MLB30球団分析:ピッツバーグ・パイレーツの2015シーズン開幕前戦力分析

Pittsburgh Pirates Top Catch

1992年からポストシーズンから遠ざかっていたパイレーツですが、ワイルドカードではあるものの、2013年と2014年に2年連続でポストシーズンに進出しました。

マーケットが小さいチームであるため、年俸総額は8827万8500ドルとMLB全体で25番目の規模にとどまるのですが、選手の育成に長けるチームで、自前の選手が主力となり、チームの躍進を支えています。

そのピッツバーグ・パイレーツの2015年シーズン開幕前の戦力分析です。

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パイレーツの2014年のチーム成績とオフの主な戦力の加入・流出の一覧

2014年シーズンのパイレーツのチーム全体の打撃陣と投手陣の成績は以下のとおりとなっています。

*SP:先発投手 QS:クオリティスタート RP:リリーフ投手 SV率:セーブ成功率

2014年打撃陣成績 得点 682(MLB 10位/NL 2 位)
打率 .259(MLB 5位/NL 3位)
出塁率 .330(MLB 3位/NL 2位)
長打率 .404(MLB 7位/NL 3位)
盗塁 104(MLB 9位/NL 4位)
2014年投手陣成績 防御率 3.49(MLB 8位/NL 5位)
SP防御率 3.60(MLB 10位/NL 7位)
QS 90(MLB 12位/NL 9位)
RP防御率 3.28(MLB 9位/NL 5位)
SV率 66.67%(MLB 19位/NL 5位)
2014年守備成績 守備防御点(DRS) +36(MLB 6位/NL 4位)
UZR -40.3(MLB 27位/NL 15位)

打線は指名打者のあるア・リーグを含めたMLB全体では際立つほどではありませんが、ナ・リーグ2位となるなど得点力があります。打率、出塁率、長打率、盗塁などの項目がいずれも上位に位置するなど、バランスよく安定感のある攻撃ができるパイレーツです。

一方の投手陣は、先発投手個々人の成績は驚くようなものではなく、そこにやや弱さがあるですが、投手陣全体では良い成績を残していて、チーム防御率は3.49でリーグ5位となっています。

このように投手陣に圧倒的な力はないものの、得点力のある打線との組み合わせで勝ち星を重ねることができるレベルを維持するなど、投打のバランスが良いパイレーツです。

そのパイレーツのシーズンオフの主な戦力の加入・流出の一覧は以下のとおりとなっています。

*TR:トレード FA:フリーエージェン

主な戦力加入 TR:フランシスコ・セルベーリ(C)
TR:スティーブ・ロンバードージー(2B)
FA:A.J.バーネット(SP)
FA再契約:フランシスコ・リリアーノ(SP)
FA:コリー・ハート(1B)
FA:姜正浩(IF)
主な戦力流出 FA:ラッセル・マーティン(C)
FA:エディンソン・ボルケス(SP)
FA:エルネスト・フリエリ(RP)
TR:ジャスティン・ウィルソン(RP)
TR:アイク・デービス(1B)
FA:クリント・バームス(IF)

チームを去った選手の中で影響が大きいのが正捕手で優れたリーダーシップで定評があるラッセル・マーティン、昨シーズンのチーム勝ち頭だったエディンソン・ボルケス、昨シーズンはやや低迷したものの、2013年にはセットアップを務めていたジャスティン・ウィルソンとなります。

その一方で、投手陣はフィリーズと1年1275万ドルで更新できる権利を有しながら、あえてそれを破棄してパイレーツと1年800万ドルで契約したA.J.バーネットがチームに復帰しました。

またラッセル・マーティンが抜けた捕手には、ヤンキースからトレードでフランシスコ・セルベーリを獲得しています。その他の野手では韓国のA.ロッドと呼ばれる姜正浩をポスティングで、FAではコリー・ハートらを加えました。

パイレーツの打撃陣の予想スターティングメンバーと分析

予想されるスターティングメンバーと打順並びにベンチメンバーは以下のとおりとなっています。

【予想スターティングラインナップ】

  1. (3B)ジョシュ・ハリソン
    打率.315/本塁打13/打点52/出塁率.347/長打率.490
  2. (RF)グレゴリー・ポランコ
    打率.235/本塁打7/打点33/出塁率.307/長打率.343
  3. (CF)アンドリュー・マカッチェン
    打率.314/本塁打25/打点83/出塁率.410/長打率.542
  4. (2B)ニール・ウォーカー
    打率.271/本塁打23/打点76/出塁率.342/長打率.467
  5. (LF)スターリング・マルテ
    打率.291/本塁打13/打点56/出塁率.356/長打率.453
  6. (1B)ペドロ・アルバレス
    打率.231/本塁打18/打点56/出塁率.312/長打率.405
  7. (SS)ジョーディー・マーサー
    打率.255/本塁打12/打点55/出塁率.305/長打率.387
  8. (C)フランシスコ・セルベーリ
    打率.301/本塁打2/打点13/出塁率.370/長打率.432

【予想ベンチメンバー】

  • (C)トニー・サンチェス
    打率.267/本塁打2/打点13/出塁率.300/長打率.360
  • (1B)コリー・ハート
    打率.203/本塁打6/打点21/出塁率.271/長打率.319
  • (IF)姜正浩
    打率–/本塁打–/打点–/出塁率–/長打率–
  • (UT)ショーン・ロドリゲス
    打率.211/本塁打12/打点41/出塁率.258/長打率.443
  • (1B/OF)アンドリュー・ランボー
    打率.256/本塁打0/打点1/出塁率.256/長打率.359

