メイ(チーム内11位)などもいるため、昨シーズンより期待できる布陣とはなっています。

ただ、候補の数は多いものの、不確定な要素が多く、今シーズンに強力な力を発揮できるかというと不安が残る状態です。

ブルペンは先発投手陣よりは良い数字を2014年に残したものの、リリーフ投手陣全体の奪三振率(9イニングあたりの奪三振数)が最も低く、ゴロ率も3番目に低く、不安定で大量失点しやすい要素がありました。

その問題や不安は完全に解消されたとは言えず、引き続きツインズの泣き所となる可能性がある状態です。

総括・まとめ

ファームでプロスペクトが順調に育ち、メジャーレベルでも若い選手が定着し活躍し始めるなど、期待ができる状況になりつつあります。

先に紹介したバイロン・バクストン、アレックス・メイヤー、ホセ・バリオスだけでなく、全体でトップ10にランクされることが多いミゲル・サノー(3B)、ニック・ゴードン(SS/プロスペクトランキング全体34位)、コール・スチュワート(RHP/同37位)らもファームで高く評価されていて、ファームは充実しています。

ただ、2015年にそれらが一気に実るとは考えにくい状況で、順調に行っても2016年、よりチームとして熟成することを考えれば2017年以降が現実的なターゲットとなりそうな印象です。

ツインズのロースター自体は、若い選手が育っていることもあり、バランスが良くなってきているのですが、問題はア・リーグ中地区全体がかなりレベルアップしていることです。

ア・リーグの他地区やナ・リーグのチームとの対戦もあり、ツインズ自体のチーム力も上がっていますので、勝ち数が増える可能性が高いと考えられるものの、同地区内のハイレベルの争いを考えると劇的に改善するとは考えられず、地区最下位の最有力候補であることは否定できません。

トリー・ハンターの獲得は、目先の勝利ももちろん目的としてあるのですが、クラブハウスやフィールドで若い選手たちを鼓舞し、チームに勝つためのメンタリティとカルチャーを作り出すリーダーとしての役割が期待されています。

順調にチーム内部での育成と熟成が進みつつあるものの、もうしばらくは忍耐と我慢が必要になりそうな2015年のミネソタ・ツインズです。