MLB30球団分析:デトロイト・タイガースの2015シーズン開幕前戦力分析

Detroit Tigers Top Catch

2014年シーズンは90勝72敗で地区4連覇を果たしたものの、カンザスシティ・ロイヤルズに1ゲーム差に迫られ、さらにポストシーズンではディビジョンシリーズでオリオールズに3連敗であっけなく敗退してしまったタイガースでした。

シーズン中にはデビッド・プライスを獲得し、3人のサイヤング賞を抱える豪華な布陣をしいたものの、それが完全には実を結ばないままシーズンオフを迎え、FAとトレードで動きがあり、戦力の入れ替えが行われました。

そのデトロイト・タイガースの2015年シーズン開幕前戦力分析です。

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タイガースの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

2014年シーズンのタイガースのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年打撃陣成績 得点 757(MLB2位/AL2位)
打率 .277(MLB1位/AL1位)
出塁率 .331(MLB2位/AL1位)
長打率 .426(MLB2位/AL1位)
盗塁 106(MLB7位/AL4位)
2014年投手陣成績 防御率 4.01(MLB24位/AL11位)
SP防御率 3.89(MLB21位/AL10位)
QS 90(MLB11位/AL3位)
RP防御率 4.29(MLB27位/AL13位)
SV率 71.93%(MLB10位/AL5位)
2014年守備成績 守備防御点(DRS) -65(MLB28位/AL13位)
UZR -48.1(MLB28位/AL13位)

マックス・シャーザー、ジャスティン・バーランダー、デビッド・プライス、リック・ポーセロ、アニバル・サンチェスという豪華な先発ローテを組んだタイガースでしたが、先発投手の防御率は3.89(MLB21位/AL10位)で、圧倒的な力を発揮したわけではありませんでした。

さらにリリーフ投手陣は最大の泣き所で、リリーフ陣の防御率4.29はMLB全体で27位、ア・リーグで13位と低迷しました。

野手陣は守備面では両リーグでも最低レベルだったのですが、攻撃面ではミゲル・カブレラ、ビクター・マルティネス、J.D.マルティネスを中軸として、高い得点力を誇り、打率、出塁率、長打率がリーグ1位、得点がリーグ2位と強力にバックアップしました。

このように投手陣は豪華な顔ぶれが揃っていた先発投手陣を含めて、あまりうまく機能していなかったのですが、打線でカバーした2014年でした。

その後のシーズンオフのタイガースの主な戦力の加入・流出の一覧は以下のとおりとなっています。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 FA再契約:ビクター・マルティネス(DH)
FA再契約:ジョバ・チェンバレン(RP)
TR:シェーン・グリーン(SP)
TR:ヨエニス・セスペデス(OF)
TR:アルフレド・サイモン(SP)
TR:アンソニー・ゴース(OF)
TR:アレックス・ウィルソン(RP)
主な戦力流出 FA:マックス・シャーザー(SP)
TR:リック・ポーセロ(SP)
FA:トリー・ハンター(OF)
TR:ロビー・レイ(SP)
TR:エウヘニオ・スアレス(SS)
FA:ジム・ジョンソン(RP)

打線はトリー・ハンターがFAで流出したものの、ビクター・マルティネスとは再契約し、トレードでヨエニス・セスペデスを獲得したため、2014年よりもさらに強力になったと考えられます。

その一方で投手陣はリリーフではジョー・ネイサンに1000万ドル、ホアキム・ソリアに700万ドルを費やしているため積極的な動きは少なく、FAとなったジョバ・チェンバレンと再契約するにとどまりました。

先発投手陣ではマックス・シャーザーがFAで、2015年シーズン終了後にFAとなるリック・ポーセロがトレードでチームから流出し、その穴を埋める投手としてトレードでヤンキースからシェーン・グリーン、レッズからアルフレド・サイモンを獲得しています。

タイガースの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想されるスターティングメンバーと打順並びにベンチメンバーは以下のとおりとなっています。

