MLB30球団分析:ボストン・レッドソックスの2015シーズン開幕前戦力分析

Boston Redsox Top Catch

2013年に97勝65敗という成績で両リーグトップの勝率で地区優勝を果たし、ワールドシリーズ制覇を成し遂げましたが、2014年は71勝91敗と地区最下位に転落してしまったレッドソックスでした。

期待していた投打の若い選手たちが軒並みメジャーリーグのカベに苦しみ、さらには主力選手も故障離脱してしまったことなどが最下位に低迷する原因となりました。

そのチームを立て直すために、シーズン中のトレード、シーズン終了後もFA選手の獲得などでワールドシリーズ制覇を果たしたメンバーの大部分を大きく変えてきたレッドソックスの2015年シーズン開幕前の戦力分析です。

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レッドソックスの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

2014年シーズンのレッドソックスのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年打撃陣成績 得点:634点(MLB18位 AL11位)
打率:.244(MLB22位 AL13位)
出塁率:.316(MLB14位 AL8位)
長打率:.369(MLB24位 AL14位)
2014年投手陣成績 防御率:4.01(MLB23位 AL10位)
SP防御率:4.36(MLB26位 AL13位)
QS:87回(MLB14位 AL5位)
RP防御率:3.33(MLB12位 AL6位)
SV率:66.67%(MLB18位 AL9位)
2014年守備成績 守備防御点(DRS):+27(MLB8位 AL4位)
UZR:+48.5(MLB3位 AL3位)

2013年シーズンは両リーグトップの853点を叩きだしたレッドソックス打線でしたが、2014年は200点も得点が減ってしまいました。チーム防御率自体も3.79から4.01に落ちこたことも低迷する原因だったのですが、より深刻だったのは打線の低迷でした。

マイク・ナポリ、シェーン・ビクトリーノが故障、イグザンダー・ボガーツ、ウィル・ミドルブルックス、ジャッキー・ブラッドリーらの若い選手が伸び悩むなど、打線が機能しなかったため、2014年シーズン中にジョン・レスター、ジョン・ラッキーらを交換要員として、ヨエニス・セスペデス、アレン・クレイグらをトレードで獲得しました。

しかし、ヨエニス・セスペデスは守備面でチームにフィットせず、クレイグは体調面の不安からくる不振で、2015年のメドを立てるには至りませんでした。

そのためオフの補強も攻撃面での動きが先行することになりました。

そのレッドソックスの2014年シーズンオフから2015年シーズン前の主な戦力の加入・流出の一覧は以下のとおりとなっています。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 ハンリー・ラミレス(LF/FA)
パブロ・サンドバル(3B/FA)
ライアン・ハニガン(C/トレード)
リック・ポーセロ(SP/トレード)
ウェイド・マイリー(SP/トレード)
ジャスティン・マスターソン(SP/FA)
ロビー・ロス(RP/トレード)
アレクシー・オガンド(RP/トレード)
アンソニー・アルバロ(RP/トレード)
主な戦力流出 ヨエニス・セスペデス(LF)
バーク・ベイデンホップ(RP)
ウィル・ミドルブルックス(3B)
アレン・ウェブスター(SP)
ルビー・デラロサ(SP)

打線の補強としては、ハンリー・ラミレス、パブロ・サンドバルというFA市場でのトップクラスの選手をたて続けに獲得することに成功しました。

ジョン・レスター、ジョン・ラッキー、ジェイク・ピービをシーズン中にトレードで出したあと、若い投手にチャンスが与えられたものの結果を残せなかっため、先発投手陣をトレードで補強しました。

外野手が余っていましたのでヨエニス・セスペデスを交換要員としてリック・ポーセロ、チャンスが与えられながら期待に応えられなかったアレン・ウェブスター、ルビー・デラロサらを交換要員としてウェイド・マイリー、FAでジャスティン・マスターソンで先発ローテを整えました。

またバックアップ捕手だったベテラン捕手のデビッド・ロスをFAで失ったのですが、その穴埋めとしてサンドバルに押し出されてポジションを失ったミドルブルックスを交換要員としてパドレスからライアン・ハニガンを獲得しています。

レッドソックスの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想されるスターティングメンバーと打順、ベンチメンバーは以下のとおりとなっています。

