MLB30球団分析:カンザスシティ・ロイヤルズの2015シーズン開幕前戦力分析

Kansas City Royals Top Catch

ワイルドカードではありましたが、1985年のワールドシリーズ制覇以来となるプレーオフ進出を果たしたロイヤルズでした。

ポストシーズンでの前評判は高くなかったものの、強力なブルペンのトリオに支えられてワールドシリーズの第7戦まで進み、惜しくも優勝は逃したものの、大きな成果を成し遂げました。

そのカンザスシティ・ロイヤルズの2015年シーズン開幕前の戦力分析です。

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ロイヤルズの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

2014年シーズンのロイヤルズのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年打撃陣成績 得点 651(MLB14位/AL9位)
打率 .263(MLB4位/AL2位)
出塁率 .314(MLB16位/AL10位)
長打率 .376(MLB19位/AL11位)
盗塁 153(MLB1位/AL1位)
2014年投手陣成績 防御率 3.51(MLB12位/AL4位)
SP防御率 3.60(MLB11位/AL4位)
QS 95(MLB8位/AL2位)
RP防御率 3.30(MLB10位/AL5位)
SV率 81.54%(MLB2位/AL1位)
2014年守備成績 守備防御点(DRS) +40(MLB4位/AL2位)
UZR +61.1(MLB1位/AL1位)

投手陣、特にリリーフ陣を中心としたディフェンス力が際立った2014年ポストシーズンのロイヤルズでしたが、チーム全体と先発投手の防御率はリーグ4位ですが、リリーフ陣全体ではリーグ5位と図抜けているわけではありません。

勝ちゲームの3人がいずれも防御率1点台と素晴らしいパフォーマンスを発揮しましたが、全体的な層という面では圧倒的だったわけではなかった2014年のロイヤルズでした。

そしてもう一つロイヤルズのストロングポイントである守備面ではアルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)では両リーグ1位となるなど、素晴らしい数字を残しています。

攻撃面では651得点で1試合平均4.02点でリーグ9位と強力ではないもののの、安定した投手陣でしのげる程度の得点力は持っていました。

そのロイヤルズのシーズンオフの主な戦力の加入・流出の一覧は以下のとおりとなっています。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 FA:ケンドリス・モラレス(DH/1B)
FA:アレックス・リオス(OF)
FA:エディンソン・ボルケス(SP)
FA:クリス・ヤング(SP)
FA:クリス・メドレン(SP)
FA:ジェイソン・フレイザー(RP)
FA:ヨハン・ピノ(SP)
主な戦力流出 FA:ジェームズ・シールズ(SP)
FA:ビリー・バトラー(DH)
FA:青木宣親(OF)
FA:ラウル・イバネス(OF)
FA:ジェイソン・ニックス(OF)
引退:ジョシュ・ウィリンガム(OF)
TR:アーロン・クロウ(RP)
FA:カルロス・ペゲーロ(OF)

主だったところではジェームズ・シールズ(SP)、ビリー・バトラー(DH)、青木宣親(OF)が抜けて、エディンソン・ボルケス(SP)、ケンドリス・モラレス(DH)、アレックス・リオス(OF)に入れ替わったほかは、強力なブルペン陣を含めた主力メンバーの大半が残っている状態です。

ロイヤルズの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想されるスターティングメンバーと打順並びにベンチメンバーは以下のとおりとなっています。

【予想スターティングラインナップ】

  1. (SS)アルシデス・エスコバー
    打率.285/本塁打3/打点50/出塁率.317/長打率.377
  2. (LF)アレックス・ゴードン
    打率.266/本塁打19/打点74/出塁率.351/長打率.432
  3. (CF)ロレンゾ・ケイン
    打率.301/本塁打5/打点53/出塁率.339/長打率.412
  4. (1B)エリック・ホズマー
    打率.270/本塁打9/打点58/出塁率.318/長打率.398
  5. (DH)ケンドリス・モラレス
    打率.218/本塁打8/打点42/出塁率.274/長打率.338
  6. (C)サルバドール・ペレス
    打率.260/本塁打17/打点70/出塁率.289/長打率.403
  7. (RF)アレックス・リオス
    打率.280/本塁打4/打点54/出塁率.311/長打率.398
  8. (3B)マイク・ムスターカス
    打率.212/本塁打15/打点54/出塁率.271/長打率.361
  9. (2B)オマー・インファンテ
    打率.252/本塁打6/打点66/出塁率.295/長打率.337

