MLB30球団分析:テキサス・レンジャーズの2015シーズン開幕前戦力分析

Texas Rangers Top Catch

2010年と2011年の2年連続でワールドシリーズに進み、2012年はワイルドカードゲームで敗れたものの3年連続となるポストシーズン進出を果たしたレンジャーズでしたが、2013年は91勝72敗と大きく勝ち越したもののプレーオフには手が届きませんでした。

その2013年から戦力アップをはかるためプリンス・フィルダー、秋信守らを加えて迎えた2014年シーズンでしたが、主力選手が軒並み故障者リスト入りするなどして戦力ダウンに苦しみ、1994年以来の70勝以下でアストロズの後塵を拝する地区最下位に転落しました。

そこからの立て直しが期待されているテキサス・レンジャーズの2015年シーズン開幕前の戦力分析です。

スポンサーリンク

レンジャーズの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

2014年シーズンのレンジャーズのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年打撃陣成績 得点 637(MLB17位/AL10位)
打率 .256(MLB8位/AL5位)
出塁率 .314(MLB15位/AL9位)
長打率 .375(MLB22位/AL13位)
盗塁 105(MLB8位/AL5位)
2014年投手陣成績 防御率 4.49(MLB28位/AL14位)
SP防御率 4.75(MLB28位/AL14位)
QS 62(MLB30位/AL15位)
RP防御率 4.02(MLB24位/AL11位)
SV率 70.21%(MLB14位/AL7位)
2014年守備成績 守備防御点(DRS): -43(MLB26位/AL11位)
UZR -6.9(MLB22位/AL10位)

プリンス・フィルダー、秋信守らを加えたことでリーグ屈指の強力打線になるのではと期待されたのですが、肝心の2人が故障で苦しむなどリーグ10位の得点しか生み出すことができませんでした。

さらに先発投手が足りないとシーズン開幕前から指摘を受け続けてきたものの、故障から復帰する投手を期待して、目立った補強をしなかったのですが、さらに故障者が出てしまい、ローテを組むのにも四苦八苦する状態となりました。

その結果、先発投手陣の防御率は4.75でMLB全体で28位、ア・リーグで14位、クオリティ・スタート数は62回で両リーグ最低の数字に低迷してしまいました。

ブルペン陣はそれよりは良かったものの、リーグ下位の防御率で、セーブ成功率もそこそこだったのですが、チーム最多のセーブをあげたホアキム・ソリアをシーズン中のトレードで放出しています。

そのレンジャーズの主なシーズンオフの戦力の加入・流出の一覧は以下のとおりとなっています。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 TR:ヨバニ・ガヤルド(SP)
TR:ロス・デトワイラー(SP/RP)
TR:カルロス・コーポラン(C)
FA:コルビー・ルイス(SP)
FA:藤川球児(RP)
TR:アンソニー・ロナウド(RP)
FA:カルロス・ペゲーロ(OF)
FA:ジェレミー・ライト(RP)
FA:ネイト・シャーホルツ(OF)
FA:クリス・ジメネス(C/1B)
主な戦力流出 TR:ダニエル・ロバートソン(OF)
FA:アレクシー・オガンド(SP/RP)
TR:ロビー・ロス(RP)
FA:アレックス・リオス(OF)
TR:コリー・ニーベル(RP)
FA:ニール・コッツ(RP)
RE:マイルズ・マイコラス(SP)
TR:ルイス・サーディナス(2B)
FA:J.P.アレンシビア(C)
RE:アーロン・ポレダ(RP)

先発投手の補強が必須だったのですが、トレードでヨバニ・ガヤルドとロス・デトワイラー、FAとなったコルビー・ルイスと再契約をすることで、一旦は先発ローテのメドが立ちました。しかし、肝心かなめのダルビッシュがトミー・ジョン手術となり今季絶望となったため、結果として不十分な補強となっています。

打線は基本的には故障から復帰する選手と、不振からのバウンスバックすることを期待する選手に頼る方針だっため、大きな動きはありませんでした。

捕手はソトやジメネスらをシーズン中のトレードで放出して手薄になったのですが、メインのバックアップ捕手としてコーポランをトレードで獲得し、さらにジメネスとマイナー契約を結びました。