【予想スターティングラインナップ】
1(CF)M.ベッツ(率.291 本5 点18 出.368 長.444)
2(2B)D.ペドロイア(率.278 本7 点53 出.337 長.376)
3(DH)D.オルティス(率.263 本35 点104 出.355 長.517)
4(LF)H.ラミレス(率.283 本13 点71 出.369 長.448)
5(3B)P.サンドバル(率.279 本16 点73 出.324 長.415)
6(1B)M.ナポリ(率.248 本17 点55 出.370 長.419)
7(RF)S.ビクトリーノ(率.268 本2 点12 出.303 長.382)
8(SS)X.ボガーツ(率.240 本12 点46 出.297 長.362)
9(C)C.バスケス(率.240 本1 点20 出.308 長.309)
【予想ベンチメンバー】
R(C)R.ハニガン(率.218 本5 点34 出.318 長.324
R(RF)D.ナバ(率.270 本4 点37 出.346 長.361)
R(UT)B.ホルト(率.281 本4 点29 出.331 長.381)
R(OF/1B)A.クレイグ(率.215 本8 点46 出.279 長.315)
R(OF)R.カスティーヨ(率.333 本2 点6 出.400 長.528)
R(UT)G.チェッキーニ(率.258 本1 点4 出.361 長.452)
R(IF)J.ウィークス(率.308 本0 点3 出.406 長.423)
R(CF)J.ブラッドリー(率.198 本1 点30 出.265 長.266)

外野手はレフトのハンリー・ラミレスが確定で、ライトは健康であればという条件付きでシェーン・ビクトリーノをレギュラーとして起用することをジョン・ファレル監督が明言しています。

そのため残る最後のセンターを7年7250万ドルで獲得したキューバの亡命選手であるルスネイ・カスティーヨ、2014年に結果を残し、将来的にチームのリーダーになれると期待されているムーキー・ベッツが争う状況です。

ただ、ルスネイ・カスティーヨが故障で一旦離脱してしまったこともあり、開幕時はスプリングトレーニングで好調なムーキー・ベッツが1番センターを務めることが有力視されています。

問題はルスネイ・カスティーヨが復帰して来た時にどうするのかということになるのですが、カスティーヨの状態が良く、ビクトリーノが健康であれば、ムーキー・ベッツはマイナー降格できるオプションが残っていますので、ベッツが3Aでプレーする可能性がありそうです。

外野は他にもアレン・クレイグとダニエル・ナバが残っているのですが、ダニエル・ナバは貴重な左打ちであると同時に一塁を守ることができるため、ベンチ要員として残ることが有力です。

また、内外野を守れるブロック・ホルトは、ユーティリティプレーヤーとして開幕ロースターに入ることが有力です。

トレードの噂で一番多く名前があがるのがアレン・クレイグですが、レフトのハンリー・ラミレスやファーストのマイク・ナポリのバックアップとしてチームに残す方針のようです。

外野手が余っていることと、先発ローテに不安があるためトレードの噂が絶えないレッドソックスでしたが、現状では野手の選手層を厚くすることを優先しているようです。

ベン・チェリントンGMは、故障があってもジョン・ファレル監督が多くの選択肢を持てる状況を整えたいようで、主力投手に大きな問題がない限りは、現状を維持する可能性が高そうです。

レッドソックス投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

レッドソックスの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】
SP1:C.バックホルツ(170.1回 防5.34 8勝11敗 WHIP1.39)
SP2:R.ポーセロ(204.2回 防3.43 15勝13敗 WHIP1.23)
SP3:W.マイリー(201.1回 防4.34 8勝12敗 WHIP1.40)
SP4:J.ケリー(96.1回 防4.20 6勝4敗 WHIP1.35)
SP5:J.マスターソン(128.2回 防5.88 7勝9敗 WHIP1.63)
【予想されるリリーフ陣】
CLO:上原浩治(64.1回 防2.52 26SV WHIP0.92)
SET:田澤純一(63.0回 防2.86 0SV WHIP1.19)
SET:E.ムヒカ(60.0回 防3.90 8SV WHIP1.38)
RP1:A.オガンド(25.0回 防6.84 1SV WHIP1.26)
RP2:C.ブレスロウ(54.1回 防5.96 1SV WHIP1.86)
RP3:R.ロス(78.1回 防6.20 0SV WHIP1.70)
RP4:A.バルバロ(54.2回 防2.63 0SV WHIP1.08)

開幕投手が誰になるかは決定していない状況ですが、バックホルツ、ポーセロ、マイリーの中から選ばれると予想されます。

先発ローテはエースらしきエースが存在せず、バックホルツ、ポーセロ、マイリーらは良く先発2番手、できれば3番手で使いたいタイプの投手のため、打線の援護とリリーフ陣の安定感は重要になりそうです。

またバックホルツ以外の先発投手は、グランドボールピッチャーばかりなので、内野の守備力は重要になるのですが、サードにサンドバル、セカンドにペドロイア、ファーストにナポリと安定感のある選手が揃っているため、ショートを守るボガーツのパフォーマンスが、これらの投手の成績も左右することになりそうです。