【予想ベンチメンバー】

  • (OF)ジャロッド・ダイソン打率.269/本塁打1/打点24/出塁率.324/長打率.327
  • (UT)クリスチャン・コローン打率.333/本塁打0/打点6/出塁率.375/長打率.489
  • (C)エリック・クラッツ打率.218/本塁打5/打点13/出塁率.243/長打率.391

1番はフリースインガーで出塁率が高くないアルシデス・エスコバーを引き続き起用し、2番にゴードン、3番にケインが並ぶことになるようです。

打線はビリー・バトラーと青木宣親が抜けましたが、ビリー・バトラーが打率.271/本塁打9/打点66/出塁率.323、青木宣親が打率.285/本塁打1/打点43/出塁率.349のため、ケンドリス・モラレスとアレックス・リオスがバウンスバックすれば補うだけでなく、グレードアップできると見込まれています。

ケンドリス・モラレス、アレックス・リオスともにスプリングトレーニングでは良い数字を残していますので、一定の期待ができる状態で開幕を迎えることできそうです。

守備面では青木宣親が在籍時は試合終盤にダイソンがセンターに入り、ケインがライトにまわる布陣を敷いていたヨスト監督ですが、リオスが健康であるならば、そのような機会は減らしたいと話しています。

ロイヤルズの首脳陣はライトが青木からリオスに変わることで、打撃だけでなく、外野守備に関してもアップグレードになると考えています。その理由はリオスはア・リーグでの経験が多く各球場の特性をよく知っていることや、コーチからのアドバイスに熱心に耳を傾けてアジャストしていること、コミュニケーション上の問題が少ないことなどがあげられています。

更にリオスはゴールドグラブ賞をとったころのようなパフォーマンスはできないものの青木宣親よりもは上だという他チームのスカウトの声も紹介するなど、リオスが加わっても外野守備は問題ないとの声も地元メディアではあります。

ヨスト監督はリオスを最終回まで打席に立てるようにしたいことや、ダイソンをピンチランナーとして柔軟に起用できるようにベンチに残しておきたいようで、リオスがひどいパフォーマンスでなければ、ダイソンが守備固めで出場する機会は減ると見られています。

緊縮財政のロイヤルズにとってリオスの1年1100万ドル、モラレスの2年1700万ドルは安い買い物ではありませんので、この2人のパフォーマンスは重要なポイントとなりそうです。

野手の編成はヨスト監督がブルペン8人の投手13人体制にするか、ブルペン7人の12人体制にするか、ギリギリまで検討するものの、後者が有力になりつつあり、さらに外野手のバックアップが増えると見られています。

ロイヤルズ投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

ロイヤルズの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】

  1. (SP)ヨーダノ・ベンチュラ
    183.0回/防御率3.20/14勝10敗/WHIP1.3
  2. (SP)ダニー・ダフィー
    149.1回/防御率2.53/9勝12敗/WHIP1.11
  3. (SP)エディンソン・ボルケス
    192.2回/防御率3.04/13勝7敗/WHIP1.23
  4. (SP)ジェイソン・バルガス
    187.0回/防御率3.71/11勝10敗/WHIP1.27
  5. (SP)ジェレミー・ガスリー
    202.2回/防御率4.13/13勝11敗/WHIP1.3

【予想されるリリーフ陣】

  • (CLO)グレッグ・ホランド
    62.1回/防御率1.44/46SV/WHIP0.91
  • (SET)ウェイド・デイビス
    72.0回/防御率1.00/3SV/WHIP0.85
  • (SET)ケルビン・ヘレーラ
    70.0回/防御率1.41/0SV/WHIP1.14
  • (RP)ジェイソン・フレイザー
    47.1回/防御率2.66/0SV/WHIP1.23
  • (RP)フランクリン・モラレス
    142.1回/防御率5.37/0SV/WHIP1.62
  • (RP/RP)クリス・ヤング
    165.0回/防御率3.65/0SV/WHIP1.23

ジェームズ・シールズが抜けたことで、ヨーダノ・ベンチュラがNO.1スターターとなり、NO.2にダニー・ダフィー、NO.3にFAで獲得したエディンソン・ボルケス、その後の4番手と5番手をジェイソン・バルガスとジェレミー・ガスリーが務めることになります。