リリーフ陣の補強としてはトミー・ジョン手術から復帰したものの、あまり良い成績は残せずにカブスからFAとなった藤川球児と1年110万ドルで契約したのが目立つ程度で、後はマイナー契約が主なものとなっています。

レンジャーズの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想されるスターティングメンバーと打順並びにベンチメンバーは以下のとおりとなっています。

【予想スターティングラインナップ】

  1. (CF) レオニス・マーティン
    打率.274/本塁打7/打点40/出塁率.325/長打率.364
  2. (SS) エルビス・アンドラス
    打率.263/本塁打2/打点41/出塁率.314/長打率.333
  3. (1B) プリンス・フィルダー
    打率.247/本塁打3/打点16/出塁率.360/長打率.360
  4. (3B) エイドリアン・ベルトレ
    打率.324/本塁打19/打点77/出塁率.388/長打率.492
  5. (RF) 秋信守
    打率.242/本塁打13/打点40/出塁率.340/長打率.374
  6. (DH) ミッチ・モアランド
    打率.246/本塁打2/打点23/出塁率.297/長打率.347
  7. (LF) ジェイク・スモリンスキー
    打率.349/本塁打3/打点12/出塁率.391/長打率.512
  8. (C) ロビンソン・チリノス
    打率.239/本塁打13/打点40/出塁率.290/長打率.415
  9. (2B) ロウグネド・オドール
    打率.259/本塁打9/打点48/出塁率.297/長打率.402

【予想ベンチメンバー】

  • (C) カルロス・コーポラン
    打率.235/本塁打6/打点19/出塁率.302/長打率.376
  • (UT) アダム・ロサレス
    打率.262/本塁打4/打点19/出塁率.328/長打率.378
  • (OF) カルロス・ペゲーロ
    打率.222/本塁打0/打点1/出塁率.300/長打率.333
  • (UT) ライアン・ルア
    打率.295/本塁打2/打点14/出塁率.321/長打率.419
  • (OF) ネイト・シャーホルツ
    打率.195/本塁打7/打点37/出塁率.243/長打率.309
  • (OF) マイケル・チョイス
    打率.182/本塁打9/打点36/出塁率.250/長打率.320
  • (OF) ライアン・ラドウィック
    打率.244/本塁打9/打点45/出塁率.308/長打率.375

打線はエイドリアン・ベルトレが2014年に打率.324・本塁打19と十分とも言える成績を残したのですが、長打率.492はマリナーズ時代以来の4割台に落ちてしまいました。4月で36歳になる年齢を考えると大きな上積みがあるとは考えにくい状況です。

秋信守は左肘や左足首の問題を抱えながらも打率.242・本塁打13・/出塁率.340と一定の長打力と高い出塁率を記録しました。そのため健康であれば高い出塁率を期待できると予想されたのですが、スプリング・トレーニングでもすでに左上腕三頭筋のMRI検査を受けるなど、万全とは言いがたく、7月に33歳となる年齢を考えると体調面で不安が残ります。

プリンス・フィルダーやエルビス・アンドラスはスプリング・トレーニングでは復活を予感させるような打撃をしているとの評価が有りますでの、その点はレンジャーズにとって明るい材料となっています。

打順ではリードオフヒッターをレオニス・マーティンが務め、2番を秋信守からエルビス・アンドラスのどちらかで、アンドラスが2番を打つときには秋信守が3番か5番を、秋信守が2番のときにはアンドラスは下位打線にまわることになると予想されています。

主力選手が健康であれば、打線の上位に関してはそれなりに期待ができる布陣ですが、下位打線に関してはチリノス、オドール、スモリンスキーらという若手に期待することになります。

これらの若い選手は昨シーズンにポテンシャルを感じさせるところはあったものの、シーズンになってみないとわからないというのが実情で、不安があることは隠せないラインナップとなっています。

レンジャーズ投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

レンジャーズの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】

  1. (SP) ヨバニ・ガヤルド
    192.1回/防御率3.51/8勝11敗/WHIP1.29
  2. (SP) デレク・ホランド
    37.0回/防御率1.46/2勝0敗/WHIP1.05
  3. (SP) コルビー・ルイス
    170.1回/防御率5.18/10勝14敗/WHIP1.52
  4. (SP) ロス・デトワイラー
    63.0回/防御率4.00/2勝3敗/WHIP1.41
  5. (SP) ニック・テペッシュ
    126.0回/防御率4.36/5勝11敗/WHIP1.37
  6. (SP) ニック・マルティネス
    140.1回/防御率4.55/5勝12敗/WHIP1.46
  7. (SP) ロス・オーレンドルフ
    2014年は出場なし
  8. (SP) マーティン・ペレス
    51.1回/防御率4.38/4勝3敗/WHIP1.34
  9. (SP) マット・ハリソン
    2014年は出場なし