捕手のクリス・スチュワート、ロングリリーフとスポット先発ができるブランドン・カンプトン、チャーリー・モートンらが故障者リストで開幕を迎えることになりますが、大きなものではないと報じられています。

ラッセル・マーティンを失ったものの、それでもアンドリュー・マカッチェンを中心に、上位から下位打線まで長打力のある打者がズラリと並び、息を抜けないラインナップとなっています。

トッププロスペクトとして期待されながら2014年は完全にブレイクしきれなかったグレゴリー・ポランコが、その才能を開花させるようであれば、さらに強力な打線になります。

長打力があるチームに起こりがちなのが、本塁打数が多いものの、三振が多く、四球が少ないという現象なのですが、パイレーツはそうではありません。

出塁率が高いことからもわかるように、四球を選ぶことができるチームで、四球率は8.4 %とMLB全体で6番目、ナ・リーグでは2番目の高さです。

三振率も20.0%とMLB全体で19番目と低く、打線全体で洗練された攻撃ができるため、2015年も安定した攻撃が期待できそうです。

パイレーツ投手陣の予想先発ローテーションとリリーフ陣の分析

パイレーツの予想される先発ローテーションとブルペン陣の編成は以下のとおりとなっています。

【予想される先発投手陣】

  1. (SP) フランシスコ・リリアーノ
    162.1回/防御率3.38/7勝10敗/WHIP1.30
  2. (SP) ゲリット・コール
    138.0回/防御率3.65/11勝5敗/WHIP1.21
  3. (SP) A.J.バーネット
    213.2回/防御率4.59/8勝18敗/WHIP1.41
  4. (SP) チャーリー・モートン
    157.1回/防御率3.72/6勝12敗/WHIP1.27
  5. (SP) ジェフ・ロック
    131.1回/防御率3.91/7勝6敗/WHIP1.27

【予想されるリリーフ陣】

  • (CLO) マーク・マランソン
    71.0回/防御率1.90/33SV/WHIP0.87
  • (SET) トニー・ワトソン
    77.1回/防御率1.63/2SV/WHIP1.02
  • (SET) ジャレッド・ヒューズ
    64.1回/防御率1.96/0SV/WHIP1.09
  • (RP) ラダメス・リズ
    –回/防御率–/–SV/WHIP–
  • (RP) アントニオ・バスタルド
    64.0回/防御率3.94/0SV/WHIP1.20
  • (RP) アルキメデス・カミネーロ
    6.2回/防御率10.80/0SV/WHIP1.80
  • (RP) ロブ・スケーヒル
    15.0回/防御率4.80/SV/WHIP1.73
  • (SP/RP) バンス・ウォーリー
    110.2回/防御率2.85/8勝4敗/WHIP1.21

投手陣は絶対的なエースがいないと言えるところが泣き所ではあり、昨シーズンのワイルドカードでの敗退にもつながりました。

その点は不安材料ではあるのですが、パイレーツのコーチ陣は優秀で、A.J.バーネットは2012年に防御率3.51/16勝10敗/WHIP1.21、2013年に防御率3.30/10勝11敗/WHIP1.24と、ヤンキース時代の低迷からバウンスバックしましたが、パイレーツのコーチによる指導が大きな効果を発揮しています。

他にも、フランシスコ・リリアーノ、エディンソン・ボルケスもパイレーツに移籍後に復活し、成績を向上させています。

またトミー・ジョン手術を受けたトッププロスペクトのジェイムソン・タイヨンらもシーズン終盤には昇格してくる可能性もあるため、厚みが更に増す可能性もあります。

ファームから昇格してくる選手やベテランの投手が不調に陥っても、うまく調整してシーズン終盤にはそれなりの状態でにできるスタッフが揃っているため、見た目の派手さはなくても、シーズン全体ではそれなりの状態になると予想されるパイレーツです。

リリーフ陣は勝ちゲームをしっかりと締めることの出来るメンバーが揃っているため、こちらも大きな不安にはならないと予想されるため、強力な打線との組み合わせで勝ち星を積み重ねることができそうです。

総括・まとめ

2014年シーズン前半は49勝46敗で地区4位だったものの、終盤になるにつれてチームの状態を上げていき、後半戦は39勝28敗として、カージナルスを脅かすところまでいきました。

指揮を執るクリント・ハードルは、2013年のナ・リーグ最優秀監督、で2007年にも同投票で3位、2014年も2位になるなど、実績も残している経験豊富な監督です。

チームのコアは生え抜きの優秀な選手で構成され、この2年間で培ったてきた勝つチームとしてのカルチャーが定着しつつあります。

精神的な柱でもあったラッセル・マーティンが抜けたのは痛手ではありますが、若い伸び盛りの選手が揃い、チームとしての一体感もあり、走攻守のバランスもよく穴が少ないため、ポストシーズン争いに絡んでくるのは確実視されます。

上位から下位までの差が縮まった最激戦区とも言えるナ・リーグ中地区ですが、カージナルスとともに地区をリードしていくこと予想され、波に乗ればカージナルスの地区連覇を阻止する可能性があると考えられる2015年のパイレーツです。