そのバックアップとしては昨シーズン終盤にリリーフとして活躍したドラフト1巡目指名のブランドン・フィネガン、ロングリリーフ兼任のクリス・ヤングが控え、シーズン途中にトッププロスペクトのカイル・ジマーが昇格してくる可能性があります。

またトミー・ジョン手術から復帰を目指しているブレーブスのエース格を務めていたクリス・メドレンが回復の度合いに応じで、先発もしくはリリーフとしてシーズン中盤以降に復帰してくると見られています。

クリス・メドレンは2013年には197回で防御率3.11/15勝12敗/WHIP1.22という成績を残していますので、そのパフォーマンスが戻ればシーズン終盤に大きな戦力アップとなりそうです。

ブルペンはホランド、デイビス、ヘレーラの強力な3人は健在で、今年も活躍が期待されます。が、昨年の数字が良すぎますので、基本的にはパフォーマンスが落ちることを想定したほうが無難と言えそうです。

この3人のほかは、フレイザー、モラレス、ヤングの3人は決定的で、ブルペン7人体制であれば残り1枠となりますが、その1枠をルイス・コールマン、ブライアン・フリンが争っています。

ロイヤルズはロースターの枠を絞り込むのが難しいほど、ブルペンの層は厚く、開幕は故障者リスト入りとなりますがルーク・ホッチェバーやマイナーでは先発投手として調整するもののブランドン・フィネガンもいます。

大きな不安があるとすれば、シールズの代わりがボルケスとなることです。ボルケスは2014年は良かったのですが、パイレーツの投手コーチの指導やチェックに助けられての好成績だったので、パイレーツから移籍後に成績を落としたA.J.バーネットと同様に成績を落とす可能性が十雨分にあることです。

防御率は3.04と良いものの、投手の実力を示すとされるFIPは4.15と防御率よりも1点以上悪く、運に左右されるBABIPは低く、LOB%は高いため、運も味方していての好成績で、今年は落ちる可能性が高く、実際にスプリングトレーニングでの成績はよくありません。状況次第ではクリス・ヤングと立場を入れ替えることもありそうです。

総括・まとめ

一番の大きな痛手がジェームズ・シールズを失ったことで、ヨーダノ・ベンチュラ、ダニー・ダフィーともにポテンシャルは高いものの、昨シーズンも体調面で問題が生じるなど、1年を通じて健康で高いパフォーマンスをキープできるかには不安があり、ボルケスは先に述べたような懸念材料があります。

ただ、投打ともにシールズ以外のチームのコアとなる選手が残っていて、昨シーズンの経験が活かせるチームとはなっています。

そのため昨年と同様にケイン、ゴードンらの野手の主力、ホランド、デイビス、ヘレーラという投手の主力が働けば、十分にポストシーズンを狙える戦力ではあると考えられるロイヤルズです。

しかし、タイガースは戦力的に落ちたとは言え、まだまだア・リーグ中地区の優勝候補として名前をあげられるレベルで、インディアンスとホワイトソックスがそのタイガースの足元をすくえるような戦力になっていることを考えれば、昨年と同様のレベルにとどまれば、勝ち星が減っていくと考えるほうが自然です。

ロイヤルズにもポストシーズンの可能性は十分にあるものの、タイガース、インディアンス、ホワイトソックスとの戦力が拮抗していて、ツインズも昨シーズンよりは良くなっているため、昨年よりはるかに難しい状況にあります。どのチームがポストシーズンに進むとしても、シーズン終盤のギリギリまで息をつくことができなくなる可能性が高いア・リーグ中地区です。

ロイヤルズは主力が故障したり、リリーフ陣が昨シーズンの反動で不調で苦しみ、チームがシーズン序盤で下位に沈むようであれば、年俸総額が1億ドルを越え、長くは継続できないレベルに達していますので、シーズン中にチームを解体する方向にカジを切る可能性もあります。

もしチームを解体する方向を選べば、今シーズン終了後にFAとなるアレックス・ゴードンや来シーズン終了後にFAとなるグレッグ・ホランドが大きな注目と関心を集めることになりそうです。

ゴードンがFAとなることや年俸総額が上限を超えるレベルに達していることを考えれば、今年を逃してしまうと、しばらくはポストシーズンから遠ざかる可能性もあるため、重要な1年になりそうな2015年のカンザスシティ・ロイヤルズです。