【予想スターティングラインナップ】

  1. (CF)アンソニー・ゴース
    打率.226/本塁打2/打点13/出塁率.311/長打率.293
  2. (2B)イアン・キンスラー
    打率.275/本塁打17/打点92/出塁率.307/長打率.420
  3. (1B)ミゲル・カブレラ
    打率.313/本塁打25/打点109/出塁率.371/長打率.524
  4. (DH)ビクター・マルティネス
    打率.335/本塁打32/打点103/出塁率.409/長打率.565
  5. (RF)J.D.マルティネス
    打率.315/本塁打23/打点76/出塁率.358/長打率.553
  6. (LF)ヨエニス・セスペデス
    打率.260/本塁打22/打点100/出塁率.301/長打率.450
  7. (3B)ニック・カステラノス
    打率.259/本塁打11/打点66/出塁率.306/長打率.394
  8. (C)アレックス・アビラ
    打率.218/本塁打11/打点47/出塁率.327/長打率.359
  9. (SS)ホセ・イグレシアス
    打率–/本塁打–/打点–/出塁率–/長打率–

【予想ベンチメンバー】

  • (C)ジェームス・マッキャン
    打率.250/本塁打0/打点0/出塁率.250/長打率.333
  • (UT)エルナン・ペレス
    打率.200/本塁打0/打点0/出塁率.333/長打率.200
  • (UT)アンドリュー・ロマイン
    打率.227/本塁打2/打点12/出塁率.279/長打率.275
  • (OF)ラージャイ・デービス
    打率.282/本塁打8/打点51/出塁率.320/長打率.401

ライトを守っていたトリー・ハンター抜けた一方で、レフトを守るセスペデスが加わっため、J.D.マルティネスがライトにまわりました。

センターはブルージェイズからトレードで獲得したアンソニー・ゴースとラージャイ・デービスが併用される見込みで、両者ともにリードオフヒッターを務める見込みです。

2番キンスラー、3番カブレラ、4番V.マルティネス、5番J.D.マルティネス、6番セスペデスという並びはかなり強力で、勝負強いセスペデスが6番に控えているのは相手投手にとって脅威以外の何物でもありません。

またプロスペクトとして才能を評価されてきて、デーブ・ドンブロウスキーGMが3割20本塁打を打てる可能性がある述べるニック・カステラノスも力を発揮するようであれば、手がつけられない打線となりそうです。

捕手にはアレックス・アビラがいるものの、今シーズン終了後にFAとなることもあり、若く攻撃面でのポテンシャルがあるとされるジェームス・マッキャンの育成と実力を測るために、併用に近いかたちで起用されると地元メディアは予想しています。

ベンチ要員はブラッド・オースマス監督がピンチヒッターよりも、代走と守備要員を重視しているため、ユーティリティプレーヤーのエルナン・ペレスとアンドリュー・ロマインの2人がロースターに残っています。

守備に課題があった2014年でしたが、ショートにDefensive Wizardと評されるホセ・イグレシアスが復帰し、守備力に衰えがあったトリー・ハンターから”キャノン”と形容される強肩を持つヨエニス・セスペデスに変わることで、やや改善される見込みですが、全体的にはまだまだ両リーグでも最下位近くのレベルにとどまるのではないかと見られています。

タイガース投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

タイガースの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】

  1. (SP)デビッド・プライス
    248.1回/防御率3.26/15勝12敗/WHIP1.08
  2. (SP)ジャスティン・バーランダー
    206.0回/防御率4.54/15勝12敗/WHIP1.40
  3. (SP)アニバル・サンチェス
    126.0回/防御率3.43/8勝5敗/WHIP1.10
  4. (SP)アルフレド・サイモン
    196.1回/防御率3.44/15勝10敗/WHIP1.21
  5. (SP)シェーン・グリーン
    78.2回/防御率3.78/5勝4敗/WHIP1.40

【予想されるリリーフ陣】

  • (CLO)ジョー・ネイサン
    58.0回/防御率4.81/35SV/WHIP1.53
  • (SET)ホアキム・ソリア
    44.1回/防御率3.25/18SV/WHIP0.99
  • (SET)ジョバ・チェンバレン
    63.0回/防御率3.57/2SV/WHIP1.29
  • (RP)アル・アルバカーキ
    57.1回/防御率2.51/1SV/WHIP1.17
  • (RP)トム・ゴーゼラニー
    21.0回/防御率0.86/0SV/WHIP1.43