リリーフ陣では、クローザーを上原浩治が務めることをファレル監督が明言していて、そのバックアップはセットアップを務めるエドワード・ムヒカとなり、田澤純一は基本的にはセットアップマンとして重要な役割が期待されることになります。

他のリリーフ投手では、トレードでブレーブスから獲得したアンソニー・バルバロが対左打者のスペシャリストして面白い存在で、右投手なのですが、左打者へキャリア通算での被打率が.196である一方で、対右打者には.262の数字を残すなど、左打者に非常に強い数字を残してます。

リリーフ陣は防御率3.33とまずますの数字を残したレッドソックスでしたが、その数字に貢献していたアンドリュー・ミラー(42.1回・防御率2.34)はシーズン中に、バーク・ベイデンホップ(70.2回・防御率2.29)をFAで失っています。

その穴埋めが必要となるのですが、レンジャーズから移籍してきたアレクシー・オガンドとロビー・ロスの2人に期待をかけることになます。

ともに2014年は成績が良くありませんでしたが、アレクシー・オガンドは先発とリリーフの両方をこなしながら通算の防御率は3.33、ロビー・ロスはリリーフ専任だった2012-13年シーズンは防御率2.62を記録していますので、両者が復活すれば大きな戦力となります。

またこれらのブルペン陣が冴えない場合には、長期的には先発投手として期待されているものの、90マイル後半のファーストボールと、鋭いブレーキングボールで評価を高めているマット・バーンズなどを起用することになりそうです。

総括・まとめ

打線に関しては中軸の破壊力ではブルージェイズには劣るものの、打線全体での迫力はややレッドソックスが上回る印象で、ア・リーグ東地区だけでなくア・リーグでも屈指のものとなりそうです。

守備に関しては2014年も守備防御点(DRS)が+27でリーグ4位、アルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)が+48.5でリーグ3位と非常に安定していました。

2015年はレフトのハンリー・ラミレスが未知数ではあるものの、それ以外の内外野は安定したパフォーマンスが期待されるため、打線の破壊力に注目が集まりがちですが、レッドソックスの隠れた強みとなりそうです。

問題は投手陣で、2014年に防御率4.36と低迷した先発投手陣が、新しい顔ぶれでしっかりと機能できるかどうかということになります。

ただ、基本的な戦略としては先発投手は試合を壊さない程度に長い回を投げてもらって、打線の得点力でカバーするというのが基本的なスタンスとなりそうで、補強の目玉となったハンリー・ラミレスとパブロ・サンドバルのパフォーマンスが非常に重要になります。

ただ、サンドバルの2014年はポストシーズンでは結果を残したものの、打率.279/本塁打16/打点73/出塁率.324は際立った数字ではなく、2012年以降は20本塁打を記録できていません。

またハンリー・ラミレスの2014年の成績も打率.283/本塁打13/打点71/出塁率.369と遊撃手としては素晴らしいものの、外野手としては際立つほどではないと考えられます。

両者ともにここ数年は投手有利の本拠地でプレーしていましたが、打者有利のフェンウェイ・パークやア・リーグ東地区の球場で多くプレーすることになりますので、昨年同様のパフォーマンスでも、成績的には向上することが期待できそうです。

2015年のレッドソックスは十分に優勝を狙える戦力となっていることは間違いないのですが、かといってア・リーグ東地区において圧倒的な1番手に据えることができないのも事実です。

というのも打線が強力な一方で、先発ローテには精神的にもパフォーマンスの面でも柱となるようなエースらしいエースが不在で、3番手クラスの投手がズラリと顔を並べているにも関わらず、リリーフ陣もオリオールズやヤンキースと比較した時には、やや不安が残るためです。

リリーフ陣の中では、クローザーを務める上原浩治が40歳となるため1年を通じで高いレベルでのパフォーマンスを発揮できるかどうかは懸念材料ですし、万が一の代役と考えられているエドワード・ムヒカも絶対的な信頼感がおけるわけではもありません。そのため上原浩治のパフォーマンスは非常に重要で、うまくいかない場合には、シーズン中の補強でさらに大きめの動きが必要になるかもしれません。

先発投手陣の編成はある程度の失点は覚悟し、打線の援護があることを前提していると考えられるため、FAで獲得した2人に加えて、ベテランのデビッド・オルティス、マイク・ナポリらがフル回転で活躍することが、2012年から2013年の時と同様の最下位の翌年優勝という結果を残すためには欠かせないものとなりそうです。