【予想されるリリーフ陣】

  • (CLO) ネフタリ・フェリス
    31.2回/防御率1.99/13SV/WHIP0.98
  • (SET) タナー・シェパーズ
    23.0回/防御率9.00/0SV/WHIP1.78
  • (SET) ショーン・トールソン
    71.2回/防御率2.76/0SV/WHIP1.17
  • (RP) ケオネ・ケラ
    メジャー未経験
  • (RP) アレックス・クラウディオ
    12.1回/防御率2.92/0SV/WHIP1.46
  • (RP) ジェイミー・ライト
    70.1回/防御率4.35/1SV/WHIP1.41
  • (RP) 藤川球児
    13.0回/防御率4.85/0SV/WHIP1.85

ダルビッシュの離脱はあまりにも大きく、埋めることができるとすればフィリーズからコール・ハメルズをトレードで獲得する以外にはないという状況です。

ハメルズのトレードにはチームのトップ3クラスのプロスペクトが必要になるとされています。レンジャーズのフロントは一貫してトップクラスのプロスペクトの放出は嫌っているため、実現性は低いと言わざるをえません。

その結果、ダルビッシュがいればNo.3におけたガヤルドをNo.1にして、ゴルビー・ルイスを3番手に置かざるを得なくなりました。ルイスは4番手もしくは5番手としては良い投手ですが、No.3としては物足りなく、さらにそのルイスの後のNO.4-5に関しては計算できるとは言いがたい構成です。

シーズン途中にマーティン・ペレスが復帰する見込みですが、マット・ハリソンは選手生命にかかわるような手術を受けたため、かつてのようなパフォーマンスを期待するのは酷で、全体的な層の薄さは隠せません。

リリーフに関しては、クローザーのネフタリ・フェリスが昨シーズン終盤に13セーブ(失敗1回)と復活の兆しを見せたことは明るい材料です。が、球速が戻っていないと地元メディアでは懸念の声がちらほらと上がっています。

セットアップとしての期待もされていた藤川球児は球速が上がらない状態が続いた上に、マイナー降格できるオプションが残っているため、シーズン開幕はマイナーで迎えることが、ほぼ確実と見られています。

さらに、昨シーズンは71.2回で防御率2.76と活躍したショーン・トールソンは右前腕の張りを訴えていて、医師の診断待ちという不安があります。

そのためセットアップとしては2014年からのバウンスバックを期待するタナー・シェッパーズとなるなど、ブルペン陣の不安定感は隠せず、先発投手陣以上に不安が残るままシーズンを迎えることになりそうです。

総括・まとめ

プリンス・フィルダー、秋信守らが復帰し、若い選手たちが昨シーズン以上の数字を残せることができれば、得点力のアップは期待できるものの、投手陣の不安が大きく、ノーガードの打ち合いになる可能性があります。

投手陣の編成ではエンゼルス、マリナーズ、アスレチックスには遠く及ばず、アストロズとは先発投手では大差がないものの、ブルペンはクオルズ、グレーガーソン、ネシェックと勝ちゲームを締めることのできる3人がいる分、アストロズにアドバンテージがあります。

また打線ではエンゼルスは昨年に近い水準を維持できると見られ、アスレチックスはやや落ちると予想されるものの、アストロズやマリナーズもグレードアップしているため、決定的な差をつけるほどのアドバンテージはレンジャーズにはありません。

投打のすべてが相当にうまく噛み合って機能した場合には勝率5割に近づく可能性があるものの、ダルビッシュを失った今、それ以上を期待するのは厳しい状況にあり、シーズン早々に負けが増えることになれば、エイドリアン・ベルトレらを含めた主力選手の放出に踏み切らざるを得なくなりそうです。

レベルが上がり最激戦地区になると予想されるア・リーグ西地区では、なかなか良い見通しを立てることができず、2年連続の地区最下位がちらつくシーズン開幕前のレンジャーズです。