先発ローテはプライス、バーランダー、サンチェス、サイモン、グリーンで決定しているものの、バーランダーが右上腕三頭筋に痛みを訴えていて、開幕は15日間のDLに入る可能性が高くなっています。

ただ、日程的に5番目の先発投手が必要となるのが4月12日で、そこまでには復帰できる見込みとされています。

ジャスティン・バーランダーはスプリングトレーニングでは不調(防御率5.63)が続いていたのですが、この春で一番良い投球だった登板後に右腕の問題が発生してしまいました。

マックス・シャーザーとリック・ポーセロを失った後の穴埋めとなるアルフレド・サイモンは表面上の成績は良いものの、投手の実力を示すFIPは4.33と防御率より1点近く悪く、守備力の高いレッズの野手陣にかなり助けられていましたので、守備力に難のあるタイガースでは不安があります。

シェーン・グリーンはスプリングトレーニングでも好調で、ブレイクする可能性があると見られていますが、フルシーズンを投げ切った経験がありませんので、その点は不安材料ではあります。

バーランダーが昨年のような不調が続いた場合には、タイガースもポストシーズンから滑り落ちる可能性が高まりそうです。

ブルペンはネイサン、ソリア、チェンバレン、 アルバカーキ、ゴーゼラニーの5人は確定で、残り2枠をアンヘル・ネスビット、カイル・ライアン、ブルース・ロンドン、イアン・クロルの4人が争っています。

この中ではトミー・ジョン手術から復帰し、この春も100マイルを記録しているブルース・ロンドンはロースター入りする可能性が高くなっています。

クローザーはシーズン開幕からしばらくは、ジョー・ネイサンが務めることをオースマス監督が明言していますが、スプリングトレーニングでは防御率5.23と不安定な投球が続いているため、失敗が続くようであればホアキム・ソリアに変わることになります。

1年契約のチェンバレンはポストシーズン同様に不安定な投球を続けていて、開幕時はロースターに入るものの、悪ければ早々にリリースされると可能性があると地元メディアは見ていて、それはネイサンにも起こりうることだとの声もあります。

このように打線は強化された一方で、投手陣はより不安定な要素が増えている状況で、トミー・ジョン手術から復帰するブルース・ロンドンのパフォーマンスは非常に重要になりそうです。

総括・まとめ

打線に関しては両リーグでも屈指の状態から、さらに厚みを加えていますし、昨シーズンは故障でパフォーマンスが落ちたミゲル・カブレラが健康であれば、確実に数字が伸びると予想されますので、打線は非常に強力です。

その一方で、強力だった先発ローテは、もはやストロングポイントとは言えず、不安定なブルペンと相まって、やや不安を感じさせるものとなっています。

その上、昨シーズンは1ゲーム差に迫ったロイヤルズはやや不安がありますが、インディアンスとホワイトソックスはオフの補強などで、同地区のライバルは戦力が整っています。

さらに日程的に、シーズン序盤にそのライバルチームとの対戦が多く組まれています。

4月6日の開幕から5月14日の35試合中28試合がア・リーグ中地区のチームとの対戦となっていますので、タフな戦いになると予想されます。

さらには天候的に寒い地域の試合が多いのですが、カブレラやマルティネスなど故障から復帰してきた選手や年齢が高い選手が多いので、故障による戦力ダウンが不安材料として指摘されています。

主力選手に故障が続出しなければ、打線が強力なためポストシーズン争いから早々に離脱するようなことは予想しにくい一方で、投手陣に不安があるため、地区優勝を逃すだけでなく、インディアンスやホワイトソックスに後れをとって、最終的にはポストシーズンを逃す可能性もあるシーズンとなっています。

地区5連覇の可能性もあるものの、ポストシーズンを逃す可能性も高まっているシーズンで、投手ではバーランダーとネイサンの復調、野手ではカブレラ、ビクター・マルティネスらが健康であることが、重要なファクターとなりそうな2015年のデトロイト・タイガースです。